ある日突然デジタルお絵かきにハマりだして、およそ半年が経った。
お絵かき自体は大昔にしたきり封印していたのに、意外なきっかけで四半世紀ぶりにその蓋が開けられることとなった。
そしてその代償なのか、今年からブログがほとんど書けなくなってしまった。可処分時間がほとんどお絵かきに取られるのと、自分の脳のせいなのかお絵かきモードとブログモードがどうにも両立できない*1のだ。。
しかし今一度自身を振り返る意味でも、お絵かきにハマりだした経緯と半年間の歩みについてここに書き記しておこうと思う。
自分語りが多いのでこれからデジタルお絵かきやってみようと思っている方に参考になるかどうかはわからないが、こんな奴もいるんだなくらいの軽い気持ちで読んでやってほしい。
子供の頃の話
お絵かきは元々好きな方で、子供の頃チラシの裏などに落書きばかりしているタイプではあった。セーラームーンの武内先生の画風に憧れ、よく描き方を真似たりした。
小学生時代までは、描いた絵を友達や家族に見せることに抵抗がなかった。しかし受験勉強の末に進学校へ進んでからは、一人でコソコソ絵を描いていた。勉強するふりしてオリジナル漫画の創作をしていたので、それが家族にバレたら怒られる…と思ったからだ。
しかしこの創作漫画は結局のところ未完成に終わった。キャラデザ、おおまかなプロット、主要シーンのコマ割りなど専用バインダーにファイリングして溜めていたのだが、肝心の漫画自体は序盤の数ページしか描けなかった。当時中学生の私には一本の作品を創り、描き切るスキルがなかったのだ。
ずっとコソコソしていたので自信がなく、部活はいつも絵と無関係なものを選んだ。漫研部や美術部や文芸部が自分の作品を発表するのを見ては、すごいなぁと思っていた。いわゆる同人文化については当時からあったし知ってはいたけれど、あれを描ける人たちは雲の上の存在だと思っていて自分から触れにいくことはなかった*2。そういう文化圏を知りつつも、どこか遠巻きに見ているところがあった。
でも絵の勉強をしてみたい気持ちはあって、高校生の頃にいくつかクリエイター系専門学校の体験入学を試みたことがある。どの学校も有意義な時間を過ごせたが、家族の同意は得られず結局普通の大学に行くこととなった。
大学のレポートや大学院の研究に追われ、社会人になってからは仕事に追われ、そうこうするうちに創作は止まり、それまでの意欲も消え失せ、もう暇つぶしに落書きすることさえなくなっていった。子供の頃はいつか何者かになりたいと思っていたけれど、何者にもなれなかった。
お絵かき沼にハマるまで
あれから二十数年。40歳、不惑を迎えた私に色々なことが起きた。
2024年秋:スプラ頑張ってたら夢女になった
2023年7月にサービス開始したSNS「タイッツー」。軽い気持ちで登録したことが、そもそもの始まりだった。
タイッツー内でスプラ好きの仲間たちと出会い、それまで鮭畜だった私が2024年春からバトルにもハマるようになる。そして紆余曲折の末、絶対なれないと思っていたウデマエS+0に到達。持ちブキ・モップリンとの絆も深めることとなった。
モップリンには予てから「モプたそ」という愛称をつけていた。そして2024年7月にふと、モプたそを擬人化したらこんな感じかなぁという落書きをした。
これを描いたときはまだ今ほどどハマリしてはなく、ラインマーカーをはじめとする他のブキをとっかえひっかえして遊んでいた。
しかしバトルに向き合う過程でモップリンを愛しすぎたあまり、その擬人化モプたそが脳内に住み始める。41歳にして、脳内彼女ができてしまった。
秋〜冬は仕事のストレスもピークで、その気晴らしにモプたそと肉タコくん(マイタコ♀の愛称であり自分の分身的存在)との会話妄想ばかりしていた。タイッツーは公開範囲を絞れる機能が充実しているので、多少痛い内容も投稿できてしまうのだw
数々の妄想駄文を垂れ流しながら、でもどうして彼女は「ここ」にいないんだろう、「見る」ことができないんだろう…と想い詰めるまでになっていた。これがいわゆる夢女なのか…?
