トロプリの秋映画を観てきました。
悪くはなかったのですが、思いのほか刺さりませんでした。ここ数年の作品に比べるとややモヤモヤ感が。。うーん。
ということで、鑑賞後からあまり筆が進まずだいぶ日が開いてしまったのですが、感想を残しておきたいと思います。
作品情報
- 上映時間︰70分
- 公開︰2021年10月23日
- 監督︰志水淳児
- ゲスト声優︰松本まりか
- キャッチコピー︰「こころトロピカる冒険!みんなで雪の王国へレッツゴー!!」
プリアラ(2017年)〜ヒープリ(2020年)まで、ずっと長女と共にプリキュア映画を観てきましたが、長女がスタプリあたりからTVシリーズを追わなくなった*1ため、今回は私一人で観に行きました。
子供を連れずにプリキュア映画を劇場に観に行くのは、実は2010年のハトプリ映画(花の都〜)以来だったりします。そんなこともあり、今作のハトプリ客演はとても楽しみでした。
ネタバレ感想︰よかったこと
ハトプリとの絡ませ方が自然でよかった
シャンティアに招待され、そこでたまたま出会ったトロプリとハトプリの2組。雪合戦などを通して仲良くなり、交流を深めます。
前作(ゆめのまち〜)ではヒープリ勢と5GoGo勢は戦闘中に初対面を果たしますが、今作では互いがプリキュアとは知らずに日常パートからガッツリ絡んでいくので、コラボ感をすごく感じることができました。
マリン(Marine)とラメール(La Mer)、どっちもキャラが濃い海のプリキュアですが、この2人が衝突した後に和解するくだりはとてもよかったです。えりかはハトプリ序盤の頃に比べてだいぶ成長している*2のでとても頼もしい。つぼえりとまなロラの結びつきを感じさせるシーンもありいい感じでした。
変身バンクがたっぷり
スクリーンで観る変身バンクは劇場版の醍醐味ですが、今作はバンク尺がたっぷりありました。
TVシリーズ中盤あたりから使われる同時変身のバンクではなかったのです。1人ずつフル尺に近い形でトロプリ→ハトプリと変身していきます。ハトプリの変身バンク懐かしい〜〜!と悶えるやつです。これだけで映画観た甲斐があるかもしれませんw
ただ、ハトプリの変身曲はオリジナルのままで聞きたかったなぁとちょっと思いました。
ハトプリの要素を使う
シャロンの「こころの花」を見たり、トロプリ勢のパワーアップでスーパーシルエットみのあるデザインになったり、ハートキャッチオーケストラみのある巨大女神が出てきたり…所々にハトプリ要素を盛りこんでいたのもよかったです。
ただ、ハトプリ勢はトロプリ勢に力を与えたのみで、自身のフォームチェンジがなかったのが少し寂しくも感じました(前作のドリームキュアグレース見ちゃうとねぇ…)。
でも中盤のトロプリ・ハトプリの共闘は楽しかったです。おしりパンチここでもやっちゃうんかい、っていうw
ネタバレ感想︰モヤモヤしたこと
シャロンの事情はわかったが、感情移入できない
たくさんの人をシャンティアに招待して戴冠式を行おうとしていたシャロンが一転、お祝いに来た人々を国に閉じ込める暴挙に出ます。
物語の後半で「実はシャンティアは太古の昔に滅んでいて、唯一生き残ったシャロン自身ももう既に故人であった」という事実が明かされますが、その事実を知ってもいまひとつシャロンの行動に共感ができず、あまり感情移入ができませんでした。
同じ次期女王(候補)という境遇のローラに対して、即位した際には国交を結ぼうという発言もしていたのに、招待した人を無理矢理自国の国民にしてしまおうとするのはどうも一貫してない気がしたのです。
それはもしかすると(プリキュア映画ではよくある)真の黒幕に操られているからではないか?とも思ったのですが、今作はどうも真の黒幕的な存在はおらず、シャロン自身の無念に彗星のパワーが共鳴して引き起こした事態のようでした。
そもそも彗星って。。大昔にシャンティアを滅ぼした彗星が、なぜ今このタイミングでシャロンに力を与えたのか?そのへんのくだりがよくわかりませんでした(単に私が見逃しただけかもしれないのですが)。
考えてみれば確かにシャロンはすごく可哀想なんですよね。。天変地異のせいで、一瞬で地位も居場所も家族も失ってしまったのですから…。世界でたった一人生き残ったとしても、大切なものが失われた世界なんて嬉しくない。。かつてのシャンティアのように、笑顔あふれる世界を取り戻したいと思うのはわかる気がします。
なぜシャロンはハトプリを選んだのか
シャロンがシャンティアにトロプリ勢を招待したくだりは描かれていましたが、ハトプリ勢に関しては描写がなかったような気がします。
戴冠式でパフォーマンスした大道芸人や音楽家のように「笑顔あふれる世界を作るために必要な人材」という観点で招待したのでしょうが、ハトプリが選ばれて他のプリキュアが選ばれなかった理由づけがなかったのでご都合主義的な感じが否めませんでした。
それはそうと、トロプリはプリキュアとして戦う姿を見た上で招待されていますが、作戦決行したら自分の敵になりえるとは事前に思わなかったんだろうか…プリキュアを誘った時点で作戦は失敗な気がするのですが。。
クライマックスの盛り上がりに欠ける
シャロンに感情移入できなかったことも大きいのですが、シャロンにとってシャンティアがどれほど大切で愛おしかったかがあまり伝わってきませんでした。というのも、まなつたちが見ているこのシャンティアはあくまでシャロンの創造物であり、本物ではないからです。
回想で多少「本物のシャンティア」が出てきますが、それは滅びる直前のくだりでした。シャロンとシャンティアの結びつきを感じる平時のエピソードがもう少しあれば印象も変わったかもしれませんが、そのへんの尺が足りなかったような気がします。まぁハトプリ客演や変身バンクに尺を割いたぶんかもですが…
ラメールが対話によってシャロンを諭し、彼女のこころの花を溶かしていくくだりはとてもよかったですが、ある意味"鎮魂歌"として機能する「シャンティア~しあわせのくに~」は、同じく歌で解決したスタプリ映画(星のうた〜)のときのようなドラマチックな盛り上がりとまではいかなかった気がしました*3。
ローラたちは消えゆくシャロンに代わり、この歌を歌い繋いでいくと決意しましたが、シャンティアそのものの歴史がほとんど描かれていないので本当に歌い繋いでいけるのか?そもそもそこまで思い入れあったっけ?と思ってしまいました。
こんなふうにところどころ「?」が浮かんできてしまうので、ストーリーに没入できなかったのもモヤモヤの原因かもしれません。
まとめ
というわけで、TVシリーズは結構夢中で見ているトロプリですが、映画はちょっとモヤモヤしてしまいました。。
ただ、シャロンの事情を知ったうえでもう一度頭から観たら、感想変わるかもしれませんね…私がパンフレットを見せたら長女も行きたがってたので、機会あれば2回目観るかもしれません。
追記)↓2回目観ました↓
ところで毎度恒例の次回作があるよ予告、「2022年秋」って書いてたのは一体…。春はどこへいった…?
*1:でもスタプリの秋映画「星のうたに想いをこめて」は大好き。私も大好きでアマプラでもよく観る。 www.yururito.net
*2:もちろんローラも本編で序盤よりかなり成長していますが
*3:あくまで個人の感想です。てか「星のうた~」が凄すぎるので比べちゃいけない。。