「アメとムチ」という言葉がある。指導の際に甘やかす面と厳しくする面を併用することの例えで、育児でもしばしば使うことのあるアプローチだ。
しかし7歳の長女に、この方法はもはやあまり有効でないような気がしている。
ケース1︰失言・やらかしに対して与える罰
長女はしばしば失言をしたり、コンビニ爆買い事件*1のようなやらかしをして旦那を怒らせることがある。程度にもよるが、看過できないものは罰として一定期間のゲーム・YouTube禁止令が出されてしまう。
それも1回や2回ではない。禁止令があと数日で解かれる…というときに、よりによってまた別なやらかしをしてしまい、解禁日が遠のいてしまうこともあるのだ。運が悪いというか軽率というか、最近も4ヶ月近く禁止状態になっていることがあった。。
禁止状態に慣れてしまう
長女はゲームやYouTubeが大好きなので、禁止令が出された直後は絶望し大泣きした。でもルールを破ることはせず、発令後からゲームやYouTubeはぴたりとしなくなった。
その状況が続くにつれ、「YouTubeが見れないならEテレを見ればいいじゃない」「ゲームができないなら工作すればいいじゃない」というふうに代わりとなるものを探していくようになった。
それ自体はいいと思っている。かつてはゲームばかり・YouTubeばかりで他のものに目を向けようともしなかったので、他にも楽しみは色々あることにあらためて気づけるからだ。
しかし、禁止状態に慣れてしまうこと自体はどうなのだろうか。
やらかしそのものの反省を促せていない
問題はこの罰を受けたとて「やらかしそのものの抑止力にならない」ということである。自分の行いが自分に不利益をもたらす、というペナルティを感じさせることはできるが、再発防止に効果的かというと疑問が残る。
実際、長女のゲーム・YouTube禁止令がいつまでに延びたのかもはや覚えていないくらい、色々なやらかしを重ねてしまっている。
もちろん、叱った当初は何が悪いのか・今後どうすべきなのかを本人に理解させようとはしているし、長女も少なからず反省はしていたと思う。だが禁止期間が長引くにつれて、この禁止令自体何に対する罰だったのかが長女はおろか我々も曖昧になってしまうのだ。
そして忘れた頃にまた似たようなやらかしをして、再び禁止令が発動されるともはや何のための禁止令なのか…という境地にもなってしまう。。
ケース2︰課題を終わらせたら享受できるご褒美
「学校の宿題を終わらせたら遊んでいいよ」というアプローチはよくあると思う。我が家でもその方針でやっている。
初めは学校の宿題だけだったのだが、ダンス教室で習ったことの復習をなかなか自主的にやらないので「ダンスの自主練」も解放条件に追加した。さらに最近では、長女自らがやると宣言した計算ドリルもこのノルマに含まれており、これら3つを終わらせたらゲーム・YouTubeなどを解禁する*2ことにしている。
モチベーションが長続きしない
早くYouTubeが見たい長女は急いでこれらを終わらせようと頑張る。しかしそのモチベーションはなかなか長続きせず、途中で脱線しては戻り…を繰り返して宿題1つすらサッと終わることは稀である。とにかく遅い。酷いときには寝る直前になってようやく全て終わる*3こともある。。
集中が続かないのだろう。YouTubeが見れない代わりにEテレや地上波の番組を見ていたり、お菓子を食べながら着手すると言ってしばらくするとおもちゃを触っていることもよくある。
すべきことを早く終わらせれば自由時間が多く取れるのに、ダラダラといつまでも長引かせているので能率が悪いのだ。。私も人のことは言えないが、家事育児はかなり手際よくやれている自信はある*4。長女を見ているとあまりにも酷い。。
制限を厳しくしないと動かない
そんな日々が続いたある日。見かねた旦那はどうしたかというと、さらに厳しい制限をつけた。ムチで叩いても走らない馬を、さらに強くムチで叩くようなものである。
ゲームとYouTubeの代替となっていたテレビを禁止して、Eテレや地上波すら見せなくしたこともあった。テレビでも駄目ならお菓子が制限された。しかしそれでも早く終わらせなきゃという起爆剤にはならず、しまいには「終わるまで食事抜き」という極限の条件を出してようやく動いている感じである。。
さすがに食事抜きになっては困ると思ったのか、それからは割とちゃんとこなしている。しかしここまでしないと動かないのもどうなのか…。
アメとムチにも限界がある
悪いコトをしたら罰を与える。それはしつけとしてアリだとは思うが、あまりむやみやたらに罰を与えても本人のためにならないような気がして悩ましい。
また、やるべきことをさせるためにご褒美をちらつかせても、じゃあちゃんと走ってくれるかというとそれは別問題で、本人が能動的にやる気を出させる方法としてはあまり最適ではない気もしている。
はてどうしたものか…