2024年12月︰フォロワーさんのコメントで着火
タイッツーの仲間たちは優しい。こんな痛々しい有様なのにモプたその存在を受け入れてくれる。
しかもあの落書き以降ろくに描いてないのに、12月のある日突然モプたそファンアートが投下された。私の脳内にいた子がフォロワーさんによって可愛く描かれるなんて…!嬉しさとこそばゆさとが入り混じった。
スプラきっかけに繋がったフォロワーさんにはお絵描きする人が多数おり、TL(タイツライン)によく神絵が上がってくるような環境である。みんな筆が速くて上手くて楽しそう…。一方で私はといえば遥か昔にあったお絵かきの情熱はとうに忘れ、自分から進んで描こうとはしなかった*3。インターネットが発達しXやpixivを開けば神絵が目に入る時代、推し関連で神絵師たちが描いたファンアートを愛でていればそれで充分だった*4。
しかしそんな折、タイッツーのフォロワーさんが描いた「仕事する私(タコの姿)」の絵に対して、別のフォロワーさんが「傍らに退屈そうなモプたそを脳内補完したい」とコメントしたのを見たとき、自分の中で火がついた。
そうか、自分で描けばいいのか!
こうして描いたのが、仕事する肉タコくんと退屈そうなモプたその絵である。
このときは色の塗り方が全くもってわからず、単に水性ボールペンブラシで描いただけ。1時間くらいでサッと描いた落書きだが、しかしこれがめちゃくちゃ楽しかった。
これをきっかけに「スプラ中の肉モプ」とか、「モップ持つモプたそ」とか、色無しの落書きをいくつか描いた。
タイッツー相互の絵師さんたちはいつもすごい絵をたくさん描いていて、それに比べたらミジンコレベルの画力なので恥ずかしさしかないのだが、それでもとにかく描きたいという衝動が上回ってしまった。
私の脳内に住んでいる子たちを「ここ」に「見える」ようにするためには自分が描かなくては!そう思ったら長年眠っていたお絵かき欲が少しずつ膨らみ始めた。
お絵かき沼にハマる日々
走り出したら止まらない。画力が伴わないながら「こんな感じの絵を描きたい!」という構図メモは無限に増えていく。ブログでも下書きを溜め込んでいるが、アイビスペイントの下書きも大量に膨らんでしまった。
2025年1月:色の塗り方を知る
日々TLでフォロワーさんたちの素敵な絵を見ているうちに、自分の絵は遠く及ばないけれどひとまず色を付けてみたい!と思い始める。
しかしどうやって?学生時代に美術の授業で描いたアナログ絵も、色を塗ることに苦手意識があってなかなか上手くできなかった気がする。。
でも今は大インターネット時代である。昔に比べたらほしい情報へのアクセスハードルは低い。スプラのバトルもYoutubeで勉強したので、同じようにお絵かきノウハウを発信しているYoutubeやサイトをあれやこれや見漁った。
- さいとうなおき先生(さいとうなおき2)
- ディープブリザード先生(ディープブリザード)
- 焼まゆる先生(焼まゆるのお絵かきちゃんねる)
特にこれらのチャンネルにはとてもお世話になったし、今でも時々見ている。
ベース色を塗って、そこに影と光のレイヤーを入れる。この工程だけでそれっぽく塗れてる気がするし、色トレスや仕上げ効果で絵の雰囲気がガラッと変わることを実感した。面白い…デジタルお絵かき楽しい…!
