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現エーデル始まりの舞台︰エーデル朗読劇「エリュシオン -神世の章-」感想

エーデル朗読劇「エリュシオン -神世の章-」を観てきた。

いや〜〜語彙力ぶっ飛びだね…良かったよ…

少女☆歌劇レヴュースタァライト -Edel Bühne- ~朗読劇 エリュシオン 神世の章~

revuestarlight.com

開催概要

開催期間2024年4月27日 14:00/18:00
2024年4月28日 13:00/17:00
場所シアターミクサ
チケット7700円
配信(4/28昼夜)︰各3500円
脚本吉田武寛
演出吉田武寛
出演者
(敬称略)
野本ほたる 尾崎由香 竹内夢 遠野ひかる 工藤晴香
ダンサー︰中村美友 種田有梨
感想ハッシュタグネタバレ有︰#朗読劇エリュシオン
ネタバレ無︰#エーデル朗読劇

朗読劇90分、アフタートーク15分、休憩なし。

朗読劇シリーズ新展開?

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古典落語劇場〜遥かなるエルドラドまでは「スタリラ朗読劇第◯弾」という形で展開されてきたが、ここにきて「エーデル朗読劇」という新たなハッシュタグができた。そして「スタリラ」という語句はなくなっている。

脚本演出も今回から変わっており、上演場所も飛行船シアターからシアターミクサになった。

これは何を意味するのだろうか。スタリラ朗読劇と別扱いのように見えるが、エーデル朗読劇は新しい軸として今後も展開していくのだろうか?

明かされる「エリュシオン」のストーリー

メモワール「神々の日常」より

今回の題材である「エリュシオン」とは、シークフェルト音楽学院の選ばれし者「エーデル」が代々上演する戯曲。「神世の章」「王位の章」「輪廻の章」から成り、毎年順番に1章ずつ上演する伝統がある。

聖翔にとっての「スタァライト」のようにシークフェルトにとっての大切な戯曲なのだが、ゲーム内ではその詳しいストーリーがこれまで明かされていなかった。関連する舞台少女・メモワールの説明文にほんの少し言及があるくらいで、どんな話かはわからなかったのだ。

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スタリラ配信からちょうど5年経った2023年10月、満を持して「エリュシオン -神世の章-」のイベントストーリー制作が発表され、2024年3月5日に同イベントが始まった。

イベントストーリー「エリュシオン -神世の章-」より

初めて知る劇中ストーリー。ただ、これは"再演版"となる。

晶たちが過去に上演した「エリュシオン -神世の章-」を、訳あって特別に再演することになった、という位置づけである。

そして今回の朗読劇はイベントストーリーの前、つまり"初演版"の方だという*1

再演版を知った上で見る初演版の朗読劇…晶が「エリュシオン」にここまで強い思い入れを抱く理由の一端を垣間見れるのだろうと、期待が膨らんでいた。

会場・座席について

ミクサライブ東京

会場は池袋のミクサライブ東京6階、シアターミクサ。

物販は同じ建物の4階にある。エーデルたちによる前回の朗読劇「ロイヤルリテイナー」のアクスタなどが登場。私はあらかじめ通販で買っていたので、ここは軽く眺めるだけにした。

時間があったのでGiGO3号店*2の8階にある鯛焼き屋で「スタァライト焼き」を食べてきた。香子はんだった。

ノベルティは配布終了していた

シアターミクサへ。来場者特典のシールの向きが逆だというお詫びポスト*3が来ていたが、なるほどこういうことか…

見事に逆さまになってる…(泣)

封筒の中には回替わりのキャストコメントが。この回は晶とメイファンだった。影ナレ、開演前は晶で終演後はメイファンだったがこれと対応してるのだろうか?*4

エーデル朗読劇(4月27日夜公演)の感想

※ここからネタバレ注意!

※千秋楽公演の配信も見て補完している。

歌で圧倒されるオープニング

ステージに並ぶ5人の前には、薄い紗幕が掛かっている。開演前のやりとり、緊張する栞や励ますミチルたち。そしていよいよ、舞台の幕が上がる。

紗幕が取れて5人の姿が露わになると、突然歌が始まった…!!!

朗読劇初の歌唱!これにはグッときた。一気に神々の織りなす世界観に惹き込まれた*5

そして衣装もいい。それぞれの神の衣装を意識した感じで素敵だった。

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舞台を彩ったダンサーたち

今回、舞台にはエーデル5人の他に2人のダンサーがいたのだが、この2人がアンサンブル的立ち位置で大活躍していた。

あるときは狼を、またあるときは狐を、そして舞台に敷き詰められた羽根や紙吹雪は洪水や業火や疾風にもなり、舞台を動かしていた。まるで神の御使いのようで素晴らしかった。 千秋楽アフトで明かされたのだが振付師はついていなかったそうで、2人がもつスキルを発揮して作っていったらしい。すげぇ…

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生演技の迫力

イベストは開催前に通しで読んでから臨んだのだが、劇中劇そのものはほとんどイベストと同じであった*6。ただ、生のお芝居の息遣いや迫力が乗るので知ってるストーリーながらすごく新鮮な気持ちで見ることができた。

純真無垢な天の神。星に近づくため風になったり涙で洪水起こしたり、本人は無意識なのだろうがさりげなく力の大きさが表れてるなぁと思った。掟を破った罰で地上に落とされた天の神が、狼*7や水の神との出会いによって命の儚さを知るくだり。そして水の神に「ミルト」という名前をつけるところはすごく好きなシーンの1つだ。

「ミルト」という名を与えた天の神

火の神が2人を拒絶して追い払おうとするくだり、火の神の悲しい過去を独白するシーンは本当にせつなかった。そして火の神が雨で小さくなったあと、水の神たちに気づいて言った「…生きていたのか!」はわずかに嬉しそうな声をしていた。

冒頭の「灰にしてやろうか!!」といった雄々しい登場、かつて子ギツネを助けられなかった無念、そして天の神に綺麗だと言われたときの戸惑い、水の神の協力で動物を撫でることができた喜び…短時間の間に感情が揺れ動く火の神を見事に演じていた。

火の神の過去

風の神は吹き抜けるような奔放さが良い、そこからのソロ歌唱も良い。なんか楽しそうだから混ぜてよ!一緒に踊ろうよ!と誰よりも嬉しそうにしていただけあって、「嫉妬」の封印が解けてからの豹変ぶりが凄まじかった。これをエーデルになったばかりの栞が演じていると思うと、やはりエーデルに抜擢されただけのことはあるなぁと感じた。

そして前半出番がほとんどない大地の神は、後半からの迫力が凄かった。度々掟を破る天の神に天罰を下すときは突き放すような怖い声をしているが、これまで大地の神が見てきた気の遠くなるような破壊と再生の歴史を語るときは絶望や諦めを帯びた声、そして遥か遠い原初のときに天の神と約束を交わすシーンでは優しさを含んだような声で、それぞれの演じ分けがよかった。

