「大人の発達障害」「発達障害グレーゾーン」という言葉をたびたび耳にするようになった昨今。
Twitterなどで見かける「ADHDあるある」もしばしば自分に当てはまることが多く、あまり他人事ではないんじゃないか*1と前々から思っていました。
そんな折、ある医療機関の検査で「不注意優勢型ADHDのグレーゾーン」と言われ、ああやっぱりな…と思うと同時に、少し釈然としないモヤモヤ(理由は後編で述べます)を感じています。
サードオピニオンをいつか受ける可能性も考え、ここに自分のこれまでの「困難に感じていること」をまとめておこうと思います。
困難に感じていること
子供の頃から自他共に認めるマイペース人間でした。それは自分の個性だと思っていたので、特に気にすることもありませんでした。
しかし、大人になり仕事や家事育児に追われる生活になったとき、以下のような困りごとが顕在化してきました。
- 複数のことを同時にできない
- 計画的に物事を進めるのが苦手
- 先延ばし・ギリギリになって慌てる
- 優先順位がおかしい
- 朝起きれない・遅刻魔
- 短期記憶が弱い
複数のことを同時にできない
子供の頃からずっと、いわゆるマルチタスクができません。
複数のタスクが同時に存在していると自覚するだけで焦りますし、「どうしよう、どうしよう」とテンパるばかりで結局どれも進まないこともよくあります。これは時間制限がある・急を要するものであるほど顕著です。
決してサボっているわけではなく、意識下ではずっとそれらの存在で占められているのですが、思考や行動が伴わないために傍目からは動きが遅いと受け取られかねません。
twitter.comタスクの一番上に置くというか、思いついた瞬間にその事でワーキングメモリが埋まってその作業を始めてしまうため、どの作業も終わらず、元々何の作業をしていたか思い出せなくなる。https://t.co/dkh63i5Yn7
— carrion_crow (@carrion_crow) 2018年12月28日
仕事ではしばしば割り込みタスクが舞い込むので、複数案件を抱えていた頃の頭の中は常にパンク状態でした。
運転や料理が苦手
マルチタスクの最たる例が「運転」と「料理」。その場で臨機応変に判断し行動しなければなりません。
自転車の運転はいつまで経っても上達しないし、自動車の運転に至っては教習所をよく卒業できたな…と自分でも疑うレベルで酷いです。。運転席で発進するだけでもう頭の中がわやです。ちゃんと前を見てるのに、目の前の通行人に向かって行って教官にブレーキ踏まれたことも何度かありました。
料理は1品作るだけでも30分以上はざらにかかり*2、下ごしらえの異なる複数の材料が出てくるとアワアワします。。2品同時に作ることはあまりできず、無理矢理交互にやろうとしてもどうしても無駄なアイドルタイムが生まれてしまいます。
twitter.com料理に限ったことではないが、マルチタスクができない。
— みるく🏡娘たち可愛いよbot 👧5y👶0y (@3865oiseau_bleu) 2018年12月13日
「スープを作りながら炒めものをする」はかろうじてできるが、それ以上の複雑な工程は混乱をきたす。。
ほとんど直列になるので調理時間は長くなる。#料理のハードル
計画的に物事を進めるのが苦手
中長期的な計画を立てるのがものすごくしんどいです。半期目標とか毎回頭真っ白になります。
タスク分解から全体スケジュール作成、各工程の見積もりなど、エンジニアが上流工程でよくやるアレがすごく苦手です。仕事柄、これをやる機会はめちゃくちゃ多いのですが何度やっても慣れません。。
しかしながら、ひとたびタスク分解や優先順位決めができたとき*3はその後ちゃんと進められるので、とっかかりさえ上手くできればもっと早くできるんだろうな…と思っています。(実際はそれがなかなかできず、つい先延ばしになることが多いですが。。)
先延ばし・ギリギリになって慌てる
難易度の高いこと、あまり気が乗らないことや進め方がよく分からないことはついつい先延ばしにしがちです。そしていよいよ動かないとヤバイぞ、となって慌てて取りかかり「もっと早く始めてれば…」と後悔する*4のです。
長期・短期問わず時間に余裕があるとわかるとつい弛んでしまう傾向があり、仕事の日も朝はゆったり→定時前はバタバタ、なことが多いです。
また、早めに着手していても不明点にぶち当たると自力で頑張ろうとしてズルズルと先延ばしになってしまうケースもあります。先延ばししてしまった罪悪感から、人に訊けなくなるという悪循環も生んでしまいます。
優先順位がおかしい
仕事ではよく「重要度」「緊急度」からタスクの優先順位を決めて「重要で緊急」なものから片付ける…みたいなやり方がありますが、それが上手くできません。
判別の結果、複数の「重要で緊急」タスクが押し寄せ、簡単な別のタスクに流れるか、いっそ何もやりたくなくなります。
twitter.com分かる人にだけ共感してほしい。 pic.twitter.com/A6x0s2TcGX
— ロボ太 (@kaityo256) 2017年9月11日
いわゆる「テスト前に部屋の片付けしちゃうやつ」です。「それ今やることじゃないから」と言われたこともあります。。
目についたものが気になってしまう
また、優先順位が違うとわかっていながらも、目に入ったものが気になるとそっちから処理しようとしがちです。
逆に言えば、目に入ったときにそのタスクを処理しないと、後から再びそれに取り掛かるのにエネルギーを要しますし、最悪そのまま忘れることもあります。。
