「アルカナ・アルカディア」、今回は16章「Glittering Children」について。
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16章「Glittering Children」
話数 | 主な出来事 |
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0.3話「死神」幕間 | ・いちえの演技を見て「ありのままでいい」と言われた気分になる珠緒 ・ポン酢を携えて栞が珠緒を訪ねてくる ・戦車が死神に火をつけた、珠緒の炎が文を蘇らせた |
0.5話「慈善」幕間 | ・配役直談判の後押しをしたお礼に、真矢にバウムクーヘンをふるまうつかさ(第2回本読み後) ・慈善の台詞がうわべだけに感じる。あるるのことが原因かも… ・真矢は「星雪式メソッド」で世界と慈善のエチュードを展開、自分だけの慈善をみつけたつかさ |
1話 | ・アルカナ・アルカディア第4幕「Glittering Children」 ・レヴュー・フロンティア、あるるはやらないの一点張り ・斬りかかる静羽、あるるに火をつけられ目覚めた以上停滞していられない |
2話 | ・あるるの舞台に執着している、放っておけない救いたい ・「あんたは月なんだよ」と言う美空 ・力をつけて共演者として舞台に立ちたい |
3話 | ・これは別れじゃなくて旅立ち、終わりじゃなくて始まり ・少しずつ心を開き始めるあるる ・美空が地雷を踏み抜く。あるるが子供になる。 |
4話 | ・消えたあるるを探す4人 ・母にみつかるのなら舞台から逃げなくちゃ ・明るくハッピーに演じ続けてやっとみつけたファミリーだった |
5話 | ・優しくされるほど皆と違うって思い知らされる ・あのとき舞台に出会わなければ… ・「そんなことされたら困っちゃうんだよね」未来の後輩・西野える登場 |
6話 | ・星の少女モノローグ。魔法の書が増え「西の魔女」と呼ばれていた ・ドロシー・アンが自分を認めてくれた「月明かりの果て…約速の場所、秘密の楽園で」 ・西の魔女は星の少女に生まれ変わり旅を始めた |
7話 | ・アンのモノローグ。西の魔女を倒して戻ってきたら自分には何もなかった ・アンを迎えに来た、一緒に行こうと言う星の少女 ・「私はあなたのキラめきから生まれた、あなたの娘」 |
8話 | ・審判、信仰、慈善、希望が現れる。 ・何も持たなかった私達はあなたのキラめきを浴びて何者かになれた ・舞台にはみんなを照らす月が必要、あなたが大好きな舞台へ戻っておいで |
9話 | ・あるるが元の姿に。戸惑うあるるに西野えるが頭突き ・あなたのおかげで創作という道をみつけた ・あなたが舞台に立っていないと私生まれないんですけど? |
10話 | ・反抗期だったあるる、いい加減覚悟を決めて ・私達は未来で舞台で繋がっている ・「愛してるよあるる」ずっと欲しかった言葉にあるる号泣 |
11話 | ・キラめきで満たされたあるる「大月あるるを演じられるのは私だけなんだ」 ・「未来で待ってるね」と消える西野える ・レヴュー・フロンティアを始めるよ |
12話 | ・レヴュー・フロンティア ・ファミリーからカンパニーに、家族から劇団に ・みんなのキラめきに負けたくない、華恋ちゃんみつけたよ、舞台少女の落とし物 |
13話 | ・自分1人でこの道なき道を「アタシ・新発見!!」 ・お話を再び書き始めるえる ・真矢「大場なな、私はあなたを赦さない」 |
14話 | ・「正義と絶対のレヴュー」真矢VSなな、突然始まるレヴューに驚くアンドリュー ・主役を目指す皆の思いを切り捨てる、それは可能性と未来の排除 ・1人が全てを支配する舞台など可能性を捨てた舞台の死 |
15話 | ・舞台に執着し舞台で燃え尽きんとする、それが舞台少女の生き様 ・舞台を舐めるな、大場なな!→真矢勝利 ・ななの元に現れるミチル、純那、まひる |
第16章は主にあるる復活がメイン。これまで各章の最後で展開されていたフロンティアの物語がいったん一区切りをつける。
珠緒と栞の邂逅
太陽いちえのアドリブが伝えたかったメッセージは、どうやら珠緒もうっすら感じ取っていたようだ。そこへ「戦車」のキャラを纏った栞が訪ねてくる。文がずっと探し求めていた希少なポン酢を入手したので珠緒に託しに来たと言うのだが、そこであっさり終わるわけがなく…。