「嫉妬」という感情

ランスを手に神々の争いを止めようとするも、強大な力を持つ水・火・風の神にボロボロにされる天の神。攻撃されるたび絶叫しまくるのだが、それぞれ声色が違っていて凄かった。さらにこのあと歌うんだよ…すごいな…。

誰よりも輝いて神々の争いを止めた天の神。かつて星の輝きに魅了されていた天の神は、星よりも煌く存在となった。いつか皆に会えることを夢見ながら星になり、大地の神から与えられた名が「エーデル」だという見事な回収ぶりにもあらためて感心するのだった。

天の神についた名は「エーデル」

「星」「罪」「封印」「何度も何度も」「再生産」「約束」「別れ」ちょいちょい(戯曲/アニメ)スタァライトと対になるような要素もあって面白かった。誰か考察してほしい(他力本願)

プラチナ・フォルテ

終演後のエーデルたちの会話。晶は我々エーデルの可能性を感じるよい舞台だったとしつつも、これに満足してはならない、妥協は許さん!と場を引き締める。

ここでシークフェルト1stシングル「プラチナ・フォルテ」のインストが流れ出すの良すぎ…

そして一人一人の名前を呼びながら、晶の〆の一言。

「我々の新しき時代は、新たなるエーデルの始まりだ。すべての輝きを過去のものに!」

晶の初期の口上*8が引用されている。ここからこのエーデル5人の歴史が始まったんだなぁと思うと感慨深いものがあった。

わちゃわちゃアフタートーク

そしてアフトはエーデル安定のわちゃわちゃw

  • BGMにノリノリの夢ちゃん可愛い
  • 今回披露した歌、2番作ってカッコいいカップリング曲入れてシングル出したいとのこと。わかります…
  • 持ち歌増えてきてるしエーデルライブしたいとのこと。行きたい!!
  • 陰陽師朗読劇したいね!と湧く。漢字読めないのなんとかなるなるw
  • 夢ちゃんに300人✕10ポストノルマ課せられたw
  • 無垢で子供っぽい天の神を大人っぽい晶が演じることについて話すのっさん
  • 「私に力を!」って懐かしい響き(セー○ームーンですねわかります)

まとめ

ロイリテ以来のエーデルたちによる朗読劇、今回も歌やダンスという新しい試みで圧倒されっぱなしであった。

神世の章が明かされた以上、王位の章*9・輪廻の章もいつか上演するのだろうか。まだまだシークフェルトにはやってほしい演目が沢山ある。

なにより皆言ってる陰陽師「YIN-YANG」を生の演技で見たい…!!芦屋道満やってる晶が見たい!!


▼終演翌日に配信された振り返り配信はこちら。リハの「標識!」は笑ったw

*1:3/18放送「少女☆歌劇レヴュースタァライトpresents オールスタァラジオ」にて言及

*2:昔ビックカメラがあったビル、まるまるGiGOになってたのね。

*3:

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*4:千秋楽配信では晶とやちよだったので、対応してるようだ。

*5:この曲を冒頭、前半、後半、ラストと4回歌うんだけど、それぞれ違う雰囲気に包まれた。

*6:朗読劇用に細かい台詞の改変があったらしいが、鑑賞時は全く気づかなかった。後日配信とイベストを同時に流してみてわかった主な違いは、天の神が大地の神に対してつぶやく「淋しそう…」と、大地の神の「どーでもいい」と、風の神アンシュリーの口調(朗読劇の方がやや少年ぽい語尾)だった

*7:晶演じる天の神が最初に出会い親交を深める動物が「狼」なのは意図的なのだろうか…?どうしてもちらつく大賀美詩呂…

*8:「この身を照らす光を浴びて、輝き放つは王の白金プラチナ!シークフェルト音楽学院、舞台俳優学科2年 雪代晶 すべての輝きを過去のものに!」

*9:スタリラメインストーリー8章「死にゆく王と四人の騎士」で描かれてはいる

別れの悲劇に私は"エルドラド"されてしまった︰スタリラ朗読劇「遙かなるエルドラド」感想

12月16日に開催された「少女☆歌劇レヴュースタァライト -Re LIVE- Reading Theatre 第四弾『遙かなるエルドラド』」を観た。

想像とは大きく異なるドロドロとした愛憎劇で驚いたが、とても面白くズシンと響いた。

少女☆歌劇レヴュースタァライト -Re LIVE- Reading Theatre 第四弾「遙かなるエルドラド」

revuestarlight.com

開催概要

開催期間2023年12月16日 14:00/18:00
2023年12月17日 13:00/17:00
場所飛行船シアター
チケットS席 9900円/A席 7500円
配信︰各3500円/4公演通し券 10000円
脚本江嵜大兄
演出江嵜大兄
出演者
(敬称略)
小山百代 富田麻帆 岩田陽葵 相羽あいな 飛龍つかさ
楽器演奏︰furani 菅野太雅 中村哲也
感想ハッシュタグネタバレ有︰#朗読劇エルドラド
ネタバレ無︰#スタリラ朗読劇

朗読劇70分、アフタートーク25分、休憩なし。

空飛ぶんだよな、サルバトーレが!!

「遙かなるエルドラド」は劇場版スタァライトにおける劇中劇である。序盤の進路相談シーンにインサートする形で、純那と華恋がこの劇の稽古をする。ここではサルバトーレを純那、アレハンドロを華恋が演じていた。

なぜ…なぜ…なぜ…征ってしまうのか、友よ…

自主退学したひかりを憂う気持ちとシンクロするように、アレハンドロ華恋の熱演が光る。

しかし映画ではここに至るまでの経緯が不明*1だったため、今回の朗読劇でようやくストーリーの全容がわかることとなる。

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また、「遙かなるエルドラド」は新国立第一歌劇団の十八番公演であることが電車内のシーンで語られる。ここで双葉が言う「空飛ぶんだよな、サルバトーレが!!」という台詞は後にネタ化し、なんと今回の公式グッズにもなってしまったw

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そして、現在制作中のスタァライト初のコンソールゲームも「遙かなるエルドラド」が題材となっている。こちらは現時点でティザーサイトしかなく、発売日も未定*2。キービジュアルを見る限り、配役も朗読劇バージョンとは一部異なるようだ。

revuestarlight.bushiroadgames.com

会場・座席について

素敵なフラスタが

今回も飛行船シアターでの上演。エントランスには数々のフラスタが飾られていた。

座席は1階席中央左端、目の前は通路で左隣2席は撮影用カメラが設置されていた*3

ステージは船を正面から見たような感じのセットが組まれており、時折さざ波の音が聞こえていた。

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スタリラ朗読劇(12月16日夜公演)の感想

※ここからネタバレ注意!

