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ヲタクなワーママのゆるゆる雑記ブログ

元は敵だった「光堕ちプリキュア」について

今年で放送20周年を迎えるプリキュアシリーズ。様々なストーリー展開の中で、「敵組織から寝返ってプリキュアの味方につく」ケースがあります。

今回はその中でも、敵からプリキュアに覚醒したキャラクター(いわゆる「光堕ちプリキュア」)を紹介します。

(内容が内容なので、本編のネタバレ全開でお送りします)

光堕ちプリキュア一覧

プリキュア色紙ARTの集合絵

作品名 プリキュア 変身前の名前 敵時代の名前
フレッシュプリキュア!(2009) キュアパッション 東せつな イース
スイートプリキュア♪(2011) キュアビート 黒川エレン セイレーン *1
Go!プリンセスプリキュア(2015) キュアスカーレット 紅城トワ トワイライト
HUGっと!プリキュア(2018) キュアアムール ルールー・アムール ルールー・アムール
デリシャスパーティー♡プリキュア(2022) キュアフィナーレ 菓彩あまね ジェントルー

だいたい3〜4年ごとに発生しています。

初夏に覚醒する法則

  • キュアパッション︰23話(2009年7月12日)
  • キュアビート︰21話(2011年7月10日)
  • キュアスカーレット︰22話(2015年7月5日)
  • キュアアムール︰20話(2018年6月17日)
  • キュアフィナーレ︰18話(2022年7月10日)

光堕ちプリキュア、というか追加戦士あるあるですが、だいたい6月〜7月にかけて登場・覚醒します。これは商業的な狙い、要は新しいおもちゃを売るためで、この時期に東京おもちゃショーが開催されることとかなり関係するようです。

なぜか弦楽器武器多し

デパプリのキュアフィナーレを除く4人は、なぜか全員武器が弦楽器です。

武器が楽器モチーフなプリキュアは他にも何人かいますが、光堕ち追加戦士はなぜか弦楽器*2という共通点がありました。しかし2022年、キュアフィナーレがその法則を破りましたw

キュアパッション/東せつな

  • 敵として登場:1話「もぎたてフレッシュ!キュアピーチ誕生!!」
  • 退場&プリキュア覚醒:23話「イースの最期!キュアパッション誕生!!」
  • 罪の意識に悩む︰24話「せつなの苦悩 私は仲間になれない!」

敵がプリキュアになる初のケース

光墜ち元祖といえば「フレッシュプリキュア!」のキュアパッション。敵組織・ラビリンスの幹部イースとして、1話から登場していました。

主人公・桃園ラブは占いの館の占い師・東せつな(=イース)と仲良くなりますが、イースはプリキュアを倒すために近づいているにすぎず、22話でキュアピーチに正体がバレたのち、続く23話で1対1のタイマン勝負を持ちかけます。

本作屈指の名シーンと言われる拳と拳の語り合い。2人が本当の意味でわかりあえたと思ったそのとき、メビウスの手によりイースの寿命が尽きてしまいました。

一度は死んだ命ですが、シフォンの超能力と妖精アカルンの力でキュアパッションとして転生。しかしイースとしての記憶はあり、これまでしてきたことへの罪の意識から、仲間になることを一度は拒むのでした。

本編ではダンスグループ・トリニティのミユキが4人目だとミスリードする流れになっていたので、まさか敵側の方から4人目のプリキュアが誕生するとは…と驚きでした。

キュアビート/黒川エレン

  • 敵として登場︰1話「ニャプニャプ~!スイートプリキュア誕生ニャ♪」
  • プリキュア覚醒︰21話「ドックン!奇跡のプリキュア誕生ニャ!!」
  • 罪の意識に悩む︰22話「ララー♪魂の調べ、その名はキュアビートニャ!!」→23話「ザザ~ン!涙は世界で一番ちいさな海ニャ!」

史上2人目の妖精キュア

「スイートプリキュア♪」のキュアビートは、敵組織マイナーランドの歌姫・猫妖精のセイレーンでした。妖精がプリキュアになるケースはミルキィローズ以来です。

元々はメイジャーランドの「幸福のメロディ」を歌う歌姫でしたが、友達のハミィが歌姫に選ばれたことで闇落ち。マイナーランドの歌姫として「不幸のメロディ」を歌うため、音符探しをめぐってハミィと敵対します*3

