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ハグプリ46話時点の考察:ジョージ・クライについて(後編)

ハグプリ考察ジョージ・クライ編の後編です。

前編ではクライのこれまでの発言から、彼の思想や計画について推測もまじえて書いてきました。

▼前編はこちら
www.yururito.net

後編では、本編に出てきたアイテムやキーワードから、思うところを綴っていきます。

白の世界

「真っ白な鳥ばかり あなたの周りは汚れなき白の世界 美しい人…」

(第19話より)

これはクライアス社時代のパップルが、伝書鳩を飛ばす「シーカレ(彼氏)」のことを見て呟いたセリフです。

このときはまだ視聴者も彼がクライだとは知らない状態ですが、確かに服装をはじめ何かと白のイメージが強いです。

はなと出会う場面でも、白いものが近くにあったことが多かったように思います。

白が意味するもの

白い色は「純粋さ」や「平和」、「新しさ」や「無限の可能性」をイメージします。

はなはよく色々な絵を描きますが、スケッチブックも「白」です。

一方で白は「白紙に戻す」「空虚」といったイメージも抱きます。

「白く、白く、汚れない世界を作ろう。皆の笑顔を永遠に…フフフ…ハハハハッ」

(第45話より)

クライが大きなキャンバスに描いた「野の花」の絵を、自ら白く塗りつぶすシーンは実に不気味でした。。

クライ、はな、はぐたんの「白」

クライのシャツも白ですし、回想に登場したピンク髪の女性*1も白い服や帽子を着用*2していました。

そしてはキュアトゥモロー(はぐたん)のミライクリスタルも白。

夢の中ですが、はなも白いウェディングドレス姿でした。

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「はぐたんは未来のクライとはなの子供?」という説が飛び交っていますが、私個人的にはまだ腑に落ちないところがあってその説は推せていません。

はなとはぐたんは親子かも?*3と思えても、クライとはぐたんが親子とはあまり思えない*4のです…。。

仮にもしそうなら、ひなせくんは気づいてもらえぬまま失恋*5ってことなのでしょうか。。

はなとクライ、そしてキュアトゥモロー(はぐたん)、さらにマザーとの関係性*6が一番の謎で、数日悩みましたが自分の中では結論が出ませんでした。。


ネットでも様々な予想がされていますが…

  • トゥモロー=はなとクライの子供説
  • トゥモロー=はなとひなせの子供説
  • ピンク髪の女性=別世界線の未来はな説
  • ピンク髪の女性=来世のはな説
  • はな=マザー説(アルティメットまどか的な)
  • ひなせ=クライ説
  • 未来はな病死→過去改変で医者になったさあやが助けて生存END説

もう残り3話しかないのにこんなに予想を迷わせるハグプリ凄い。

写真と絵画

本作では度々写真の描写が出てきます。

ルールー「写真は楽しい時間を一瞬一瞬切り取ったもの」

(第30話より)

5人ははぐたんの日々の成長やみんなで楽しんだイベントの数々を写真に収め、思い出を大切にしています。


一方、絵画も場面を切り取るものとして登場します。はなが夢で見た、「ドラクロワ / 民衆を導く自由の女神」に対するクライのセリフです。

「人が輝く一瞬を切り取った絵画は美しい。 だが、時を重ねるたびにその輝きは消えていく。変わっていく人の心…自らを導いた女神の存在すら…。」

(第46話より)

クライは、在りし日の輝きが失われたことを憂うのです。


写真も絵画も「瞬間を切り取る」という意味では共通です。ただそれを見た側が楽しかったねと懐かしむか、あの頃はよかったのにと嘆くかの違いなのかなと思います。

クライの嘆き

ドラクロワの絵画を引き合いに出して例えているのはもちろん「物語」のことで、「剣に選ばれ民衆と共に戦う少女」をこの絵画の女神に例えたのでしょう。

「少女」とはおそらくピンク髪の女性を指していると思われます。

アスパワワが減退した世界を救うため、少女は剣を手に民衆と共に戦う。しかし何度救っても民衆は次々と欲望を募らせていき、少女は疲弊してしまう…といったところでしょうか。

「自らを導いた女神の存在すら…」のくだりから、民衆は少女に救われた感謝も忘れ、掌返しに近い態度をとったのかもしれません。

民衆の心変わりへの嘆きは、今思えば白ツツジの咲く場所で会話したシーンのセリフにも表れていたように思います。

「雨は美しい花を咲かせ恵みとなる。 だが時には凍えるような寒さを与える。 不意に変わるあの空、どこか似ていると思わないかい?心に…。」

(第16話より)

女性との写真

「幸せな時を2人で生きよう」

(第46話より)

クライが時間を止めるときにチラリと映った写真。はなによく似たピンク髪の女性とクライのツーショット写真でした。

クライのはなに対する執着心はある意味純粋な、熱い想いの表れだったのでしょうか…?