※千秋楽公演の配信も見ているので、合わせた形の感想となる。

低音ボイスがたまらない

これまでの朗読劇は「キャラクターたちによる開演前後のやりとり」も冒頭や最後に入るものが多かった。しかし今作は開演前後ともに声のみ*4のやりとりで、キャストが舞台に上がっている間は最後まで「キャラクターが演じる役」になっており、まひる以外の男性役4人は終始低音ボイスなのだ。

特に華恋と真矢は子供時代・少年時代・青年時代と3タイプの男性声を出すのですごく耳が幸せだった。(もよちゃんの低音イケボ大好きマン)

わちゃわちゃした影ナレの後に始まった朗読劇は開幕早々緊迫した状況。船は大荒れで水夫たちが絶叫する中、狼狽えるアレハンドロがあの台詞を言い、一気にグッと引き込まれる。ここに至るまでに何があったのか、いよいよ我々に明かされる時が来たのだ。

想像以上に重いストーリー

劇スを観た段階では、サルバトーレが飽くなき探究心から友を置いてでも"遙かなるエルドラド"を目指して旅立とうとするシーンなのかと思っていた。「大航海ロマン」というフレーズにも「冒険活劇」といった爽やかなイメージを抱いていたのだ。

しかし、件のシーンはもっともっと複雑でドロドロで深刻な状況だった。「空飛ぶんだよな〜!」なんて無邪気にはしゃげるものではなかったのだ。。

子供時代に仲良くなり、共にエルドラドを目指す夢を誓いあった2人。しかしアレハンドロが知らないところで父による少年たちへの性加害が行われ続けており、穢されたサルバトーレは復讐のときをしたたかに待ち続けていた…という構図。あのシーンはサルバトーレの復讐が成就し、アレハンドロから船を奪って逃げる場面での台詞だったのだ…

公演終了後に渡された来場者特典「雨宮詩音の第一稿」

来場者、及び配信の通し券購入者のみに配られる「『遙かなるエルドラド』第一幕 雨宮詩音の第一稿」には、まさにあのシーンまでの脚本が書かれている。今回の朗読劇とは台詞回しが少し変わっていたり、丸々描かれなかったシーンなどもあり、舞台版ならきっとこうなんだろうなぁという書き方になっていた。

キャバレロ卿周りのシーンはト書きに直接的な表現も書かれていて、活字で見ると尚更エグい。キャバレロ卿のことはふせったーにも色々書いた。

fusetter.com

てかさ…こんなエグい脚本を書ける高校生ヤバくない?w

なんかすごくキャラ相関図を描きたいので、描けたらここ↓に載せようと思う。

(相関図載せる…かも?)

"スタァライト"を彷彿とさせる場面

エルドラドには"スタァライト"みを感じさせる要素が散りばめられているように感じた。

アレハンドロの台詞に「『今は』*5だよ!」があったり、サルバトーレの台詞に「君はあまりにも美しく、眩しく、愚かだ…*6」があったりと、聞き覚えのある台詞がちらほら。「きらめき」「奪い合う」といったフレーズも出てくる。

父・友・船・地位、そして妹まで失い絶望したアレハンドロがコロンブスに焚き付けられ、奪われたものを取り戻す決意をしたときの台詞はまるでレヴューの口上のようである。ここの迫力も凄かった。

もう失うものは何もない。戻る場所もない。

全てを失くしたこの身の奥に、魂焦がす怒りをみつけた!

我が名は復讐者アレハンドロ!

サルバトーレ・グーリエ!君に追いつき、奪い、復讐する!

皆が追い求めるもの*7、という意味でも"エルドラド"と"スタァライト"の類似性を感じる。どちらも「別れの悲劇」であるし、幼い華恋とひかりが戯曲スタァライトを見て目を焼かれたように、我々も本作を見ることで目を焼かれた気がした。まるで追体験をしたような気分だった。

兼役の演じ分けがすごい

キャスト メイン その他
愛城華恋 ・アレハンドロ なし
天堂真矢 ・サルバトーレ ・水夫
西條クロディーヌ ・ミゲル
・キャバレロ卿
・水夫
・悪ガキ
露崎まひる ・カルメンシータ
・イサベル
・水夫
・悪ガキ
ジュディ・ナイトレー ・ズルフィカール
・コロンブス
・水夫
・パブロ
・審議官

華恋以外は兼役である。5人で実にたくさんの役を演じている。

ミゲルとキャバレロ卿なんて被害者と加害者という真逆の役どころ。あいあいさんはそんな2人を巧みに演じ分けていた。キャバレロ卿のときに不気味なオレンジの照明が当たるのもゾクッとした。あとミゲルとサルバトーレが会話するシーンはどれも好き(語彙力)。

暗殺者ズルフィカールと探検家コロンブスもまた毛色の違う役だけれど、飛龍つかささんは声優初参加と思えぬほどのどっしりとした演技で魅了された。さすが元男役スター…。ズルフィカールが登場するときのザラリとした闇を引きずってくるような感覚、すごく良かった。

唯一女性役を演じたはるちゃん。どちらもサルバトーレに想いを寄せる。彼のために健気に料理の腕を磨くカルメンシータも可愛いし、許嫁がおり叶わぬ恋と知りながらも彼に惹かれていくイサベルもまたせつない。何より凄まじかったのはそんなカルメンシータが、父の淫蕩を知り壊れていく場面。絶望に打ちひしがれ、兄の目の前で自害するくだりは息を呑んだ。

サルバトーレを演じたまほ姉、いやもうホント色々見どころはたくさんあって書ききれないんだけど、すごく良かった(語彙力)。アレハンドロと互いの指輪を交換して誓ったあのとき、キャバレロ卿の黒い噂を知りながら後見人の誘いを受けた覚悟といったら…。終盤の「奪い奪われ奪い合う、それが人間だ!」という台詞もしびれた。

そしてアレハンドロもよちゃん、低音大好き(また言う)。無垢さ故の残酷さというか、とはいえ友が父に辱められていたなんて思いもしないもんな…。。何も知らなかったアレハンドロは船乗りたちの復讐により父を殺され、できたての船を奪われ、父の淫蕩が明るみになり地位も失い、妹にまで死なれてしまい…と踏んだり蹴ったり(そのあとイサベルにも裏切られるし)。復讐に立ち上がるところの迫力も凄かったが、それでもなおサルバトーレを憎みきれないでいる揺れる演技も良かった。

歴史は苦手だが少し興味出た

登場人物のうち、イサベル王女とコロンブスは実在の人物である。

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

2人のWikipediaから主な出来事を抜き出してみる。

  • 1470 イサベル誕生
  • 1474 母イサベル1世カスティーリャ女王即位
  • 1479 イスパニア王国誕生
  • 1482 グラナダ侵攻開始
  • 1486 グラナダの西半分制圧/コロンブスが女王らに謁見
  • 1490 イサベル、ポルトガル公アフォンソと結婚
  • 1492 グラナダ陥落(レコンキスタ完遂)

「雨宮詩音の第一稿」によると本作は1486年という時代設定となっており、まさにこの史実と合致する。歴史苦手*8な私でも当時の時代背景など調べたくなってきたので、こういう史実に絡めた形のフィクションというのもなかなか面白いと思った。

