私には、25年以上同居していた大叔母がいる。
専業主婦として、シングルマザーの母と私の身の回りの生活を支え続けてきた存在である。
そういうと聞こえはいいが、かなり性格に難がある。全て書くと枚挙にいとまがないので割愛するが、一言で言えば「自分こそ正しい」と思い込んでいる質である。
大叔母は愛情こめて私を育ててくれたのだが、自分の敷いたレールに乗せようとするし、なにより過保護すぎてウンザリだった。大学生になってもバイトすら許してもらえず、大学院をサボってこっそり単発バイトをすることもあった。
普段は平和でも、何か些細なことでも意見の対立が起こるととても勝てる相手ではなかった。自分が主張してもまず通らないので、戦うくらいなら始めから意見を持たない方がラクだという消極的な考え方になっていった。
大叔母の過剰な買い与え癖
そんな大叔母はそれがライフワークなのかと思うほど、とにかくモノを与えることに際限がなかった。
よかれと思って買い与えられるセーラームーングッズ
私が幼少期からハマったセーラームーンも、本やグッズを欲しいと言えば買ってくれた。それ自体は都合がよかったが、欲しいとは一言も言ってないグッズまでも「よかれと思って」勝手に次々と買ってくるのである。
子供ながらにコレクターとしてのこだわりはあった。一応、集めたいグッズと要らないグッズの線引きについて説明したこともある。セーラームーンだから何でも欲しいわけではないんだと主張したが、あまり理解してもらえなかった。むしろなぜ文句を言うのかと嫌な顔をされるので、黙って受け取るほかなかった。
やがて自分のお小遣いで買えるようになってからは頻度も減ってはいったが、事例はこれだけにはとどまらなかった。
TVショッピングにのめり込む
大叔母は普段よくTVを見る。TVを見ながら1人で文句や愚痴を垂れ流す典型的なタイプだ。
いつ頃からか、大叔母はTVショッピングに傾倒するようになった。そして、自分がこれと信じて疑わないモノを買っては私達に布教するようになった。一緒にTVを見ているときでも「これホントに良いモノなんだから」と言い、買うことが決定している。いくら私達が別に要らないと言っても聞く耳をもたないし、むしろ長々と諭されて面倒くさいので諦めてしまう。
大叔母が特に贔屓にしている大手のTVショッピングがある。専門チャンネルを持ち、24時間放送で様々な商品を販売している。ネット通販もしているが、大叔母はネットが全くできないので注文は専ら電話である。
買うものは大半が化粧品か食品だ。まぁ怪しい壺とかダイエットサプリみたいなモノには手を出さないだけマシではあるのだが、それにしても買う量や頻度が多いのでちとウンザリしてしまう。
独立・結婚後も続く一方的な送りつけ
27歳の頃、念願の独り暮らしを始めた。大叔母の呪縛から解放されてとても気が楽だったのだが、ある日突然送りつけられてくる大きな箱に辟易していた。
実家からの仕送りは独り暮らしあるあるなんだろうが、それにしても量や頻度が尋常じゃない。結婚後も同様で、むしろ悪化している。半年ごとのお中元レベルならまだしも、下手すると1ヶ月に複数回、一度に段ボール数個ということもざらではない。
TVショッピングで取り扱う「1ケース」をそのまま送ってくることもよくある。たとえば左の画像はカステラの切れ端。そもそもカステラはそこまで好きではないの、知っているはずなんだが…。
要冷蔵・要冷凍のモノでもお構いなしに送ってくる。結婚当初の冷蔵庫はキャパが小さく、いつもパンク寸前だった。味噌を買ったばかりなのに味噌が3箱も届いたときはウンザリして同僚にお裾分けした。
中にはもらってよかったものもあるが、とにかく2人しかいないのにどうやって消費するのか?と大量のモノを前に首を傾げてしまう。
「買う前に相談して」が全く効かない
このように、とにかくこっちの都合も聞かずに勝手に送りつけてくる。電話が来ても「送っといたから」と事後報告。喜ばずにクレームを言うとふてくされるが、それでも勢いは止まない。
ちなみに、これまで何度も何度も「買う前に相談してほしい」と伝えている。しかし全く聞く耳をもたないのだ。曰く、TVショッピングではその商品の紹介時間中にも売切が出たりするので、こちらの判断を待ってられないのだという。。
ごく稀に買う直前に電話が来たこともあるが、TVショッピングのプレゼンターのように商品の良さを延々と語られ「んじゃ買うからね」で無理矢理合意形成されてしまうので、まるで意味がなかった。
受け取る側が好きか嫌いか、欲しいか欲しくないかは関係ない。自分がいいと信じているものなら相手も絶対喜ぶだろうというロジックなのだろうか?
範囲は義実家や親戚サイドにまで
被害は我が家だけに及ばない。
お義母さんと話しているときに知ったのだが、我が家に送りつけてきたモノはときに義実家やそのまた親戚サイドにまで同時に送っている例もあるらしい。完全に大叔母の単独行動であり、うちの実家サイドも送った事実を知らないことがほとんどだ。
さらに母に聞いた話ではさらに自宅用も買っていて、日々の食卓でちゃんと全部消費するかというとそうでもないらしい。そのことで度々諍いも起きるとか…
善意の押し付けという毒
受け取る側の都合は一切無視で、自分が良いと思ったモノを送りまくる大叔母。しかし彼女にとってはその1つ1つに送る理由があり「相手のことを考えて」送っているのである。
なので、受け取る側が喜ばなかったり、要らないと言ったりクレームをしようものなら逆ギレしてくる。しかもそれで止めるわけでもなく、非常に厄介である。
これはもう「善意の押し付け」という毒でしかない。。
金が尽きない不思議
しかしなぜこんなに買いまくっていて金が尽きないのか不思議である。
大叔母は昔、家賃収入があったが現在は手放しており主な収入源がない。母が自分の給料から生活費とお小遣いを毎月渡しているらしい。
額面は知らないが、当時家族3人を1人で養えていたほどだから母の収入は高い。おそらく大叔母のお小遣いはそれなりにあり、しかも大叔母は特に自分の趣味を持っていないので全てTVショッピングや娘へのプレゼント*1に注ぎ込んでいるのではないか…と推測する。。
おわりに
ほとんど愚痴みたいな記事なので、正直発表しようか1年以上迷ったが、何度もこういう気持ちになるので発表することにした。
愛読しているブログ「主夫の日々」さんにも似たような記事をみつけた。共感しかない。
*1:想像に難くないと思うので割愛したが、出産後は娘へのプレゼントも大きな段ボール数箱に渡って送られることが茶飯事である。。 娘の服、大叔母からのプレゼント量が毎度すごいのでほとんど着ないままサイズアウトしているものが大量にあってどうしようかと思っている…
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保育園に着ていかないもの(カーディガン、上着、レースのおしゃれ着、靴下)あたりがこぞって余りまくってる。。