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ヲタクなワーママのゆるゆる雑記ブログ

どうか、謝らないでほしいのです

6月14日に行われた「劇場版 美少女戦士セーラームーンCosmos〈後編〉」の完成披露舞台挨拶にて、セーラーコスモスのキャストが解禁された。

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この件について思ったことを少し。


この日は普段通り仕事だった私。舞台挨拶のみ生配信があるのは知っていたが、ちょうど次女のお迎え時間でリアタイできなかった。

出先でTwitterを開くとトレンドに名前が。

…えっ???

……えーーーーっっ?????

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意外だった。コスモスだけキャスト発表されてないなぁとは思ったけど、そもそも後編の隠し玉*1だから発表してないだけで、当然のように三石さんがやるものと信じて疑わなかった。

配信のアイキャッチ画像に「セーラーコスモスのキャスト解禁!!」とわざわざ書いてたのも、ネットで注目を集めて「じゃじゃーん、三石さんでした〜!!」って言うための壮大な前フリなんだと本気で思っていた。意外すぎる事実に天を仰いだ。


最初に一報を知ったときは、驚き半分ショック半分だった。

北川さんは実写版のセーラーマーズ役で女優デビューし、今や有名女優の一人。当時共演したメンバーとは今でも仲良しで、「戦士会」なる会合を開いては度々ネットニュースに取り上げられることで知られる。セーラームーンのことをずっとずっと大事にしている人なんだなぁという印象だった。だから、全くセーラームーンに縁もゆかりもない人がキャスティングされるよりは遥かに良いのだ。

しかしだ、セーラーコスモスとは「気の遠くなるような遥か遠い未来のセーラームーンの究極の姿」*2なのだ。ではこれはセーラームーン=月野うさぎと同一人物なのか?と言われると回答が難しい。人によって解釈は様々だと思う。でも前世のプリンセス・セレニティや未来のネオ・クイーン・セレニティが三石さんであったように、コスモスも"延長線上のセーラームーン"ならば三石さんの声がそのまま降ってくるのではないかと思っていた。もっとも、コスモスが過去の自分に会いに来た形態「ちびちび」の声は三石さんだから、まさかそこでキャストが変わるとは夢にも思っていなかった。

前編の出来は過去一で素晴らしく、主要キャラの布陣もレジェンド声優ばかり。これは制作側の本気度が凄いぞ、後編もめちゃくちゃ楽しみだ!やっと原作通りのコスモス*3がアニメ化される、30年*4の時を経てやっと――!!その期待度が少しだけ下がってしまったことは否めない。なんとも複雑な心境だった。

誤解ないように書くが決して北川さんが嫌なのではなく、三石さんじゃなかったことにいくばくかの喪失感を感じたのだ。でもまだ後編は公開されていない。見もしないうちからあーだこーだ言うのはあまりよくないとも思っている。


この発表があってから、セラクラ*5のTLはざわつき荒れた。「三石さん」までトレンド入りし、賛否両論巻き起こった。中にはわざわざ公式Twitterのリプライに「もう後編観るのやめます」といった攻撃的な発言をする者もいた。。

北川さんは公式発表に伴い20:23に自身のTwitterで言及していたが、その後20:50に2回目のTweetが投稿される。

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ちょっとちょっと…

謝らないでよ…

オファー受けて申し訳無い、ってこと?

そんなこと、言わないで…

なんかこれを見て辛くなってしまった。昔と違ってリアルタイムで人々の反響が見えてしまう時代、称賛の声も批判の声も大小様々な声が本人にも届いてしまう。相手に直接言ってなくとも、何気なく呟いたそれは意図せず本人を傷つけてしまうことだってあるのだ…。

セーラームーンを大事にしてきた北川さんなら、コスモス役に抜擢されることがどれほど重大であるか痛いほどわかってたはずだし、そしてかなり悩んだと思う。それに決して生半可な気持ちで受けたわけじゃないとも思うし、莫大なプレッシャーの中で自分の役と向き合ったんだと思う。だから、どうか謝らないでほしいのです…