まとめ

朗読劇「遙かなるエルドラド」はとても面白かった。第二幕以降の脚本も見てみたいし、なんなら舞台で上演してほしい。脚本にしかなかったシーンも見てみたいのだ。

あと音楽も相変わらず素晴らしく、物語を盛り上げてくれた。千秋楽アフトで知ったのだが、実は4公演それぞれ異なるバージョンで演奏する箇所があるとのこと。こだわりが凄い。

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*1:寮で真矢が広げている雑誌には「遙かなるエルドラド」の大まかなあらすじが書かれているが、しっかりとは読んでなくてよく知らなかった。。
文字起こし参考︰note.com

*2:2023年7月の発表では「2023年冬」と言っていたがどうやら延びているっぽい。年明けに続報来るか。

*3:この左端2列は元々販売されてないようで空席だった。

*4:ここのジュディの話し方が、日本語を母国語としない人って感じが出ていてよかった。

*5:劇スの純那の台詞「でも、今は、よ」

*6:劇ス「狩りのレヴュー」のななの台詞、「君は美しかった。愚かで熱く、美しかった。(略)…眩しかった、純那ちゃんが!」

*7:スタァライトにおける「星」や「塔」のような。ただ、「エルドラド」は本当にあるかどうかもわからぬ場所ではあるが…

*8:高校で世界史選択だったくせにこの辺ちんぷんかんぷんだった

誰にも共感できない。けど、人間って複雑なもの:舞台「ロスメルスホルム」感想

鑑賞後どっと疲れました

ついに観てきた「ロスメルスホルム」。会話の応酬で繰り広げられる人間模様。なかなかに難解で観終わったあとはどっと疲れた。

「ロスメルスホルム」

開催概要

開催期間愛知公演︰2023年10月28日〜10月29日(全2公演)
福岡公演︰2023年11月3日〜11月5日(全3公演)
兵庫公演︰2023年11月10日〜11月12日(全4公演)
東京公演︰2023年11月15日~11月26日(全15公演)
場所愛知公演︰穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホール
福岡公演︰キャナルシティ劇場
兵庫公演︰兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
東京公演︰新国立劇場 小劇場
チケット愛知公演︰S席10000円/A席7000円
福岡公演︰S席11000円/A席9000円
兵庫公演︰11000円
東京公演︰12000円
配信11/26 13:00公演(千秋楽)
4500円
脚本原作︰ヘンリック・イプセン
脚色︰ダンカン・マクミラン
演出栗山民也
出演者
(敬称略)
森田 剛 三浦 透子
浅野 雅博 谷田 歩 櫻井 章喜 梅沢 昌代


ノルウェーの劇作家イプセンの最高傑作とも呼ばれる舞台。愛知・福岡・兵庫・東京の4地域で上演された。

  • 第1幕*1︰1時間25分
  • 休憩︰15分
  • 第2幕*2︰1時間5分

www.rosmersholm2023.com

東京千秋楽公演は配信もある。剛くん主演舞台の配信はおそらくこれが初めてではなかろうか。すぐさまチケットを購入しておいた。

インタビュー記事が続々


公式インタビューのみならず、各種メディアによるインタビュー記事が断続的に投下されていった。こぞってビジュアルが良すぎる…。

9/1 ぴあ

lp.p.pia.jp

9/7 T Japan

www.tjapan.jp

9/8-9 precious.jp

precious.jp

precious.jp

9/15 GOODA

gooda.brangista.com

11/4 産経新聞

www.sankei.com

ドトール初台北口店

公式Xで案内を見かけたのでお昼がてら立ち寄ってみた。剛くんのメンカラ・赤のストローを上演記念にもらえる。ホットドリンクでもOKとのこと。

赤いストローいただきました

この店舗の過去ポストを見るとわかるが、新国立劇場の出演者にちなんだカラーストローを用意しているようで、時期によっては珍しい紫や黄色のストローを提供することもあるようだ。配慮がすごい。

また、レシートにも21日から「応援コメント」なるものが記載されるそうだが、19日観劇時点では小劇場の公演情報が印字されていた。

レシートにも公演情報の記載が

東京公演の会場・座席・物販について

新国立劇場(初台)

新宿のお隣、初台駅を出てすぐのところにある新国立劇場。この一帯は東京オペラシティと呼ばれる複合文化施設で、存在は知っていた*3ものの訪れるのは初めてであった。

小劇場で行われる

オペラ劇場・中劇場・小劇場を構える館内は広く、衣装展示などギャラリーが充実していた。本作は地下にある小劇場で上演された。

物販は現金のみ対応で、

  • パンフレット
  • ロスメルスホルムの白い馬レザーキーリング(ホワイト/ブルー)
  • ステージセットライブフォト

の3種グッズがあった。中でも白い馬キーリングはなぜかとても人気があり、ブルーに至っては開場5分で完売。どうやら毎公演そんな感じでブルーからすぐなくなるらしい。

原作未読で来たので、なぜ白い馬なのか*4も全然わからずにいた。とりあえずパンフレットだけ…と思ったのだが、ここには戯曲「ロスメルスホルム」を丸々収録した雑誌「悲劇喜劇」が売られていたので、観劇後の復習のつもりでそちらも購入した。

www.hayakawabooks.com

小劇場はちょっと大きめの映画館くらいのこじんまりさ。後方席だったが視界に難はなかった。しかし3時間座りっぱなしだとかなり尻が痛くなった。。

「ロスメルスホルム」(11月19日昼公演)の感想

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基本的にこの部屋*5、ロスメルスホルムの屋敷内で物語は繰り広げられる。

左側の壁にはロスメル家歴代当主の肖像画がびっしりと掲げられており、なかなかの威圧感を感じながら過ごしていることがうかがえる。

絵画的な光の演出

部屋の行き来は少ないものの、光の差し込み方は様々あって面白かった。基本的にステージは薄暗く、ドアや窓が開いて差し込んだ光が光源のメインとなる。朝・昼・夕方など時間の変化も感じとれた。

時々窓を開けて橋の方を見やるシーンがあるが、その姿はさながら絵画のようにも見えた。部屋の暗さと外の明るさが対照的に感じられた。

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ド初見はキツいので戯曲予習がおすすめ

前回観た舞台「みんな我が子」も怒涛の会話劇だったが、今回の「ロスメルスホルム」もまぁかなり台詞が多くて長い。

レベッカとヘルセットとの会話から始まり、やがてクロルやロスメルも加わっていく。パンフレットで登場人物の相関図には目を通していたものの、会話の中から登場人物の思想なり人柄なりを把握して「今どういう状況なのか」を常に考えながら観ようとするととても疲れる。

ネタバレを避けようと原作未読で挑んだのはあまりよくなかった。どんな物語なのかを知るため一言も聞き漏らすまいと会話を聞くことに集中してしまい、あまり俯瞰した見方ができなかった。屋敷内の会話にとどまり大きな場面転換はしないので、ともすれば第1幕は眠気との戦いでもあった*6

予め戯曲を読んでいれば、ここのシーンは舞台でこんな演出になるのか!といった発見もできただろうに、ド初見では物語に追いつくので精一杯だった。これから観に行く人は戯曲を先に読んでおくことをお薦めする。

で、どっちなんだい!?