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時間を止めたい人々

極端でネガティブな発想であるものの、クライの思う「時間を止めたい」は写真や絵で輝きを保存するような感覚と似ているのではないでしょうか。違うのは、そこから先に進もうとせずとどまろうとしている点。

劇場版ドキドキ!プリキュアの敵・マシュー*7にも少し思想が似ています。

ドキドキ〜の観賞時にも思いましたが、死別・離別・喪失によるショックは計り知れません。

行き着く先は絶望だから笑顔のまま時を止めてしまいたい、今の幸せを永遠に生きたいと思う気持ちもわからなくもないし、他のクライアス社メンバーもそれぞれに「明日なんかいらない」と思う理由があり*8、色々明るみになってくるとクライアス社も完全悪とは思えなく*9なってくるんですよね。

トラウムもかつて、矛盾した気持ちの中でルールーを作っていましたし…。

トラウム「そうだ、私はいつも矛盾の中で生きている。君を作ったのもそういう矛盾した気持ちの中だった…」

(第40話より)

トラウムがクライアス社入りした理由は明確には描かれていませんが、ルールーを作ろうと思ったことは彼に残っていたひとつの希望だったのかもしれません。

希望と絶望

  • アスパワワ=明日への希望の力
  • トゲパワワ=負の感情、絶望の力

アスパワワとトゲパワワは、いわば希望と絶望。


かの名作「Go!プリンセスプリキュア」でも、夢というテーマの中で希望と絶望を描いていました。

「そう。絶望は…消せない!」

「絶望は、どこにでもある。今までずっと、辛いことはたくさんあった。でも、それをなかったことになんてできない。ううん、無くしたくない!」

「楽しいことと辛いことは背中合わせ。でも!だから!今の私がいる!」

「夢も、絶望も、その両方が私を育ててくれた」

「嬉しいこと、哀しいこと、全部ひっくるめて、夢ってことなのかな?」

(「Go!プリンセスプリキュア」第50話より)

最終回、キュアフローラとクローズとの対話では、夢(希望)も絶望も肯定して、どちらも今の自分を育ててくれたものだから消せないと結論づけました。


キュアエールもまた、希望の力を信じています。

人間に悪い心がないと言い切れるのか?というクライの問いに過去のトラウマが過りつつも、「私はプリキュアだから」という信念で突き進もうとしています。

「違う!人の心にはいっぱい希望がある!アスパワワは無限に生まれるの!」

「おしまいじゃない!トゲパワワがどんなに増えてもアスパワワは消えない!

私はみんなとクリスマスも、お正月も、節分も、バレンタインも、ひな祭りも過ごしたい!

私たちは負けない!みんなの未来を取り戻す!」

(第46話より)

終盤にクライの抱える闇の全貌が明らかになると思いますが、キュアエールは、どのような答えを導くのでしょうか。

物語は終幕へ

いよいよ残り3回となる「HUGっと!プリキュア」。

OP曲「We Can!! HUGっと!プリキュア」の歌い出しは「何度でも起こすよきらめく奇跡」。

ハグプリはこれまで本編でも、作品的にも色々な奇跡を起こしてくれました。

希望に満ちたラストになると期待しつつ、最後まで見届けたいと思います。


ハグプリ放送期間中の考察記事更新は、これが最後になると思います。
今までお読みいただきありがとうございました。

今後はこれまでの予想の答え合わせや、全体の感想、余韻に浸る記事を書くかもしれません。



追記)答え合わせ書きました。 www.yururito.net

*1:【再掲】おそらく彼女は「大人になったはな」だと思いますが、遠い子孫や他人の空似かもしれませんし、まだ確証はないので一応こう表現しておきます。前髪の具合が、第1話で切る前の状態に似ている気がします。

*2:紗がかかった回想のワンシーンや、光の反射で不鮮明な写真のため、本当に白かどうかは不確かです。

*3:以前の考察でも触れた通り、「深い因縁がある」「唯一ママと呼ぶ」「目の色が似てる」といった点から。
ハグプリ22話〜34話をおさらい!気になったことをピックアップ - ゆるりとねっと。

*4:親子とよく間違われるハリーとはぐたんを見て、「お兄さんお姉さんと仲良くね」と言ったときは父親説も少し考えたのですが、あれは単にハリーが元社員と知っていたからではないかと思い直しました。

*5:ひなせ=クライ説もあるようですが、うーんどうなんだろう。そういえば一条、十倉、百井、千瀬の数字キャラはそれぞれオシマイダーの素体になりましたが、阿万野ひなせだけはオシマイダーの素体になってないような…。

*6:セーラームーン→セーラーコスモスのように、はな→マザーとなる説も過ったものの推測の域を出ませんでした。

*7:「映画ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス!」に登場する敵キャラ。人間たちを「オモイデの世界」に閉じ込め、未来をなくそうとする。
プリキュアらも各々オモイデの世界に入ってしまうが、マナだけは死別した愛犬・マロや祖母と再会した喜びに浸るあまり、自力で抜け出せなくなってしまう。
声を充てたのは谷原章介さん。

*8:全員は判明してないですが、ハリーらの「故郷の喪失」やジェロスの「老いへの恐怖」、トラウムの「幼子との死別(※推測)」など。

*9:ジェロスの「歳をとるたび世界が色褪せていく」は突き刺さる名言だと思いますw