でも、それはそれとして、数多の原作ファンが待ち望んでいたコスモスを所謂「映画のゲスト声優枠」に置いてしまったのはどうなのか。公式との解釈違いに苦しむ者の中には私のように、旧アニメでちびちびの設定が変わってショックを受けた者も含まれているかもしれない。原作準拠のアニメ化プロジェクトもこれが最後なのに、その最後の最後で三石さんのコスモスが聞けない。そんなことってあるんだ…と私もショックを受けていた。

ザワつくTLの中、実写版セーラームーンを演じた沢井さんが引用RT。

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さらには三石さんが北川さんとのツーショットを添えてTweet。

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…やっぱり、2人ともセーラームーンだなぁって思った(語彙力)。この頃には試写会を見終えたセラクラの感想も散見され、概ね好評な雰囲気を見たので徐々に不安が楽しみに変わっていった。


後日、舞台挨拶のアーカイブを見た。

コスモスのキャストが発表され扉が開いたときのどよめきと歓声。歓迎ムードではあったものの、ここを歩く北川さんの心境たるや…キラキラした登場シーンなこともありここを見るだけでなんか少し泣ける。

本人の口からも「自分でいいのだろうか」という発言が何度も飛び出した。

(実写版では)セーラーマーズの役を演じさせていただいてたので、なんか…私でいいのかなというか

私達にとってはもちろん三石さんがうさぎちゃんだけど、実写版では沢井美優さんが私の中での絶対的なセーラームーンで…(中略)私は支える側の戦士だったので、自分でいいのかな…という感覚がずっとあって。皆にも一応こういう話があって…という話は戦士たちにしました

なんと戦士会の皆にも相談済みだったという。

皆「絶対やってほしい」って言ってくれて…私達が実写版で出会って20周年という節目の年なんです。

その20年を振り返りながら皆で思い出話をしたり、やっぱ私達にとってすごく大切な作品だよねって、だから関わってくれるのは嬉しい、というリアクションだったので、なんかすごく皆に背中を押されて…やりたいなって思いました。

さらには三石さんも続ける。

Cosmosシリーズが始まる何かのタイミングで、ギャラクシアはめぐみちゃん、そしてコスモスは北川景子ちゃんにオファーしているところです、と聞いて「おおー!」ってなって。

これはお二人受けてくれたら嬉しいよねぇ〜って思ってて、幸いなことにお二方ともご快諾いただき、こうして一緒に立っているというミラクルロマンス…最高です!

じゃあもう何も言うことはないな、と思った。アフレコに三石さんのみならず武内先生まで応援に来たというエピソードも明かされ、グッとくるものがあった。

コスモスのアフレコに向けて、三石さんが吹き込んだという参考ボイスをいただいたというエピソードも。めちゃくちゃ貴重…!!北川さんも「もうこれでいいじゃない…っていう。。」と笑っていたが、そのボイスは北川さんだけの宝物にしておいてほしいな…と思ったりした。ホントは聞いてみたいけど、でもそれじゃ北川さんにオファーした意味がなくなってしまうし…

舞台挨拶の配信があってなんか救われた気がした。やっぱ本人たちのお話や空気感が画面上からでも感じられるのはありがたい。あれを聞かずに字面だけ読んでたらまだモヤモヤしていたと思う。三石さんのコスモスが聞けないのは残念だけど、後編も楽しみになってきた。

*1:グッズ発売系のTweetではコスモスだけシルエットで伏せられていたりするので

*2:舞台挨拶でも触れていたので普通にネタバレで書く

*3:旧アニメではちびちびの正体が「セーラーギャラクシアがカオスに取り込まれる前に切り離した"希望の光"」というオリジナル設定になっていたため、コスモス自体登場しなかった。このケースではちびちび三石さん、ギャラクシア堀江美都子さんという別キャストだった。

*4:第5部は5年目だから25年が正しいかな…?

*5:舞台挨拶を現地で見ているセラクラはそのまま後編試写会に突入しているので、このときTLに浮上していたのは我々お留守番組である