第1幕で様々張ってきた伏線が、第2幕で回収していく感じなのはわかった気もするが、とにかく話が難しい。登場人物の発言がそもそも本音とは限らず、皆それぞれに鬱屈としたものを感じるのだ。まあそういう複雑なものこそが人間なのだろうが…

前半は異なる政治思想の対立構造が見えつつも、後半に進むにつれ同志であるはずのロスメルとレベッカの関係性がぐらつき、やがて大きな感情の発露を見ることとなる。お互いがお互いを同じ志をもつ清い関係だと言うが、実際この時点まではそうだったのかもしれないが、でも結局のところ異性として意識してる瞬間はお互いあったわけで。すれ違いながら、言葉をこねくり回しながら、「もうどっちなんだよ!じれったい!!」とイライラして見ていた。

そしてあのラストへもつれ込む……鑑賞後なんともいえない無力感と虚無感に囚われ、スタオベすらも忘れてしまった。

そもそもロスメルスホルムの同居人としてレベッカは異質な存在に映る。ロスメルの亡き妻ベアーテの兄クロルがレベッカをここへ引き入れたとされるが、なんで使用人でも家族でもない異性を夫婦の中に投じた?そんなん波乱が起きるに決まってるだろう。。

そんなモヤモヤを抱えたまま退出。帰宅後「悲劇喜劇」の戯曲を90分で読み返し、聞き取れてなかった台詞などを補うことができた。やはりこれは先に読んでおくべきだったな…と後悔。

まとめ

正直どの登場人物にも共感できないのだが、複雑に絡み合う人間模様、戯曲を読み返した今なら多少は解像度が上がった気がする。

幸いなことに千秋楽配信がある。もう一度あの舞台を観たらまた、違った感想を抱くかもしれない。

(追記)現地で見たあと戯曲を読み、千秋楽配信を少なくとも通しで2回繰り返し見てやっとスッと入ってくるようになった気がする。家系に囚われもがくヨハネス、内に秘めた生々しい欲望を吐露するレベッカ、ラストのくだりになだれ込むまでの熱演がすごかった。配役されてないベアーテも、彼女の苦しみが伝わってくるようだった。

*1:原作によると1幕・2幕がここに相当する

*2:原作によると3幕がここに相当する

*3:学生時代、友達がここでバイトをしていたので名前は知っていた

*4:劇中では「不吉の象徴」的な描き方をしていた。なのになんでかわいいキーホルダーになってるのw

*5:もう一部屋(ロスメルの書斎)あるが構成要素はほぼ同じ。右側の窓が本棚になる程度

*6:私はギリギリ持ちこたえたが、普通に危ない場面はあった

最後のアレが気になってしょうがない︰舞台「『Dancing☆Star プリキュア』 The Stage」(ぼくプリ)感想

Dancing☆Starプリキュア The Stage

ぼくプリ、蓋を開けてみれば普通に面白い舞台だった。まどマギを彷彿とさせる要素や設定が見え隠れしつつ、ちゃんとプリキュアっぽさも感じた。

「『Dancing☆Star プリキュア』 The Stage」(ぼくプリ)

開催概要

www.marv.jp

開催期間東京公演︰2023年10月28日〜2023年11月5日(全13公演)
大阪公演︰2023年11月10日〜2023年11月12日(全5公演)
場所東京公演︰品川プリンスホテル ステラボール
大阪公演︰サンケイホールブリーゼ
チケットS席︰11000円
A席︰8800円
配信全景映像(11/5昼)︰2800円
スイッチング映像(11/5夜・東京千秋楽)︰3800円
全景映像+スイッチング映像セット︰6100円
スーパーバイザー鷲尾天
脚本・演出ほさかよう
出演者
(敬称略)
田村升吾 滝澤諒 森田桐矢 寺坂頼我 小辻庵
和合真一
平松來馬 TAISEI(G.U.M)
伊藤裕一
大澤信児 川北和郁 大津夕陽 大津朝陽 安久真修 高橋陸人 Kodai Harada 平井颯太

激震が走った「プリキュア初の舞台化」

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4月28日に突如発表されたプリキュア舞台化の報は、ネットに激震が走った。オリジナルキャラクター、しかも全員男子とあって、それはもう賛否両論巻き起こった。

ハトプリからハマり、アニメも映画も全シリーズ履修済みの私ですら、この一報には衝撃を受けた。それはちょっとどうなの…?と懐疑的であった。

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会場・座席について

ステラボールは二度目の来訪

会場は品川プリンスホテル内にあるステラボール。そう、以前私がセラミューフェスで屈辱を受けた、あの因縁の場所である…。

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今回は舞台だが、ライブパートがある可能性だって十分ある。あの会場でスタンディングされると市民権を失うことを危惧した私は、あえてS席を購入した。

しかしいざチケットを発券すると、一般的なステラボール座席表にない「O列」という表記。これは公式サイトに載っていた本公演の座席表と照らし合わせると、なんと後ろから2列目なことが判明した。終わった…。

ところが実際現地へ行ったところ、I列〜P列までは雛壇となっており、かなり高みから見下ろせる感じに。前列の観客の頭も全く邪魔にならず、とても快適に鑑賞することができた。これはよかった!

ぼくプリ(10月29日昼公演)の感想

これまで1年ごとに脈々と受け継がれてきたプリキュアの系譜。元々知られているシリーズの舞台化ならまだしも、全くの新キャラのみで構成される舞台だ。新しいキャラクター、新しいストーリー、それをたった2時間半の舞台で描く。観る前は楽しみと不安がそこそこ入り混じっていた。

多少のツッコミどころはあれど、舞台そのものは面白かったしプリキュア要素もあった。今のところ「これはプリキュアなのか?」という問いに100%肯定はできないものの、「男子高校生を舞台でプリキュアにするとこうなる」の最適解を見たような気がした。

垣間見えるプリキュア様式美

主人公・星河楽が声を発した瞬間、第一印象こそ「うわ、チャラいw」と思ったのだが、見ているうちに"愛すべきバカ"(褒め言葉)なんだなぁと思い直した。さらに、

  • ひょんなことから妖精パドドゥとぶつかる
  • 巻き込まれて言われるままにプリキュアに変身
  • プリキュアの姿や自身が発したセリフに戸惑う
  • パドドゥによる状況説明(しかし全く頭に入ってこない)

