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晴明と博雅の熱き友情︰三宅健主演舞台「陰陽師 生成り姫」感想(2/23夜公演)

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陰陽師 生成り姫

舞台「陰陽師 生成り姫」を観てきた。

私にとって初めての健くん舞台、とてもよかった。

「陰陽師 生成り姫」

https://www.onmyoji-stage.jp/www.onmyoji-stage.jp

公演情報

上演期間東京公演︰2022年2月22日〜3月12日(全23公演)
京都公演︰2022年3月18日〜3月24日(全9公演)
場所東京公演︰新橋演舞場
京都公演︰南座
チケット1等席︰12500円
2等席︰8500円
3階A席︰4500円
3階B席︰3000円
桟敷席︰13500円
脚本マキノノゾミ
演出鈴木裕美
原作夢枕獏「陰陽師 生成り姫」
キャスト
(敬称略)
三宅健/音月桂/林翔太
姜暢雄/太田夢莉/佐藤祐基/市川しんぺー/岡本玲/佐藤正宏/木場勝己
公式Twitterhttps://twitter.com/onmyojistage/


本作は3幕構成となっており、休憩時間を含めた上演時間は3時間15分である。

  • 第1幕︰75分(休憩25分)
  • 第2幕︰55分(休憩10分)
  • 第3幕︰30分

会場・座席について

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新橋演舞場(東銀座駅から徒歩5分)

東京公演の会場、新橋演舞場は今回初めて訪れた場所だった。

入場して驚いたのが「食事予約受付中」の文字。これまで観劇中に食事をするという発想がなかったため、自分にとってはとても新鮮だった。

館内は弁当屋、食堂、土産店などがあり、幕間の食事予約受付は開演前までだという。夜公演だと1幕の幕間は18時過ぎなので、ほどよく夕飯の時間だ。ここを逃すと20時30分くらいまで何も食べられないので、一番安い1000円の弁当をためしに予約してみた。その頃には食堂やそば処の予約は終了していた。

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ロビーでお弁当を予約

コロナ禍ではあるが、間隔空けずの着席。1階席のわりと舞台の真ん中あたりの席だったが、前の人の頭で少しステージ中央が隠れることがあった。客層は女性9割といったところか。

1幕が終わり、地下食堂へ移動して弁当を受け取り黙食。4人がけテーブルにクリアパーテーションがあり、斜向かいに椅子が2つ置かれていた。幕間は25分あったが、こちらの弁当は小さめだったのでものの10分で食べ終えてしまった。

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予約したお弁当

2/23夜公演の感想

※ここからはネタバレ注意

舞台演出、アンサンブルの使い方が面白い

最初のシーンから惹き込まれた。博雅が名も知らぬ姫と出会う場面では、背景に溶け込むように物の怪とも精霊ともつかぬ者たちがたくさんいる。晴明のいる場所でも屋敷の外には常に何かがいて、そういう世界観が面白く感じた。

アンサンブルは精霊だけでなく時に水や波にもなり、おどろおどろしい怨念にもなり、風にもなる。場面場面で様々な役割をこなし、舞台装置の一部となっているのが興味深かった。

あと、タイトルの出し方。博雅の場面が終わったところにかかる紗膜に、ゆらりと映るのがよかった。

音月さん(徳子姫)の迫力が凄かった

今作の最重要人物である徳子姫を演じた音月桂さんが凄かった。

形見の大切な琵琶を夫(済時)に借りパクされたうえ、別な女(綾子姫)に又貸しされ、しかもその女に破壊される…。夫に心変わりされ、次の女にかなり酷い仕打ちを受けたらそりゃ鬼にもなるわな…

博雅との印象的な出会いのシーンと、身も心もボロボロにされたシーン、そして復讐に燃え禍々しい鬼と化すシーン、同一人物とは思えぬ迫力にビビった。

さらに凄かったのが第2幕。博雅の笛の音で鬼から一瞬我に返る徳子姫だったが、鬼の一歩手前の「生成り」状態であり、博雅の前で鬼と徳子姫が出たり入ったりしてもがき苦しむさまは圧巻だった。

結局クソ男・済時への復讐は果たされなかったが、博雅が受け止めてくれたから最後は安らかに黄泉の国へ行けたのかなぁと思うとなかなかせつなかった。博雅と徳子姫が12年前に結ばれていたら、もっと幸せな人生だっただろうに…

晴明と博雅の関係性が良い

晴明は美しかった。第1幕では聞き役が多くそれほど活躍はしないのだけれど、凛とした佇まいとか、博雅との距離感とか、精霊が漂う世界観と相まっていい雰囲気を醸し出していた。

冷静沈着・クールな印象の晴明だが、博雅への思いはとても熱く、「たとえ鬼や怪になったとしても俺はお前の味方だ(意訳)」とサラリと言ってのける。この会話をしているときは単なる例え話だろうと思っていたが、これがまさかフラグになろうとは…

第2幕ラスト、徳子姫と博雅が融合した鬼を目の当たりにした晴明の背中から物悲しさを感じた。人に関わりすぎだと言われようと、博雅が自分にとってどれほど大切か、痛いほどに伝わる。ついには「俺を食え」と言ってしまうほど、かけがえのない存在なのだろう…。

第3幕のクライマックス。鬼の融合が解け、黄泉平坂と思しき場所で晴明・博雅・徳子姫が対峙。徳子姫は博雅にそちらへお戻りください(意訳)と言い、一人黄泉の国へ…このシーンがとても美しくせつなかった。

博雅の記憶は徳子姫の家へ行ったあたりから曖昧になっていたが、「俺を食えとかなんとか…」と思い出しかける博雅に「それは忘れろ!」とすかさず晴明がツッコむところは笑ったww

まとめ

初めて健くんの舞台を観たが、なかなか面白かった。願わくば、先の展開を知った上でもう一度観てみたかった(配信あったら買うんだけど…ないもんなぁ。。)。

東京公演・京都公演とこの先も続くが、無事に千秋楽まで完走できることを祈っている。