こうして自分なりに初めてちゃんと色塗りしたのが以下の絵たち。1月中旬〜下旬のことだった。
首から上のシンプルなものながら、初めての色塗りは苦戦した。動画で見るとなるほどと理解するのに、いざ自分がやってみると思うようにいかない。特に「影はどこに、どうやって入れるのか?」がわからなくてたくさん悩んだ。日常生活でもどこに影があるのかを意識して見るようになった。
絵を描くのは楽しいが、思っていた以上に時間がかかる*5。しかもお絵かきモードに切り替わるとなぜか文章が書けなくなってしまい、ブログ本数が激減した。
2025年2月:パースに苦戦する
色々描きたい構図が増えた中で、「場面」の絵を描いてみたくなる。過去に垂れ流した妄想駄文に「カフェで談笑するモプたそとヒッセンさん」という場面があり、それをイメージした絵を描いてみたがこれがめちゃくちゃ大変だった。
空間を描くにはパースの知識がないと難しい。色々なサイトを見まくり、この猫でもわかるシリーズがわかりやすかったので全部読んだ。
日常生活でも外の景色のパースを気にかけるようになった。外食したときは内装や卓上アイテムを見てみたり、影の入り方を観察したり。何をしてても頭の中がお絵かきのことでいっぱいだった。
パースにかなり悩まされながらも、卓上小物一つ一つを塗るのはとても楽しかった。しかしこの絵において卓上小物はあくまで背景に過ぎず、本来見てほしい部分ではない。動画でよく見聞きする「視線誘導」がちゃんとなっていないことを自覚しつつも、どうしたら直せるのかがわからないままだった。
このようにお絵かきすると毎回新たな課題にぶち当たり、その度になんとかしようともがくのだが、自己解決できない領域に来ると己の至らなさや限界を感じた。
毎回こうだと疲れるので、雑に気楽にやろうと不定期4コマを描き始めたのもこの時期である。また、TLの話題に乗ってする雑な落書きも少しずつ増えた。
また、いつか描きたいものリストを作った。
2025年3月:二次創作に挑戦する
いつか描きたいものの中に「スプラのマイタコ」「ギア」「ブキ」があったので、無印モップリンのスペシャルウェポン・サメライドを題材に早速やってみることにした。
これまでは自分の脳内にいる子のイメージを描いていた(いわゆる一次創作)わけだが、スプラ絵の場合は既に世に発表されているモノをモデルに描くこととなる。タコもギアもブキも「本家に似せて描く」ことの難しさを痛感した。
本家の仕様を把握しないことには正しく描けないので、バトル中やさんぽのスクショなど色々な資料をかき集めた。しかし資料を見比べながら忠実に描こうとしても、画力が伴わずなんか違う…となることも多々あった。
いかに資料を元にそれらしく描けるか、下書き段階でいかに多くの違和感をみつけて潰せるか、お絵かきは常に観察力と忍耐力が試されるのだなぁと感じた。
こうしてヒーヒー言いながら描いたのがこの絵。初めてタイッツーのアイコン絵に設定した。自分の拙い絵がアイコンになることに恥ずかしさしかなかったが、少し嬉しかった。
また、かねてから下書きに居続けて描ききることができずにいたワイコラちゃんを初めて描ききったのもこの頃である。ワイコラちゃんはバトルを楽しむきっかけをくれた子なので、モプたそとはまた違った思い入れがある。
#スプラトゥーン3 モプたそとワイコラちゃん - 肉のイラスト - pixiv
2025年4月:それっぽく描きたくなる
お絵かきに割く時間がますます増え、4月はほぼ毎日アイビスをいじっていた。溜めている下書きを消化するよりも、思いつきで描き始めたものを描ききるパターンが多かった。スプラ絵練習シリーズとして描いたこの絵も、元は雑な落書きがきっかけとなっている。
タコを描くのは相変わらず難しいが、だんだんギアを描くのが楽しくなってきた。自分がよく使っているギアということもあり、じろじろ見ながら描くのも苦ではなかった。
