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「キボウノチカラ~オトナプリキュア'23~」感想

昨年末に最終回を迎えた「キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜」の感想を。

なにはともあれ、ココのぞ結婚おめでとう!!

「キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜」

otonaprecure2023.com

放送期間2023年10月7日〜2023年12月23日
放送時間18時25分〜18時50分
放送局NHK Eテレ
話数12話
主題歌OP︰「ときめき」いきものがかり
ED︰「雫のプリキュア」キュア・カルテット
公式ハッシュタグ#オトナプリキュア #otonapre

大人向けプリキュア映像施策

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プリキュア20周年を記念して、2023年3月14日に発表された大人向けプリキュア映像施策。そのうちの1つがこの"オトナプリキュア"だった。

翌週には大人になったのぞみが憂いを帯びた表情で佇むキービジュアルも公開。どんなストーリーなのか注目が集まっていた。

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その後徐々に他メンバーの出演も解禁され、8月31日にはポスタービジュアルも公開。大人になった5GoGo勢とSplash☆Star勢が勢揃いした。

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オトナプリキュア感想

大人になった皆の姿に感激

何年も前に完結したシリーズの「続き」を描くのって、ともすれば蛇足になる可能性もあるので、放送前はちょっと不安ではあった。

しかし、1話を見てみたら結構面白く、成長したのぞみたちの姿を見れたことに純粋に感激してしまった。私立小学校教師ののぞみ、ジュエリーデザイナーのりん、舞台稽古中の女優うらら、家業を継ぎながら小説を書くこまち、医者のかれん…皆それぞれの夢を叶えている…*1OPだけでちょっと泣きそうになった。


↑4話以降はラストカットに咲舞も入って来るのが好き。

上手くいかない現実

5年生の担任になったのぞみ。生徒たちからも慕われ順風満帆に見えるが、家庭事情で転校することになったダンス部員・るみのことで壁にぶつかる。父親の事業が傾き離婚、学費が払えないため田舎の公立小への転校というなかなかにシビアな現実。のぞみはダンスが大好きなるみのために奔走するも、教師として介入できることにも限界があり…。

のぞみとりん*2「頑張れば何でもできると思っていた」あの頃とはもう違う、「大人になってみると案外難しいね…」と語らうのがなんだかリアル

回が進むごとに皆がそれぞれ直面している現実が描かれるのだが、大手広告代理店でデザイナーを務める舞のエピソード*3は特にせつなかった。舞を振るとかなんて奴だ…!(T_T)

プリキュアに再変身

一方、街には「シャドウ」と呼ばれる謎の影が蔓延る。人の負の感情や悪行から生まれ増殖するようで、シャドウに取り込まれた人は昏睡状態に陥ってしまう。その場に居合わせたのぞみもシャドウに取り込まれかけるが、キュアローズガーデンに咲いた謎の花「タイムフラワー」の力でプリキュアに再変身*4

"オトナプリキュアは変身するのか?"というのが放送前からの疑問だったが、早くも第2話で変身。中身は大人ながらも、大いなる希望の力・キュアドリームがシャドウに立ち向かうその姿は当時を凌駕するほどの神々しさを感じた。

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その後他のメンバーもタイムフラワーの力でプリキュアになっていく*5のだが、終盤になるとこのタイムフラワーの副作用がのぞみに出始める。プリキュアになれたことを皆に伝えたとき、急激な若返りで体は大丈夫なのか心配されていたが、その不安が的中。これ以上変身したら命の危険が…という状態でココと特大のフラグを立てながら最終決戦に向かうのだった…。

プリキュア同窓会

大人になった6人が偶然出会う1話ラスト。2話冒頭では「Cafe & Bar Time」で酒を飲み交わし、絡み酒のりん、意外と酒豪なうらら、大吟醸片手に目が据わるくるみなど、プリキュア飲み会のようすが楽しい。またTimeにはその後咲舞、ココナッツ、ブンビー、満薫も訪れるようになる。さながらプリキュア同窓会である。

Timeの店主夫婦、健太と優子もSplash☆Starのキャラクターで咲舞の同級生だが、まさか自分の店がプリキュアたちの作戦会議場になるなんて思いもしなかっただろうw

他にも当時のシリーズに思い入れがあるほどグッとくるシーンが多数ある。1つ1つ書くとめちゃくちゃ長くなるので箇条書きに留める。

  • か れ ミ ル 全 般(3話)
  • くるみ(ミルク)がビッグアップルを好きな理由(3話)
  • 「さよなら、俺の初恋」(4話)
  • ブンビーの蜂形態(4話)
  • 8人とブンビーがTimeで会話(4話)
  • 大学時代も会っていたココのぞ(5話)
  • ルージュ・アクア共闘(6話)
  • シ ロ う ら 全 般(7話)
  • シロップがギターを始めた理由(7話)
  • 咲舞を助けに来る満薫(9話)
  • 咲 舞 尊 い(9話)
  • 歩道橋で話す咲舞満薫(10話)
  • ブンビーがドリーム推しになる(10話)
  • 満薫とブンビーの邂逅(11話)

本作に限らずこれまでも何かと出番のあったブンビーさんはともかく、Splash☆Star終盤でアツい共闘を見せた満薫がこうして大人になった姿で再び咲舞の前に現れたのは実に感慨深い

彼らは前線ではないものの、別の角度からプリキュアたちをサポートしているのがなかなかよかった。人間ではない立場から、人間のもつ二面性を語れる意味でなかなか適役だったのではないだろうか。それにしても満薫、ゆっくり系動画配信者になるなんて夢にも思わなかったよ…w

