のんびり屋な子供だった。
物心ついた頃から「マイペース」だとよく言われた。
でも特に何も気にしなかった。
急いだって仕方のないこと。焦ってる姿を見せるほうがかえって恥ずかしいとさえ思っていた。
だもんだから「早くしなさい!」と急かされる場面は数多あり、そのたびに「(別にいいじゃん…)」と小さな抵抗感を感じていた。なんでそんなにあくせくと時間に追われなきゃいけないんだ、なんなら今よりゆっくりにしてやる、そんな小さな抵抗。
私が大人になったら「早くしなさい」って子供に言わないようにしよう。
そんな風に思っていた頃があった。
だがしかし、親になってみると思う。
「早くしなさい」って言わないの、無理じゃね…???
のんびり屋の私といえど、大人になった今は時間を気にしながら行動している*1。
一方で時間の意識がない幼児はマイペースもマイペースである。できるだけ本人のペースに合わせようとするものの、放っておくと何も進まない。
なかなか起きない、
なかなか着替えない、
なかなか玄関に来ない、
サクサク歩かない、
忙しい朝の登園だけでもじれったい場面が続く。ひとたび次女のペースに飲まれると途端に遅刻の2文字が浮かぶ。
優しい声がけで子供なりに動いてくれることもある。あるけれど、大半はそれではなびかない。本人のペースに合わせて見守ろうとするにも限界はある。何より時間は待ってくれない。
早くして……
帰りも帰りでもたつく。仕事で疲れているのでできるだけ迅速に帰りたいのだが、なかなかそうはいかない。
保育園の敷地から離れない*2、
不規則な歩き方*3をしたり立ち止まったりして道中やたら時間がかかる、
自分で鍵を開けたいためドアの前でしばらく待たされる、
は、早くして…
帰宅してから食事、風呂、寝かしつけと怒涛の流れが待っているが、子供にとってはそんなのお構いなしである。
手洗いうがいして!
ごはん食べて!
トイレ行って!
風呂入って!
着替えて!
歯磨きして!
早く寝て!
毎日どこかしらで滞り、子供任せにしているといつまでも終わらなくて我慢の限界の末に言ってしまう「早くして」
育児とは、忍耐の連続である…。