仕事や不定期な家庭タスクであれば、タスクリストに放り込むことである程度対処できますが、繰り返される日々の家事育児の場合はむしろ目に入った流れで片付けてしまうのが自分にとって最適解になることもあります。*5
朝起きれない・遅刻魔
子供の頃からずーっとです。一度寝たらまず起きない*6ので、毎回しびれを切らした家族の怒号で起こされました。なので、社会に出て独り暮らししたら寝坊が急増しました。旦那と結婚してからはまぁまぁなんとかなっていますが…。
寝つきはすこぶる早く、音・光・振動があっても寝れます。嫌なことがあっても寝たら忘れるタイプなので、考え事で眠れなかった経験はほとんどありません。ただ、朝なかなか起きれないのです。。
twitter.comほぼ5年前(娘妊娠中)の自己調査結果によると、自力起床には9.5時間の睡眠時間が必要らしい。
— みるく🏡娘たち可愛いよbot 👧5y👶0y (@3865oiseau_bleu) 2019年5月29日
ちなみに今朝は8.5時間睡眠でもなんとか起きれたが、やっぱまだ少し眠い。。 https://t.co/QxsRi28Yvx
時間の進みについていけてない感は常にあります。時間の逆算も苦手な方で、早めに支度をしていても気がつくと出発時間ギリギリ。。数分レベルの遅刻をよくしてしまいます。
短期記憶が弱い
これも子供の頃から。中学受験では社会科のような暗記科目が苦手でした。山とか川とか制度の名前とか、興味のないことはとことん覚えられませんでした。。
しかしながら、セーラームーンの各話タイトルとか歴代プリキュア全員の口上とか、興味のあることに関してはそこそこ覚えられます。運動会のダンスの振付や、学芸会の劇のセリフなども覚えるのが早い方でした。
モノを失くすことはほとんど無いのですが、数歩歩くと何をしようとしたか忘れたり、何かをやりかけのまま長時間放置したり、といったことはよくあります。
自分なりの対処策
時短ワーママとなった今、かつてのように睡眠時間を削ったり残業や休日出勤でカバーしたりという力技は使えなくなってしまいました。そこで模索しながらも以下のような対処をしています。
しなくていいことは諦める
元々全てにおいて面倒くさがりなので、無理に克服しようとはしません。やらなくていいことは極力しないか外部委託します。
運転は危険すぎるので、免許取ってから一度も運転していません。旦那が運転できるのでなんとかなるw
料理は全くしないわけにはいきませんが、調理のメイン担当を旦那(3口コンロが使える人)に移譲したのでだいぶ負担が軽くなっています。
ルーチン化してしまう
面倒くさいタスクは極力ルーチン化します。まぁ仕事の場合、どうやってルーチン化するかを考えること自体が面倒くさいですが…。。
会社ではプロジェクトにかかった工数を全員が毎日入力します。入力区分が細かいうえ自分の記憶も曖昧なので、実働を元に算出するだけですごく時間がかかっていましたが、自作のスプレッドシートとタイマーを使って入力値の算出を簡略化し、無駄に悩む時間を減らせるようになりました。
家庭においては先述の「目に入ったものから処理したくなる」習性を逆手に取り、一部家事は目に入った順に実行しています(優先順位は二の次)。
タスク管理ツールを駆使する
ごく一般的な対処法だと思いますが、私もこれまで色々なタスク管理ツールを試しては挫折、、を繰り返してきました。
現在は「GTD」が一番しっくり来ており、そこそこ無理なく続けられています。
頭の中にあるモヤモヤ、仕事・プライベート様々な事柄を出し切ることで脳内がすっきりします。
外部記憶に依存する
頭の中がすぐにたくさんの情報でパンクしがちなので、昔から何かと外部記憶(ノートやデータなど)に依存していました。外部に移すことで、自身の脳内に保持し続ける必要性がなくなるので負担が軽くなります。
ただし、仕事で付箋やタスク管理ツールにタスクを移してしまうと安心して忘れるので、常に目に付くところに置き続ける必要があります。
思い出や体験、感動も然り。記憶力が弱い自覚は昔からあったので、大事なことや忘れたくない事はとにかくノートやデータに書き留めていました。
子供の頃、初恋をきっかけに書き始めた日記*7は17年続き、現在はより手軽なライフログアプリに形を変えつつも日々を記録し続けています。
でもこれって誰にでも多少当てはまるのでは…?
自分の困っていることを列挙してきましたが、これらはADHDかどうかによらず割と誰にでも多少当てはまるのではないか?とも感じています。
そもそもADHDかそうでないかってすごく線引きが曖昧ですし…
病気のせいではなく、単に仕事ができないだけ(不器用なだけ)かもしれないですし…
そんな釈然としない気持ちをはっきりさせたくて、ある日医療機関の診断を仰ごうと思い立つのでした。
(後半へ続く)
*1:「多動性」や「衝動性」に関してはほとんど当てはまらないものの、「不注意」だけやたら当てはまる気がしていました。
*2:ミールキットはその限りではありません。まさに私の救世主…
www.yururito.net
*3:そのかわりめちゃくちゃ時間がかかる
*4:意外にも、小学校の夏休みの宿題は8月上旬に終わらせてたのですが…いつからこうなった。。
*5:「ドライヤーを片付けたら歯磨きの準備をする(自分の着替えはその後)」「ごはんをレンチンしてる間に明日の保育園準備をする(調理はその後)」のように、ある意味トリガーになっていることもあるからです。
*6:修学旅行、友達との旅行ではご迷惑おかけしました…。。
*7:多少の黒歴史も含まれているので、旦那との同居を機に隠滅しましたw