初代の登場は…

しかしながら、カメオ出演的とはいえ初代の扱いはちょっと雑な気がした。。8話でほのかの祖母・さなえが出た時点でもしや…とも思ったが、無理に出さず8人で最終決戦を締めてもなんら問題はなかったように思う。

ドリームたちのピンチに颯爽と現れた3人はASDXみのある安定感でたしかに盛り上がるのだが、3人が今でも変身できるのはなぜなのかは特に説明もない*6まま、そして3人の大人姿は描かれることなく*7終わってしまう。わざわざ最後に初代を出すのなら、せめて大人姿も見たかった。そこがちょっと消化不良だった。

一応、ふたご先生の絵では拝めるのだが…

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SDGs要素の是非

のぞみ先生が授業で環境問題について説明するくだり、そして無駄遣いやポイ捨て落書きなど目に余る街の人たちの行動、ちょいちょいとSDGs要素が見え隠れするなーと思っていたが、このシャドウ騒ぎを起こしたベルの動機もまたそこに起因するものだった。ベルという名前からもその正体や目的はおおよそ見当はついていたが、街の未来をよくするために今一人一人ができることをやっていこう、という帰結に少し違和感*8があった。大事なことであるとは思うんだけどもね…

大人になって別々の道を歩んだ皆が、それぞれに悩みを持ちながらも、仲間たちの触れ合いやバトルを通して活路を見出していく、その流れの中にSDGsを「取ってつけた感」が少なからずあるように感じたからだ。

まぁ「プリキュア」という作品自体、日常の中に非日常が割り込んでくる物語であり、非日常をもたらす敵側の事情や思想が日常の方に影響する構図はよくあるものだからいいっちゃいいのか…?うーん…

これは後から知ったのだが、このオトナプリキュア自体NHK側から「SDGsをテーマに何かできないか?」と持ちかけられてできた企画だというのでなるほど腑に落ちた。それならば仕方ないか…

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戦っているプリキュアの姿が満薫によって生配信され、それを見ている街の人達にブンビーさんが放つセリフにこそ、この作品のメッセージが込められていると思う。

「あなたたち『頑張れ!』って応援してる場合じゃないですよ!」

「もうめちゃくちゃ頑張ってますよ昔から!」

「でもここはあなた達の街なんだから、あなた達が頑張らなきゃ!」

子供たちは「ぷいきゅあ〜がんばえ〜」でいいかもしれないが、大人はそう言ってる場合じゃない。自分ごととして考え行動しろ。このメッセージはこの街の人々だけでなく、我々視聴者にも呼びかけているような、そんな気がした

プリキュアに希望を抱いたベルが本来の時間軸へ帰っていき、また日常が始まる。今からできることを少しずつ、のぞみたちはそれぞれの方法で環境保護に向けた行動をしていくことで本作の幕は下りる…はずが。

皮肉なラスト

ラスト、酔っ払って騒いでいる若者たちが投げ捨てた空き缶に、シャドウが出現しかかるところでブツッと暗転。なんとも後味の悪い終わり方となった。

あれだけドリームたちが自分の命の危険を晒してまで巨大シャドウと戦い、街の人々に芽生えた小さな希望とともに生み出した大きなうねり「プリキュア・バタフライエフェクト*9・シャインドリーム」を放ったというのに。人々に街を荒らされて激しく絶望したベルに、やっとのことでわずかな希望を抱かせたのに。

結局、いっときは頑張っても喉元過ぎれば熱さを忘れてしまうのが人間で、全員が全員ずっと良い行いをし続けることは不可能であることを物語っているなぁ…と。。なんとも皮肉なものである…。

ココのぞ結婚!!

なにはともあれココのぞが結婚したのでもう言うことないです…よかったねのぞみ…

パルミエ王国の国王と地球の教師、互いにやるべきことがあるからと一緒になることに消極的なココに何かとやきもきしてたけど、ナッツやくるみのアシスト*10もあってようやくゴールイン!!

最終決戦前にバリバリ立ててったフラグを、不思議な光*11がへし折ってくれてよかったよかった。

そしてココの口から正式にプロポーズの言葉が聞けるとは…ここまで描いてくれるとは思ってなかったので本当に感無量だった。おめでとう!

まとめ

オトナプリキュア、ラストにはちょっとモヤっとした部分もあれど、なかなか面白い試みだなとは思った。

うーん、でもナツこま要素が足りないよ!!!そこは続編(ある?)とかで回収してくれるといいんだが…

*1:個人的には咲が実家のパン屋「パンパカパン」を継いでいる姿がとてもグッときた。

*2:幼馴染コンビは大人になっても定期的に会って話をしてる間柄なのがまた良い…

*3:第4話「マヨイノツバサ」

*4:りんの前で、中学生時代の姿に戻ってから変身したので当時と同じ変身バンクである

*5:ドリーム(2話)→アクア&ローズ(3話)→ルージュ(6話)→レモネード(7話)→ミント(8話)→ブルーム&イーグレット(9話)

*6:タイムフラワーが新たに咲いた描写はなかったはず…

*7:なぎほのは引きの後ろ姿だけ出る。また、ラストではなぎほのひかりもTimeに時々来てたと思しき言及(今日は来てないの?的な)があったが、画面上は姿を見せていない

*8:でも「プリキュア」って自分の大切なもの(家族だったり街だったり)を守りたい、という気持ちが原動力になっているから、未来のために今できることを頑張る、という考え方と親和性はあると思っている。

*9:蝶モチーフのプリキュアである5GoGo勢にバタフライエフェクトという技名をつけてくるセンスは好き。

*10:偶然のぞみの隣室を物件紹介するブンビーさんもGJだし、それを知って即座にサインするくるみもGJだった。

*11:ベルがもたらしたのかな?と思ってる