そんなセイレーンはハミィのまっすぐすぎる思いに徐々に心動かされ、不幸のメロディを歌う直前に涙。そしてハミィがピンチに陥ったそのとき、突然プリキュアの姿に変貌します。これにはエレン自身もびっくり。

その後2話に渡ってエレンがこれまでしてきたことに苦しみ、悩みながら乗り越えていくさまが描かれます。今まで自分が壊してきた心の絆を護りたい…そう叫んだとき、エレンは真の意味でキュアビートに覚醒したのでした。

キュアスカーレット/紅城トワ(プリンセス・ホープ・ディライト・トワ)

  • 敵として登場︰13話「冷たい音色…!黒きプリンセス現る!」
  • 敵でなくなる︰21話「想いよ届け!プリンセスvs(たい)プリンセス!」
  • 罪の意識に悩む&プリキュア覚醒︰22話「希望の炎!その名はキュアスカーレット!!」

洗脳されたプリンセス

「Go!プリンセスプリキュア」のトワイライトが本編に登場したのは13話から。

はるかはある日、バイオリンを弾くトワイライトと出会います。しかし彼女はディスダークの魔女・ディスピアの娘で、プリンセスプリキュアに接触する目的で現れたのでした。

自分こそが真のプリンセスで、フローラたちは偽りのプリンセスだと蔑みます。トワイライトとプリンセスプリキュアは18話と21話で二度激しいバトルを繰り広げますが、実は彼女は行方不明になっていたホープキングダムの王女・トワだということが判明。ディスピアはトワを言葉巧みに誘拐し、絶望させ、記憶消去までした上で洗脳。自分の娘として育てていたのでした。

兄のカナタ王子が奏でるバイオリンの音色で洗脳が解けるも、トワは罪の意識に悩み、再び現れたディスピアによって絶望。キュアフローラの説得とバイオリンの協奏*4で救い出されたトワは、一度犯した罪は二度と消えないが、この罪を抱いたままもう一度グランプリンセスを目指す!と叫びキュアスカーレットに覚醒しました。ここで炎の色が青から赤へと変わってゆくさまが美しかったです。

キュアアムール/ルールー・アムール

  • 敵として登場︰3話「ごきげん?ナナメ?おでかけはぐたん!」
  • 敵でなくなる︰17話「哀しみのノイズ…さよなら、ルールー」
  • プリキュア覚醒︰20話「キュアマシェリとキュアアムール!フレフレ!愛のプリキュア!」

初のアンドロイドプリキュア

「HUGっと!プリキュア」の敵組織・クライアス社。ルールーはバイトのアンドロイドでした。初めは社内補佐をしていましたがやがて前線へ。プリキュアの力の源を調査する目的で、はなの家族を操り野乃家に居候を始めます。

アンドロイドゆえの効率主義や人の気持ちを汲まない発言などが目立ちますが、はな達と関わっていくうちに次第に感情が芽生えていきます。特にえみると音楽との出会いは後のルールーに大きな影響を与えました。

16話でパップルの命令通りほまれの変身アイテムを盗むものの、自らの意思で返却。17話では利敵行為がクライアス社にバレ、戦闘用プログラムに書き換えられたルールーはプリキュアの前に立ちはだかります。

しかしルールーがプリキュアの戦闘データを解析するうちに記憶がフラッシュバックし悶絶。ルールーは自責の念に駆られながらキュアエールを攻撃しますが、エールは拳を合わせてルールーに気持ちを伝えるのでした。心が生まれて大泣きするルールーは、さながら赤子の産声のようでした。

新生ルールーがえみると共にプリキュアになるのは20話。そこに至るまでは、えみるとルールーが友情を深め合うエピソードが綴られました。

キュアフィナーレ/菓彩あまね

  • 敵として登場︰1話「ごはんは笑顔!変身!キュアプレシャス」
  • 敵でなくなる︰12話「小さじ一杯の希望!ジェントルーの本当の心」
  • 罪の意識に悩む&プリキュア覚醒︰18話「わたし、パフェになりたい!輝け!キュアフィナーレ!」

光堕ちプリキュア初の一般人

「デリシャスパーティー♡プリキュア」の敵組織・怪盗ブンドル団。ジェントルーはその1人で、レシピッピの捜索・捕獲を目論みます。

しかしジェントルーの正体はゆいたちの通う中学校の生徒会長・あまねであることが11話で判明。その少し前からジェントルーに異変が起き、時折"本当のあまね"が顕現する描写*5がありました。

