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"九尾の狐"の迫力に圧倒された︰スタリラ朗読劇「あやかし見廻り浪漫譚」感想

先述の通り、近頃お絵かきに時間を取られてちっともブログが書けなくなり、気づけば1ヶ月以上も遅刻してしまった。。

今更ながら2月に見たスタリラ朗読劇の感想を。

少女☆歌劇レヴュースタァライト -Re LIVE- Reading Theatre 第五弾「あやかし見廻り浪漫譚」

https://revuestarlight.com/event/10357/revuestarlight.com

開催概要

開催期間2025年2月22日 14:00/18:00
2025年2月23日 13:00/17:00
場所飛行船シアター
チケットS席 8800円/A席 7500円
配信︰各4000円/4公演通し券 14500円
脚本江嵜大兄
演出江嵜大兄
出演者
(敬称略)
倉知玲鳳 佐伯伊織 佐々木未来 遠野ひかる 青木陽菜(22日)/富田美憂(23日)
楽器演奏︰furani 宮﨑大介 中村哲也
感想ハッシュタグネタバレ有︰#あやかし感想
ネタバレ無︰#スタリラ朗読劇

朗読劇85分、アフタートーク15分、休憩なし。

スタリラ朗読劇第五弾

最近はエーデル朗読劇や舞台朗読劇などがあったが、"スタリラ朗読劇"は第四弾「遙かなるエルドラド」(2023年12月・2024年6月)以来となり、スタリラサ終後に銘打たれたのはこれが初めてである。

www.yururito.net

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今作は珍しく配信はしないと発表があったのだが、その後配信が決定。なにか不正行為があったのだろうか。配信があることは当たり前ではなく、皆がマナーを守ってこそできることだなとあらためて思った。

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凛明館の舞台

スタリラ初期実装キャラの凛明館の演目が「あやかし見廻り浪漫譚」であった。スタリラ内でストーリーが明かされたのは2020年10月のイベント「再演 あやかし見廻り浪漫譚」であり、舞台上で上演されるのは今回が初となる。

今回は凛明館が再演したさらに後という設定で、鬼龍院しのぶ氏のオーディションによって選ばれた3校6名の舞台少女が演じる。オリジナル版との配役の違いは以下の通り。

役名 本作 スタリラ
蘆屋九十九 夢大路文 夢大路文
安倍睡蓮 田中ゆゆ子 田中ゆゆ子
鬼一弥勒 胡蝶静羽 秋風塁
土御門刹那 夢大路栞 音無いちえ
吉備小町 高千穂ステラ
野々宮ララフィン
巴珠緒

会場・座席について

飛行船シアター

会場は毎度おなじみ飛行船シアター。

グッズ、私が着いた頃には衣装モチーフのアクキーは既に完売していた。

アクキー

※ちなみに初日の昼公演終了後には、6月上演のシークフェルト中等部舞台の手売り販売も行われた。40分ほど並んで、詩呂役のマツザワさん・撫子役のめいにゃさんとチケット手渡し時に軽く会話を交わした(可愛い!眩しい!ドキドキ!)。新作楽しみですと伝え、「ロマーナますます強くなりますよ!」って意気込むめいにゃさん可愛かった。

スタリラ朗読劇(2月22日昼公演)の感想

※ここからネタバレ注意!

もうスタリラを見返せないので詳細なストーリーを思い出せぬまま、まっさらな気持ちで見ることとなった。

開演前、文による影ナレ。このくだりで文自身の心の声も漏れ出てくるのだが、珠緒不在でも私がこの舞台を引っ張ってやり遂げてみせるという決意の表れがあった。(ちなみに今回は文以外素の発言はなかった。ゆゆ子は落ち着くために寿限無唱えているらしいw)

人知れず帝都を守る見廻り隊

物語は"厄介者の掃き溜め"と評されるあやかし見廻り隊に近衛師団から左遷された吉備小町が、隊士や隊長たちとの関わりを経て成長していく流れ。

一癖も二癖もある見廻り隊の面々に囲まれ、早くここから抜け出したいと思いながら渋々見廻りについていった小町だが、次々現れるあやかしを命懸けで調伏してゆく姿を目の当たりにして衝撃を受ける。

人の負の感情から生まれるあやかし。帝都が平和に朝を迎えられるのは、見廻り隊が人知れず夜な夜なあやかし退治をしているから――それを知った小町は彼女らを見直し、次第に距離を縮めていくのだった。この世界観、すごく好きだなぁ。

また、後半で出てくる「心の闇や憎しみに囚われてしまった人は鬼へと変貌し元の人間には戻れない」という設定も、終盤の盛り上がりへと繋がっていて面白かった。

魅力的な見廻り隊の面々

  • 土御門刹那︰「旋風の刹那」

見廻り隊隊長。豪快でおおらかな宴会好き。お気楽な性格だが、きちんと隊士たちのことを見守っている。3年前、九十九とともに九尾の狐と対峙した際に片目を失った。

いちえに当て書きしたかのようなキャラクターだが、栞の刹那もすごくよかった。栞はこうギャップのある役ほど映えるねぇ…

「もう誰も死なせたく…ないよ」

と桜の下で九十九に言うときの低めの声も好き。

  • 蘆屋九十九︰「封魔の九十九」

かの陰陽師・蘆屋道満の子孫で自身も陰陽師。初めは小町と馬が合わずツンツンしていたが、何かと小町を目にかける世話好きな一面も垣間見える。陰陽道禁止の流れの中で陸軍士官に両親を銃殺された過去をもつ。