文が割烹ともゑのポン酢を気に入ったことから転じて、一度シークフェルトの舞台を降りた文が再び舞台に上がれたのは珠緒の影響だとして栞は「あなたのせいでお姉ちゃんが変わってしまった」「いっそ死せる舞台少女のままでいてくれたほうがよかった」と言う。自分との約束を捨てて珠緒との舞台に立とうなんて、という敵対意識をむき出しにする栞。
しかし、珠緒もまた大切なものを奪われたと知る栞。失ったものを取り戻すために珠緒と文は「凛明館の誓い」を交わしたのだという。でも自分が満足しかけたとき、劇フェスは戦場であると「戦車」栞が思い出させてくれた。珠緒は再び火をつけてくれた栞に感謝するのだった。
文をめぐって取り合いをしながらも、互いのことを知って小さな秘密(ポン酢)を共有した珠緒と栞。実に濃い幕間だった。
アルカナ・アルカディア
第四幕
4人によるあるるへの呼びかけ。どうしてほっといてくれないの!?とずっと意固地になっていたあるるだが、「あるるを捨てるのではない」「これは別れではなく旅立ち」「終わりじゃなくて始まり」と説得を繰り返してようやく心を開きそうになる。しかしあと少しというタイミングで、まさかの美空が地雷を踏み抜いてしまう。
最初に自分を棄てた「お母さん」という「魔女」、舞台の台詞は我慢しながら言っていたほど一番大嫌いな言葉を聞いたあるるは再び閉じこもってしまう。家族ごっこなんて舞台を始めなきゃよかった、もう二度と舞台に立たないと言って、子供になったあるるは姿を消す。
消えたあるるを探す4人。一方あるるは施設時代のことを思い出しながら、あのとき舞台と出会わなければよかったとこぼす。
星の少女と西野える
すると突然、あるるの元へ西野えると名乗る少女が現れた。フロンティアの制服を着ており、未来の後輩だと言う。オーディション会場のえるるよりも少し雰囲気が違う。あるるに悲劇のヒロインぶるなと叱咤し、あるるの過去の舞台に飛び込んだ。
一人でひたすら魔法の書を書いていた西の魔女のもとに、ドロシー・アンが現れる。初めて自分を認めてくれたアンは、「秘密の楽園で待ってる」と告げた。アンのキラめきに目を奪われた西の魔女は息絶え、星の少女として生まれ変わったという。
しかしアンは迷子になっていた。私に何があるというのか証拠を見せろと言われた星の少女は、あるるのキラめきで生まれた自分こそがその証拠だと言う。
かつてライオン、木こり、かかし、忠犬だった審判、慈善、希望、信仰も現れる。何も持たなかった私達はあるるのキラめきで何者かになれた、舞台にはみんなを照らす月が必要なんだと説得してやっとあるるが元の姿に。戸惑うあるるに西野えるが頭突きをかますw「あなたが舞台に立ってないと私生まれないんですけど?」
そしてあるるは皆の「愛してる」という言葉に号泣。ずっと欲しかった言葉で、キラめきが満たされていく。
4人は初めからずっと同じことを伝えていたのだが、あるるはここでようやく理解した。いや、ほんとはあるるもわかっていたのだ…わかりたくなくて駄々を捏ねていたと、反抗期だったと振り返る。
役目を果たした西野えるは未来へ帰っていく。そして復活したあるるはレヴュー・フロンティアへ!
レヴュー・フロンティア
ファミリーからカンパニーに、家族から劇団に。それぞれの舞台に向かって歩みだした4人のキラめきを浴び、このキラめきに負けたくない、未知なる主役をかけた舞台に自分が立ちたいと強く思ったあるる。華恋の言ったとおり、舞台少女の落とし物は舞台でみつかったのだ。
エンドクレジットには「星」も客演として含まれていた。この第四幕はこれまでの「星の少女の旅」とは違った角度からの展開だった。
- 月︰大月あるる
- 信仰︰叶美空
- 希望︰野々宮ララフィン
- 慈善︰恵比寿つかさ
審判︰胡蝶静羽
星︰西野える(客演)
正義と絶対のレヴュー
西野えるの存在はつまり未来で戯曲【A】が完成することの証左では…とななが警戒していると、そこへ真矢が立ちはだかる。
突然始まったレヴューに驚くアンドリュー。血眼に主役を求め合うことの何が悪いのか?と斬りかかる真矢。「個」と「我」がぶつかり合って誰も予想できない舞台が生まれる、その可能性を奪うのは舞台の死だと説く。
しかしななは「何度やっても私には絶対に勝てない」と動じない。"再演"で何度も真矢に勝っているからゆえの自負だが、真矢は思い上がるなと一蹴する。舞台に執着し舞台を追い求め舞台で燃え尽きんとする、誰よりも舞台を愛しているのは私だ!と圧倒し、ななを斬り伏せる。
"みんな"などいない、一人一人の「個」と「我」を切り捨てて、自分が執着する"みんな"に変えようとしていただけだと言われたなな。"みんな"を守りたかった、でも本当に守りたかったのは"別れに傷つきたくなかった自分"だったとハッとするのだった。
▼次回