ある日ふと思い立って、これまでに描いた過去絵をpixivに投稿し始めた。初期の絵を見返すとすごく恥ずかしかったが、何枚か投稿するうちに恥ずかしさにも慣れたw
pixivを見渡してみるといろんな人がいるなぁと思った。マイイカマイタコの細かいキャラ設定をしていたり、オリジナルのプリキュアを創作したり、様々な擬人化があったり…。みんなそれぞれの思いがあって絵を描いているんだと思うと少し勇気づけられたような気がした。
- hide先生(hide channel【顔と体の描き方講座】)
- 丸山恭右先生(KYOSUKE MARUYAMA【漫画家】)
毎日のように色々なお絵かき動画を見ていてお気に入りの先生も増えた。そしていくつか気になっていたお絵かき本も買って読んでみた。
- イラストをそれっぽく描くコツ(96こげ)
- 大切なのは練習や勉強だけじゃない!絵が上手くなる5つの習慣(焼まゆる)
- TIPS!絵が描きたくなるヒント集(吉田誠治)
どの本も総じて「お絵かきを楽しもう!」というメッセージ性を感じた。ついついディテールから描きたくなりがちだが、まずはシルエットを捉えて最低限のポイントをおさえることから始めてみようと思った。
あと、その場のノリで初めてスプラのメインウェポンを描いた。このスシを描いたことが、何度か描こうとしては挫折していたモップリンに再び向き合うきっかけとなった。
#スプラトゥーン3 スシで100キルするまで変えれま10 - 肉のマンガ #漫画 #スプラシューター - pixiv
2025年5月:クロッキーを始める
ようやくモップリンを描く練習を始めた。あんなに毎日のように持って遊んでいるのに、シルエットを捉えるのが難しくて思うように描けず苦戦した。
5月は他にも落書きをたくさんした。前々からやってみたかったゆっくり風のタッチにもトライしてみた。これもノリで描いた落書きから始まっている。
ちゃんと描こうとするほど筆が遅くなりがちで、気軽にそれっぽく描けるようになりたかった。フォロワーさんのように思いついたものを即座に描く瞬発力を私もつけたい、と思った。
モプたそをはじめ人物を描くことが多いので、ネットで何度も目にする「解剖学」「クロッキー」「ジェスチャードローイング」といったフレーズは前から気になっていた。hide先生が動画内で言及していた「やさしい人物画」という本も購入し、引き出しに忍ばせて*6は時々読むようになった。
併せて、hide先生の簡単クロッキーシリーズ動画も何度も見ている。骨格や筋肉の理解もまだ乏しいが、見る前よりかは多少わかるようになった気がする。
5月末からはポーズマニアックスの30秒ドローイングを始めてみた。初心者なので1ポーズ3分で試しているが、これが3分でもめちゃくちゃ短くて毎回4〜5分くらいかかる。動画で理解したつもりでも、実際に手を動かしてみると理解度が足りないなぁと思うことがあった。でも頭の体操になってなかなか楽しい。
2025年6月︰持ちブキの絵を描く
そうして5月半ばからちまちま描いていたアイコン絵がようやく完成。目が…パースが…手が…モップリンが…インクが…と数々の難題にぶち当たって現実逃避の落書きをしながらも、なんとか描ききることができた。
描いている間は必死なのだが、描き上がった絵を見るとうーん…となることもしばしば。。今回もまた然りである。
でも前にできなかったことができるようになったのは確かで、自分にはまだまだ伸びしろがあるんだとポジティブに捉えることにしている。
まとめ
かなり長くなったが、以上がお絵かきにハマりだした経緯と道のりである。
ネットの発達で神絵を目にする機会が増え、長らく自分は絵が描けないと気持ちを封じていたのだが、今は下手でもいいから気楽に楽しもうと思えるようになった。
それもこれもタイッツーのフォロワーさんたちのおかげである。貴重な出逢いに感謝。