皆から慕われる生徒会長がなぜこんなことを?と不思議がる一同ですが、おそらく心を操作されていると推測するマリちゃん。ナルシストルーも「操り人形」「(あまねの)土地勘を利用した」などと発言していることから、どうやらあまね本人が志願してブンドル団入りしたわけではなさそうです*6

ゴーダッツに再洗脳されたジェントルーはプレシャスと激しい戦いを繰り広げるも、かつてあまね自身が描いたレシピッピのイラスト付カードを見せられ動揺。レシピッピを愛する心が呼び覚まされ、ようやく元のあまねに戻りました。

12話で洗脳が解けたあまねは、その後休学し本編にも登場しなくなります。度々お見舞いに訪れるゆいたちですが、あまねに会えたのは約1ヶ月後でした。しかしジェントルーのことが相当堪えたのか、生徒会長辞任を申し出るほど自責の念に駆られていました。プリキュアのスカウトも断ってしまいます。

ナルシストルーが差し向けたモットウバウゾーとの戦いの中で「過去は変えられないが未来はこの瞬間から作っていける」と説得するプレシャス。「明日はどんな自分になりたい?」と訊かれ「皆を笑顔にするパフェのような人になりたい!」と叫ぶあまね。幼い日、パフェのレシピッピとした約束を胸に、あまねはキュアフィナーレへと変身しました。

あまねは現時点で唯一、異世界人ではない&楽器武器ではない光堕ちプリキュアです。

番外

満と薫

「ふたりはプリキュアSplash☆Star」に登場した敵・桐生満と桐生薫。

彼女たちは終盤で咲・舞たちと心を通わせ、最終決戦ではキュアブルームとキュアイーグレットに加勢して4人で戦います。このとき満・薫は特殊フォームに身を包んでおり、咲・舞の第2変身形態であるキュアブライト・キュアウインディのデザインに似ていることからも、この一瞬だけはプリキュアとして戦ったのではないか?とも思えるのです*7

しかし「キュア○○」という名乗りもなく、オールスターズにプリキュアとしてカウントされないことなどから、満と薫は光墜ちプリキュアに含めていません。

この「満薫はプリキュアか問題」はこちらの記事に詳しく書かれています。

prehyou2015.hatenablog.com

キュアコスモ/ユニ(マオ、ブルーキャット)

「スター☆トゥインクルプリキュア」に登場した追加戦士・キュアコスモことユニ。彼女の出自はちょっと特殊です。

初登場時は宇宙怪盗・ブルーキャットとして、プリキュアやノットレイダーとも異なる第三勢力としてプリンセススターカラーペンを集めていました。ときにはプリキュアを利用してペンを奪ったり、ピンチを切り抜けるため協力したりと敵とも味方とも言えぬ立ち位置で振る舞います。

しかしその後、ノットレイダー幹部・アイワーンの側近として仕えていた執事・バケニャーンの正体がユニだということが判明。ユニの故郷・レインボー星を襲ったノットレイダーに一矢報いるためにスパイとして敵組織に潜入していたこと、そしてバケニャーンとしてはプリキュアと戦闘をしていないことなどから、キュアコスモは光堕ちプリキュアに含めていません。

まとめ

敵組織から寝返ってプリキュアになった5つの例を紹介しました。5人とも敵時代の罪にどう向き合うか?という重い課題を背負っており、それぞれに乗り越えてプリキュアになっています。

前例が増えてきたので、新作の敵組織に中学生くらいの少女がいると「この子もしかして…」と話題になるのももはや風物詩になってますねw

5月に発売される色紙ARTの20周年記念版には敵時代の5人集合柄がラインナップされています。これは豪華ですね!現物を見るのが今から楽しみです。

*1:紫ともとれるケースがある。
キュアビートは青キュアか紫キュアか問題についてdic.pixiv.net

*2:光堕ちではない弦楽器プリキュアもいます。キュアマシェリやキュアアースなど。

*3:しかし元々友達同士なこと、ハミィがかなりのド天然であることなどからどつき漫才にしか見えないというw

*4:別々に演奏していた曲が実は1つの曲だったことが初めてわかる場面。ここめちゃくちゃ名シーンなので映像で見てほしいです。

*5:ジェントルーの目の色は赤ですが、本来のあまねは青。時々青い目が表出していました。

*6:あまねがジェントルーになった経緯は本編で描写されていないため、あくまで推測です。

*7:「花が咲き、鳥が舞う。風が薫り、月は満ちる」だから4人で花鳥風月プリキュアなんじゃないかな…と個人的には思っています。