といった、プリキュア初回あるあるが散りばめられている。

また、初めて変身したあとの「ありえねぇ…」は、なぎさの口癖「ありえな〜い」を想起させた。ここからオープニングが始まるのも良い。

舞台での変身シーンが面白い

舞台上で変身するのはセラミュでも見てきたが、プリキュアのそれも工夫を凝らしていてよかった。特にキュアトップ、キュアロックの初回変身はそれなりに尺をとっていたように思う。

変身のポーズを取ったあと、本人を覆い隠す可動式衝立。そこにはプリキュアの変身バンクによくある、シルエットのような変身モーション映像が流れる。映像だけでなく、途中で見える変身中の姿やアンサンブルが周りで表現するエフェクトなども相まって、舞台で踊りながら変身する過程を楽しめた。

しかしトップ〜ロック覚醒までにかなり尺を使っていて、この調子であと3人やるの?と思いながら観ていたら、なんとキュアソウル・キュアカグラ・キュアブレイクの3人は以前からプリキュアとして活動していたと判明する流れに。主人公覚醒以前からプリキュアがいたシリーズはある*1が、時間制約のある舞台にこの手法はなるほどなぁと思った。

最後のバトルで5人並んで変身する*2ところはとても綺麗だった。キュアカグラの和傘エフェクトもなかなか好き。

それぞれのキャラの関係性が良い

高校生5人はプリキュア5みたいな2-2-1の年齢構成である。3学年に跨がる5人の関係性が良かった。

楽(トップ)・颯斗(ロック)︰幼馴染の高2コンビ。底抜けに明るい楽に世話焼きしてる颯斗の構図。ボケとツッコミ、のぞみとりんみたいな。ダンス部のテストに遅れている楽のためになんとか時間稼ぎしようとする颯斗が健気。颯斗のダンスを見て自分もダンスをやりたくなったと言う楽、颯斗が挫折しかけたところを救い出してキュアロックになるところが*3良かった。

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爽々奈(ソウル)・晃雅(カグラ)︰ダンス部の部長・副部長を務める高3コンビ。誰にでも優しさを振りまき独特のカリスマ性を纏う爽々奈に対し、神社の家系だがかなり口が悪く指導も厳しい晃雅。皆から畏れられる対照的な2人だが、2人きりで話しているときの互いに信頼し合ってる感がなんか好き。てか既にプリキュアだったんかーい!

颯斗(ロック)・舞人(ブレイク)︰中学時代から天才と評された者同士。互いにその名を知ってはいたようだが、颯斗があのときよりもダメになってるのを見て拍子抜けする舞人。舞人は最年少の高1だけど、先輩にも物怖じしない一匹狼タイプ。自分のせいで一般人を巻き込んでしまったことを悔いてダンス部やプリキュアから離れたが、楽と颯斗に半ば強引にダンスバトルを持ちかけられて徐々に絆ができていくのが良かった。

他にも晃雅と舞人、晃雅とパドドゥなどところどころで良いなぁ…と思った瞬間があったのだが、これは千秋楽アーカイブで思い出そうと思う。

シリアスなストーリー

元々大人ターゲットの舞台なこともあってか、ストーリーは結構シリアスだった。

プリキュア以外のメインキャスト、バスケ部の蛍と充、そしてダンス部顧問に新しく赴任する元ダンサーの室井。この3人がストーリーを大きく動かす。

自分勝手な判断で充を巻き込み怪我させてしまったキュアブレイク、その怪我で代わりにレギュラー入りした蛍を心から喜べない充、充の才能に嫉妬し復帰を恐れこのチャンスを逃すまいとする蛍、すれ違う気持ちがなんともツラい。

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そして怪しさ満点の室井先生がほんと凄くて…。突如ダンス部に現れ後輩部員たちを懐柔し、ここぞというところで「ナンセーーンス!!」などと高らかに叫び舞台を引き締める。全員が「公平に」という名目でレベルの低い人に水準を揃え、軍隊よろしく揃った動きしかさせないダンスは不気味ささえも感じた。

正体を現した室井先生=コレオグラファーにも悲しい過去がありいたたまれないものがあった*4。絶望は消せない、とはGoプリでもあった展開だが、絶望を受け入れたうえで他の人も絶望へ引きずり込もうという選択をしてしまったのがなんとも悲しい。

闇のリズムを光のリズムに塗り替えたトップが、自害しようとする彼に「俺達のダンスを見に来てよ」と誘うシーンはなんかよかった(語彙力)

パドドゥがいろんな意味ですごい

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そしてなんといっても妖精パドドゥよ…可愛いとか言ってたら最後にしてやられたよ…

人間態をおっさん呼ばわりされて「おっさんじゃねぇ!!」と怒ったり、一回じゃ理解できなかった楽に高速で説明リピートしたり、メタ発言やアドリブなどことあるごとにステージの笑いを誘ってきたパドドゥ。

事件もいったん解決し、5人のダンスステージで大団円…と思わせといて最後にしれっとヤバいものをぶっ込んできた。

絶望を増幅させることで浄化したときのエネルギーを効率よく回収するとかなんとか言ってたな??

まさかキュゥべえ的なあれか…??

室井先生をコレオグラファーにした*5のもまさかパドドゥの仕業なの??

そうなると楽と出会ったのもわざとなのだろうか。これもう一度頭から見返したらパドドゥの印象変わりそう…

プリキュア史において妖精が黒幕パターンはなかったはずで、これは男子プリキュアよりも衝撃的だった。楽しそうに踊る5人のダンスを見ながら、やべーよこれいつかプリキュアたちに目論見バレて対峙する日も来るのでは…なんて思った。次回作まだですかね…。

まぁ願いを叶えるためにあれ(名前忘れた)を集めてる、とは最初に楽にも説明してたし、そのパドドゥが叶えたい願いが何かにもよるが…。パドドゥはバレエを踊れること、かつて相棒がいたことをしれっと言ってたけど、もしかしたら相棒絡みの願いなのかもしれないな…パドドゥって2人で踊るバレエだからね…。*6

その他

  • 「会社に行きたくない!」ってイビルダンサーになった会社員、わかるわぁ…
  • パドドゥ妖精態の操演も可愛かった
  • ロックダンスのロックってlockなんだ。爽々奈の説明にへぇ〜ってなった。
  • 回替わりらしい楽の遅刻理由「間違えて天王洲アイル行っちゃって」すかさずツッコむ颯斗「それ銀河(劇場)…」
  • 神社の息子な晃雅の「色々大変だった」話もいつか描いてほしい
  • ブレイクに何があったかを2人に語る部長、マミさんのお茶会?
  • イビルダンサー(だっけ?)あの高さから降りるのすごくね?
  • 室井先生ギラギラしてて好きだわ〜ビジュ良き…
  • 光のリズムに塗り替えていくところももちろんだけど、とにかく色んな場面で踊ってて総運動量やばいな…

まとめ

というわけで思いのほか楽しめた「ぼくプリ」。最後のパドドゥに全部持ってかれたが、こういう新しいプリキュアの形も悪くないなぁと思った。

次回作あったら行く…!

