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ドラマ「御手洗家、炎上する」感想(ネタバレあり)︰真相はモヤモヤしたが杏子VS真希子はアツい!

Netflixのドラマ「御手洗家、炎上する」全8話を見終えた。ハラハラするストーリー展開に加え、鈴木京香さんの迫力とそれに負けてない永野芽郁さんの熱演がよかった。

ドラマ「御手洗家、炎上する」

作品情報

配信開始日2023年7月13日
制作・配信Netflix
監督平川雄一朗
神徳幸治
キャスト
※敬称略
永野芽郁 工藤阿須加
中川大志 恒松祐里
北乃きい 濱田マリ 小西桜子
吉瀬美智子
及川光博
鈴木京香
原作藤沢もやし「御手洗家、炎上する」
公式サイト御手洗家、炎上する | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

ミッチーの役どころ

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主人公・杏子の実の父。永野芽郁さんとは映画「君は月夜に光り輝く」以来、二度目の親子役となった。

www.yururito.net

しかし本作の父親はとにかく保身に走るダメダメなタイプで、ネトフリ公式さんにも「クズ」「ダメ父」と評されるほど。しかもダメ父シーンダイジェストまで作られてしまうのだったw(ネトフリ公式さんありがとうございます!!)

作品の感想(ネタバレ注意)

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家一棟ガチで燃やすとかすごいよね…

テンポよく進むストーリー

1話あたり50分前後で全8話なのだが、テンポよく進むのであまりダレずに見れた気がする。潜入から始まるサスペンスものなので飽きはこなかった。

火事の真相を追う杏子を中心に、息もつかせぬ展開が続く。順調かと思いきやピンチに陥ったり、味方に見えた人が怪しくなったり(逆も然り)。物語が進むにつれ状況が二転三転する*1ため、見ている方も翻弄される。

そのぶん終盤に判明する真実やラストの展開には「えっ。。」となる部分もあったが、終始ハラハラしたので総じて面白かった。

静かに復讐に燃える杏子

永野芽郁さん演じる主人公・杏子がとにかく聡明である。

火事になったのは母・皐月のせいではない、そう信じる杏子は現場で目撃した父の後妻・真希子に疑いの目を向け、放火の証拠を探すべく家政婦として潜入する。

真希子に近づくためとはいえ、父も家も地位も奪われた相手に献身的に尽くす精神力もすごいが、真希子に解雇されたり、引きこもりの希一に脅されたりとトラブルが発生しても機転を利かせて切り抜け*2ていくさまもなかなかすごかった。

状況を冷静に見据え打開していく杏子だが、皐月のニットを発見したときや希一に真の目的を告白したときなど、ときに激しい感情を顕にする場面に胸を打たれた。

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真希子の強敵ぶりに圧倒される

そして杏子の敵役となるのが鈴木京香さん演じる真希子。かつては貧しい暮らしをしていた彼女が、あの火事をきっかけに再婚してセレブ妻へと転身。主婦インフルエンサーとしてきらびやかに装うも、家のことは秘密裏に雇っている家政婦任せ。そんな虚栄心と強欲で塗り固めたようなキャラクターを見事に演じきっている。

杏子に「家のモノを盗ったら許さない」と忠告する真希子。しかし元々は皐月のモノを真希子がちょこちょこくすねていたわけで、まさにおまいう案件。現実にもこういう人っているよね…というリアリティを感じる怖さがあった。特に皐月とママ友になって以来、だんだん皐月に雰囲気を寄せていくさまはとても不気味である。

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そして、長男の希一に対する異常なまでの執着。手切れ金やら裏口入学やら、引きこもりになる要因を作ったのは真希子なのに、それでもなお引きこもる希一を「守る」という名目で閉じ込めたままにしようとする。もし杏子が来なかったら状況は悪化していただろう。。

杏子にとって希一との再会は完全に想定外だったかもしれないが、希一は杏子との関わりを通して結果的に母親からの呪縛を解くこととなった。猛犬のようだった希一は次第に目に光が宿り、最後は社会に出て杏子と新しい道を歩み始める。工藤阿須加さんの変貌ぶりが見事だった。

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明かされた真相

杏子は真希子が放火したと疑っていたが、一方で真希子は希一がやったと思い込み、自分がやったと虚偽の自白をする。しかし真犯人は意外にも希一の弟・真二だった。

真二によって語られた事の顛末。放火するつもりは全くなく、完全なる不注意による引火。。不登校になりかけていたころに皐月が避難場所として家の出入りを許していた、まさかそれが仇になろうとは…

てか、あれだけ恩義を感じていた旧御手洗家なのに、いくら驚いたからとはいえ火が出たらそのまま放置して逃げるってどうなの…子供とはいえ通報はしろよ。。なんともモヤモヤする真相だった。

真二は病室で皐月に土下座して詫びることとなったが、10年もこのことを隠し1人で抱えてきて、それで柚子たちに何食わぬ顔で接して来ていたのがヤバすぎる。。

治しっかりしろwww

色々思うところはあるが、我らがミッチーさん演じる御手洗治こそが全ての元凶ではなかろうか…

火事の一件で皐月と離婚したことはともかく、それですぐ真希子と再婚するのもなんだかなぁと思っていた。家族写真の治が皐月らから真希子らの方へ貼り変わるOPの演出を見るたびに薄情さを感じたが、本編でも自分の保身のことしか考えていない。

杏子らと長年全く連絡を取らず、皐月が病気であることも知らない。久々に連絡してきた柚子に協力するのかと思いきや真希子も連れてきちゃうなど、父親として今ひとつ頼りなさすぎる。

プライドの高い3人の姉にも逆らえず、姉らを上回る承認欲求モンスターの真希子にも支配され*3、空っぽの操り人形のようであった。

火災直後に監視カメラ映像を確認したとき、不自然なところで見るのをやめるという怪しさはあったが、結局事件そのものには無関係であった。しかし要所要所で治がしっかりしていたら、このようなことにはならなかったのではないか。。

真希子がネットで炎上*4し、落ちぶれた御手洗家。治が「疫病神!!」と罵って酔い潰れるところは哀れだった。

まとめ

「御手洗家、炎上する」、ツッコミどころ含めて面白い作品だった。あんなにグッチャグチャになったのに最後はハッピーエンドに落ち着くとは。

しかし治はクズすぎた…根っからの悪でもなく、保身に徹して面倒ごとから避けてきた上っ面の存在。杏子VS真希子の対立構造の影で、ほどよいイラつきを与えていたw

ちなみに9/30まで原作漫画が無料公開中。ドラマとの違いをみつけてみるのも楽しいかもしれない。

yanmaga.jp

*1:たとえば火事の報道があった夜、希一が真希子に「本当にそう(皐月の火の不始末)思ってる?」と訊くシーンが何度も回想で流れるが、流れる度に違う状況に見えてくる。杏子に感情移入したときに見ると希一が真希子を疑っているように見えたし、希一が怪しくなったときに見ると真希子が自分(希一)を疑っているかのように見えた。

*2:協力者のクレアがいなかったらやばかった場面もちらほらあるが…

*3:7話の押し倒されるシーン怖いようw

*4:このきっかけを作った七海もまた、真希子に負けず劣らずのしたたかな女性であるw