まさに世話好きツンデレ文って感じの役どころで、小町と少しずつ打ち解けていくのがとてもよかった。

刹那と九十九、オリジナルはいちふみでグッとくるけど、今作で夢大路姉妹共演となるのも嬉しい。

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  • 安倍睡蓮︰「鬼寄せの睡蓮」

幼少期からあやかしや鬼を寄せつける体質の持ち主。かなりの賭場狂いで、見廻り中にもこっそり賭場へ行っては九十九に怒られている。この九十九と睡蓮のドタバタなやりとり好き。

「丁か半かが決まるその瞬間、血が沸騰するんです!わかりますかぁ?!」

ゆゆ子のこの台詞めちゃくちゃ好き。それを生声で聞けたの嬉しい。

  • 鬼一弥勒︰「鬼狩りの弥勒」

睡蓮の幼馴染。ストイックだが酒乱。今作は静羽が演じていることもあり、サウナーだったり怪しげな薬湯を作って飲ませるシーンもw

小町との初対面時は「じーーーーっ…」と見つめてたり、突然まくしたてるように喋りだしたりと不審がられていたが、退魔刀「青龍」で鬼を次々と倒していくさまはまさに鬼狩り。「鬼狩りの弥勒だあぁあ!!!!」って叫ぶところもカッコよかった。その一方で、かつて人だったその鬼の亡骸にそっと合掌する姿も。

「(鬼化した)人を斬って何とも思わないなんて無理なんですよ」

睡蓮がそう言うように、長年鬼を斬り続けていると心が摩耗してしまうだろう。ともすれば自身も鬼になりうるスレスレのところを精神力で保っているのかもしれない。百鬼夜行を前に弥勒が「私が鬼になったらどうする?」と睡蓮に問うのだが、「私も鬼になる。鬼になったらなったで楽しいことがあるよ」と応える睡蓮とのシーンはせつなかった。

  • 吉備小町︰「闇断ちの小町」

父は近衛師団長。亡き父が自分たちをどう思っていたか知りたくて自身も近衛師団に入ったが、見廻り隊に左遷されてしまう。先代隊長が持っていた退魔刀「天空」を譲り受ける。

単なる夜警だと思ってついて行ったらあやかし退治でした、と知るあたりから少しずつ、各メンバーのことを理解していこうとする流れがよかった。

「あやかし見廻り隊副長、吉備小町!闇夜に蔓延る魔を祓い、帝都の夜を飛翔する!」

ラストで小町が高らかに叫んで物語は幕を閉じる。生演奏も相まって余韻がすごくよかった。

"九尾の狐"の迫力

なんといっても序盤と終盤の「九尾の狐」との戦いは凄かった。「九尾の狐」は死と再生を繰り返す、完全には調伏できない上位のあやかし。人に取り憑き魂ごと喰らう、かなり危険な存在である。

3年前の回想、静羽演じる先代隊長がこの九尾の狐に憑かれた場面から始まる朗読劇は、その迫力に圧倒され一気に惹き込まれた。まるで別人のようになってしまった隊長に対峙する九十九と刹那、九十九を助けようと刃を向ける*1刹那がカッコよかった。

九尾の狐を祓い、正気に戻った先代隊長が事切れるまでのシーンも息を呑んだ。刹那が次期隊長を任されるくだりからの桜舞うタイトルコールがとても美しかった。

そして物語後半では百鬼夜行が近づき「九尾の狐」再来に向けて緊張感が高まっていく。そして九十九と刹那の会話、刹那が片目を失ったのも隊長が死んだのも自分のせいなんだ…と抑えていた思いを吐露し、心に鬼を宿してしまった九十九は「九尾の狐」に乗っ取られてしまう。

静羽演じる九尾の狐も凄かったが、文演じる九尾の狐もまた迫力が凄い。演じ方は多少違えども3年前のあいつだ!と思わせるものがあった。九十九の意識と狐が行ったり来たりするところはライトの色がスイッチングしながら文が巧みに演じ分けていた。

私ごと九尾の狐を斬って!という九十九の意思を受け取った刹那。小町に調伏を託したとき、小町の前に元隊長の姿が…!!託された退魔刀「天空」を手に、小町がとどめを刺すクライマックスもめちゃくちゃ熱かった。

そして九十九はというと……なんとか生存してた…!(T_T)

刹那の「終わったら宴会するよ!(意訳)」といい、あちこちでフラグがバリバリ立ってたのでへし折られてよかったよかった…

まとめ

というわけで「あやかし見廻り浪漫譚」とても面白かった!時間がなくてララフィン版の配信を見れなかったのが悔やまれるが、ステラ小町すごくいい感じだった。

これで「別れの戦記」「あやかし見廻り浪漫譚」「エリュシオン」が上演されたのだから「キャプテン・ツインズ」もいつかやってくれるといいな…!!

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*1:実際は朗読劇なので台本を持っているだけなのだが、刃を構える姿が目に浮かんだ。