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*1:ハトプリ、ドキプリ、ハピチャなど

*2:4人を助けに入ったキュアブレイクは既に変身してたのでは…?と思ったが細かいことは気にしないことにするwステージショーみたくコスチューム着てても"変身前"扱いだったのかもしれないし。千秋楽アーカイブで確認する

*3:> 「お前は俺に夢をくれた。今度は俺の番だ。お前が夢を持てないって言うなら俺が一緒に探す。未来がないって言うのなら、俺の未来にお前も一緒に連れてってやる、俺ら2人の夢は世界一のダンサー、2人でヒーローになるんだよ!」

*4:すごく印象的なセリフがあったのだが忘れた。。千秋楽アーカイブで確認したい→(追記)これだったかな「ご都合主義や綺麗事で絶望は消えない、夢を失ったという喪失感は誰にも癒せない…一度絶望に落ちたものは二度と希望を抱くことはできないんです」

*5:室井先生消される寸前「まさかあのときの…!」ってセリフがたぶんそれか?

*6:プリキュア妖精あるあるの名前絡みの語尾だけど、パドドゥに関しては「パド」「ドゥ」って2種使ってるのもちょっと気になってる。今はいない相棒の分も自分が担ってるとか、そういう匂わせ?

詩呂の救済、そして「別れの戦記」︰「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The STAGE 中等部- Rebellion」感想

中等部舞台のポスター

中等部舞台Rebellion、無事閉幕。まだ余韻浸り中…

少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The STAGE 中等部- Rebellion

開催概要

revuestarlight.com

開催期間2023年6月7日~2023年6月12日(全8公演)
場所飛行船シアター
チケットS席(1階席前方1列目~4列目)︰15000円
A席(1階席・2階席)︰8000円
配信6/10昼夜
国内スイッチング映像︰5000円
定点映像︰3500円
海外スイッチング映像︰5400円
脚本江嵜大兄
演出市村啓二
出演者
(敬称略)
青木陽菜 松澤可苑 深川瑠華 久家 心 佐當友莉亜
工藤晴香 相羽あいな 生田 輝 佃井皆美
篠原ありさ 稲田有梨 黒木美佑 篠本 桜 夏目桃佳
感想ハッシュタグネタバレ有︰#舞台リベリオン感想
ネタバレ無︰#スタリラ中等部舞台

中等部舞台第2弾

前作「Regalia」から8ヶ月。シークフェルト中等部による2作目の舞台となる。今作は晶の登場はなく、エーデルからはやちよのみが登場する。

また、劇中劇で「別れの戦記」を上演することが事前発表されていた。

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劇中劇「別れの戦記」

真矢・香子で上演されたスタリラ版「再演 別れの戦記」

スタリラにおける「別れの戦記」は聖翔9人による舞台演目だったが、今回は戯曲交流プログラムによりシークフェルト・聖翔・青嵐の3校で演じることとなる。配役の違いは以下の通り。

役名 スタリラ版 舞台版
☆マリアヴェーラ・イル・ソーレ 天堂真矢 南風涼
☆エイラ・サントラム 愛城華恋 高千穂ステラ
☆テレサ・アルベルト 露崎まひる 海辺みんく
☆ルイーザ・バッハマン 大場なな 大賀美詩呂
☆ロイス・クライン 石動双葉 森保クイナ
★カタリーナ・レオパルド 花柳香子 石動双葉
★フィオナ・シュナイダー 神楽ひかり 小鳩良子
★クラウディア・シュヴァルツヴォルフ 西條クロディーヌ 西條クロディーヌ
★ハンナ ・リヒター 星見純那 鶴姫やちよ

同じ役を続投するのはクロディーヌのみ、スタリラ版で香子が演じた黒獅子の騎士団長・カタリーナを今作では双葉が演じる。

そしてかれひかが演じたエイラ&フィオナを今作ではステラと良子が演じる。2人は敵国の騎士でありながらも仲良くなっていく役どころ。これを仲良くなったばかりのステラと良子に演じられたら詩呂の心は…。

会場・座席について

会場は毎度おなじみ飛行船シアター。

ヴァイスシュヴァルツのカード見本

来場特典として、平日公演は先輩ブロマイド、休日公演は中等部ブロマイドがもらえた。また、前回同様ヴァイスシュヴァルツのカードが3枚選べた。今作の出演者9人からステラ・詩呂・やちよを選択。

今回は1階にいたアンドリュー

パネル展示も前回と同じ場所にあったが、涼がいるからか、以前はなかった青嵐も加わっていた。

青嵐のパネル

物販はサクサク。欲しかった中等部メンバーのロゴ入りトートバッグも無事に確保。

ロゴ入りトートがかわいい

スタリラ中等部舞台(6/10夜公演)の感想

記憶補完のため、同公演の配信も視聴している。配信は何度でも見返せてありがたいのだが、やはり生で観る迫力には敵わない。現地で初見で感じたことを思い返しながら綴ってみる。

※ここからネタバレ注意!!

時間配分はおおよそこんな感じだった。

  • ミュージカルパート︰105分
  • 休憩︰20分
  • ライブパート︰25分

ミュージカルパート

詩呂が救済されること、劇中劇「別れの戦記」を上演しきること、この2つを両立させている舞台だった。レヴューシーンが(劇中劇上の)幕間に来るのも新鮮。

詩呂の苦悩と反逆

先生から配役が発表され、それぞれが嬉しそうに期待膨らませる中、唯一空気が重い詩呂。やはりステラと良子がかれひかの演じた役になったことへのモヤモヤが大きそう…。

「キラめくあなたに 私はもう要らないの? 心も体もみんな捧げてきたのに」と歌い出す詩呂ソロパート。他の4人も後から歌に入ってくるけど、4人が前向きなのにただ1人苦しそうなのが辛い。

「『別れの戦記』、この物語は私の心を逆撫でる…」

稽古や本番で劇中劇が進みながら、それとリンクするように詩呂の心情を描く演出がよかった。生まれながらにして舞台に運命付けられたステラを守るため、心を殺して従者に徹していた詩呂。まだ中2なのにストイックに、ひたすらにステラを守ってきたけれど…良子の存在をきっかけに気持ちがぐらついてしまった。

Regaliaで晶に一目置かれていた詩呂。詩呂の演技を見たやちよが、上辺だけで演じていることを見抜く。「わかるよ〜、私もそうだった*1 から」と共感から入っていくのだが、「演技なのですから、観客を騙せればそれでいい」と言い切る詩呂に珍しくやちよがキレた。

「本気で言ってるなら、君とは同じ舞台に立ちたくない!!」

とピシャリと言った直後に「なぁ~んてねぇ~」といつもの口調に戻る、このヒリついた空気がよかった。

なんと詩呂のモヤモヤは1ヶ月余り続く。そして迎えた本番、平然を装う詩呂だったが、なんとなく様子がおかしい…

劇中劇が進みながら詩呂は思い悩む。「あなたの敵は何か?」と問われ「私の敵は……舞台!」と叫んでからの詩呂は、なんか吹っ切れたかのように豹変する。詩呂にしてみれば、ステラにトラウマを植え付け、なおもステラを縛る舞台こそが倒すべき敵だと思ったのだろう。

