「としまえんが閉園する」
そんなにわかに信じがたいニュースが飛び込んできたのは2020年2月のことだった。
twitter.com【としまえん閉園跡にハリポタ?】https://t.co/dJxmlP0KML
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2020年2月2日
「としまえん」が段階的に閉園を検討。ワーナー・ブラザースが、「ハリポタ」テーマパークを、2023年春をめどに都内にオープンさせることが分かった。としまえんが今年以降に閉園後、跡地の一部に建設する計画。
このときはまだ「検討段階」と報じられていたので、いやいやそんなまさか、とあえてスルーしていた。
しかしその4ヶ月後、閉園決定が正式に発表された。
としまえんは私にとって思い出深い場所だ。子供の頃、家族や友達と何度も訪れた。乗り物コンプリートを試みたり、プールだって行った。しょうもない理由で友達と喧嘩もした。ディッピンドッツと初めて出会ったのもここだった。そんなとしまえんが、2020年8月末で閉園してしまうのだ…
twitter.comとしまえんは小中学校時代の青春だったよ…悲しい…バスで練馬行って歩いてたような(記憶曖昧)
— 肉🍗乙女のカフェモカコンプ🌙 (@oniku_daisuki) 2020年6月12日
トップスピンとかパイレーツとかも好きだったけど、狂ったように1日中ウェーブスインガー乗ったこともあったな…
よりによって2020年はコロナ禍で不要不急の外出を控えるムードが漂っていた。さらに緊急事態宣言が発令され、としまえんを含め多くの観光施設・レジャー施設が一時休園した。
もう休園したまま閉園になるかもしれない…そう思ったこともあったが、6月から感染防止対策をした上での営業再開。それならば、最後に一度だけでも行きたいと思っていた。
としまえん納め
というわけで、事前予約を済ませ家族4人でラストとしまえんへ。私以外はこれが最初で最後のとしまえんだった。
いつもバスと電車だったので、車で来たのは初めてだった。なので正門ではなく東ゲートからの入場となり、初めは景色にあまりピンと来なかったが、カルーセルエルドラドと対面すると懐かしさがこみ上げてきた。
カルーセルエルドラド
世界最古級のメリーゴーランドで、機械遺産にも認定されたカルーセルエルドラド。やはり昼間から多くの人が並んでいた。その後も行列は伸び続ける一方で、結局乗らずに見送ることにした。「94年間ありがとう」のフォトスポットを写真に収めた。
「(ところで君たちは誰なんだ…?)」
いつの間にかできていた公式キャラクター
彼らはカルちゃんとエルちゃんというらしい。Wikipediaによると2013〜2014年に生まれたんだとか。
私のとしまえん歴は2000年代初頭で終わっている。庭の湯ができたことも、シャトルループやトップスピンが無くなったことも、コスプレイベントが度々開催されていたことも、伝聞では知っていたが体感はしていない。
あのときから20年くらいの歳月が経っているのだ。そりゃ公式キャラクターができてても不思議ではないだろう。
見覚えのない乗り物がちらほら
何度も見たこの乗り物案内図も、20年の歳月を経て色々変わっていた。なんとなく、ちびっこ向けが増えた印象がある。
シャトルループや2台のトップスピン、フライングカーペットもなくなっていた。ミニサイクロンやミニイーグル、ミニフリュームライドといった既存アトラクションの小型版ができていて、長女くらいのちびっこ(110cm以下)も乗れるようになっていた。
ブラワーエンジンのある建物は1階部分が室内遊び場「アソブラボー」に変わっていた。前は何だったっけか…よく行ってたゲーセン?違うかも?記憶が曖昧だ…。
20年ぶりにとしまえんを楽しむ
コロナ対策として入場時に検温があり、各アトラクションの出口には消毒液が設置され、並ぶところにはソーシャルディスタンス的な線が引かれていた。まぁ子供らが多いのでちゃんと距離が取れていたかといえば怪しいのだが。。事前予約制で入場者数に制限をかけているとはいえ、園内はなかなかに盛況だった。
キッズ乗り物1日券を購入して、長女が乗りたい物を巡った。自粛生活でショッピングモールの遊び場すらずっと行っておらず、久しぶりに遊べる場所に来た長女はとても嬉しそうだった。ディッピンドッツを初めて食べ*1衝撃を受けていた。
次女の授乳を済ませたあと、子供らを旦那に託して私は1人ウェーブスインガーへ向かった。
ウェーブスインガー乗り納め
私が一番好きだったウェーブスインガー。いわゆる空中ブランコ。他の遊園地にも同様のものはあるが、としまえんのは建物の2階にあるので爽快感半端ない。
以前は怖がっていたのだが、ひょんなことから乗ったらどハマリした。それからは来るたびに毎回乗り、多いときで1日に7回連続で乗ったこともある。
あのときのワクワクをもう一度味わいたい…だから最後にこれだけは乗りたかったのだ。
400円*2を握りしめ、並ぶこと1時間。風雨に弱い子なので天気が心配だったが、次第に晴れ間が出てきてむしろ暑いくらいだった。暑すぎてマスクが辛かった。
ふわりと浮かび、遠心力に身を任せながら流れる景色を楽しむ。風を切る爽快感、たった1分間の運行だけど、この高揚を味わうのが久しぶりで楽しかった。
この一画の乗り物たち(マジック、イーグル、スイングアラウンド、ウェーブスインガー)はどれも好きなのだが、時間の都合もあり他は見送って子供たちのもとへ戻った。
としまえんありがとう
乳幼児2人を連れていたので行動範囲は狭く、授乳だ食事だとペースが遅くて大変だった。本当はもっと全体を廻ってあれこれ乗りたかったし、ミラーハウスにも連れて行きたかった。
でも、こうして幼少期の思い出の場所に新しい家族を連れてくることができたのは感慨深く、正門のデコレーションやわなげコーナー、広場の大道芸などを見て目を輝かせる長女の姿は眩しかった。
20年ぶりに新しい思い出を作ることができてよかった。
としまえん、本当にありがとう。