で、何をするかと思えば、急に芝居をやめ、舞台上で台本にない行動をし始めるという荒業に出た。上辺でもルイーザとして舞台に立っていたのに、そこにいたのは冷めきった詩呂の姿だった。

まさかの事態に困惑するも、観客に悟られぬよう*2なんとか演技を続ける一同。違和感なく捌けたやちよに対し、慌ててアドリブしながら去っていくみんく。混乱の中、黒獅子王暗殺シーンで「別れの戦記」第1幕終了。幕間は大騒ぎ。

絶滅のレヴュー・夜明けのレヴュー

あのメロディki-ringtoneが鳴った次の瞬間、レヴュー服の詩呂が…。やってきた良子もまたレヴュー服になっている。「絶滅のレヴュー」開幕。「あなたのせいでしょ!」と良子に攻撃する詩呂はどす黒い感情が剥き出し*3でエグい。

間もなくステラが止めに入るも「あ~~~うまく行かない!まるで仮面を外されたファントム*4みたい」と半ギレ状態。ここで「とある国に…」と昔話風にステラと詩呂のことを語りだすところなんか好き。

「あなたはもう演じなくていい*5、ステラ・シークフェルトを演じなくてはならない、そんな忌まわしい舞台から解放してあげます」と言ってここから「Rebellion」歌い出すのがもう…!!

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この曲、1番の歌割りはほぼ詩呂で、他の4人は詩呂に呼びかけるようなパートを歌う。レヴュー上も詩呂vs4人の構図。「私はもう要らないの?」と悲しげに歌っていた詩呂が、「もう私を消してよ!」と荒ぶる感情を顕にして歌い戦う。

どす黒い自分に嫌気が差し心を閉ざそうとする詩呂に、詩呂とも友達になりたい、詩呂のこともっと知りたい、と呼びかける良子とみんく。そこへクイナが委員長として、舞台少女として詩呂に喝を入れた。このシーン、Regaliaで独りよがりだったクイナが、舞台に関わるたくさんの人達を思えるくらい成長したことを感じられてよかった。

そんな矢先、先輩たち登場。「相手に遠慮してたら良い舞台なんてできないよ!」これまで何度もぶつかり合ってきた、レヴューの大先輩が言う言葉は深い…

先輩たちと中等部4人で始まる懇親試合「夜明けのレヴュー」。詩呂はその場でうずくまり立ち去るが、やがてクロディーヌの先導で現れたステラとの一騎打ち*6に。ステラの剣が、詩呂の上掛けを飛ばす。

ステラはもう舞台のトラウマを克服していた。良子や他の仲間にも出会えて、舞台の楽しさを見出していた。舞台が大好きだと言うステラは、もうかつての舞台を怖がっていたステラではない。でも詩呂は、あのときのステラに固執してしまっていた*7。進化するステラ、置いていかれた自分、もう存在意義がないのでは…と陰るも、ステラが優しく歌い出す。

「覚えているのは真っ白なあなたの温度 背中を押してくれる優しいぬくもり」…序盤の詩呂ソロから始まる曲と同じメロディ。ステラにとっても詩呂は大事な存在。詩呂がいたから頑張れた、進化した自分を詩呂に見てほしい。そして詩呂にも自分の人生を生きてほしい。

「詩呂の舞台を生きて、キラめく詩呂が観たいの!」

ステラの従者であり続けた詩呂を解放する台詞…。まぁステラはずっと詩呂のことを従者ではなく大切な友達だと思ってるのだが、詩呂も詩呂自身の舞台に立つ理由を見いだせたのならいいな…これでようやく詩呂と4人が打ち解け合えた*8ような気がする。冒頭で歌った「Kaleidoscope of Revue」を再び歌う5人が清々しい。

「別れの戦記」の熱量がすごい

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そして何と言ってもゲームシナリオで読んだ「別れの戦記」を生の舞台で鑑賞できたことの凄さよ…キャスト変更バージョンもかなりよかった。涼マリアヴェーラも双葉カタリーナも、めちゃくちゃカッコよくて惚れた。

まず開演前、「幕があがれば太陽の国と黒獅子の国は敵同士になる。だけど私達は舞台少女、皆仲間だ!皆で舞台を創るんだ!」双葉と涼が中心になって皆と気合入れるところからもうアツい。

クロクラウディア、激しい殺陣しながらのソロ曲カッコいい。軍事演習の挨拶に来たマリアヴェーラに突然奇襲をかけたり、敵意を向けてくるクイナロイスとバトったり、常に強さを追い求める感じがよい。

中等部で唯一黒獅子側だった良子フィオナ。すごくクールで堂々としている演技がよかった。初めは戦わないステラエイラを腰抜けだと思っていたけど、次第にエイラと打ち解けあっていくところもよい。

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そして諸悪の根源・黒獅子王が登場!!スタリラでは文字の台詞のみだが、今作はアンサンブルの篠本さんが演じていた。もういかにも国民のことを大事に思っていない暴君ぶりがありありと出ていて素晴らしいヒール役だった。

カタリーナは言わずもがな、どこをとってもカッコいい。やちよハンナと暗殺計画を話すところや、黒獅子王を襲撃しバッサリ斬る1幕ラストの剣さばきもキマっていた。

太陽国の城に乗り込み、満身創痍なカタリーナのもとに現れたマリアヴェーラ。ここからラストまでの一連のシーンの迫力がすごかった。お互いに譲れない矜持、後戻りできない者同士で交える剣…激しい剣戟の音が鳴り響いた末、マリアヴェーラが崩れ落ちる。

「なんで…なんで躊躇った?!お前の剣なら私を殺せたはずだ!!」*9

「私は王に忠誠を誓い、選ぶことのない人生を送ってきました…ですが、これでやっと選べた気がします…あなたとの友情を…」

カタリーナは太陽王を殺して、マリアヴェーラに新しい太陽王になってほしかった。そのために自分が手を汚してでも革命を起こさねばならなかった。なのにその自分の剣でマリアヴェーラが死んでしまうなんて、なんて残酷なのだろう…カタリーナの絶叫が苦しい…

マリアヴェーラの剣を取り太陽王も討ち取ったカタリーナが最後に手紙を読み号泣するシーンもまたつらい…。スタリラ版では剣で自害する描写があるが、今作は焼け落ちる城とともに暗転。

ところでこのシーン、オペラグラスで見てたらカタリーナがマリアヴェーラにキスしてる*10ように見えてドキドキした。

涼のギャップすごすぎる

もうギャップの凄さで優勝だよ涼さん…

序盤からハイテンションで中等部をタジタジにさせ、早速中等部に適当なあだ名をつけ、双葉に「ハウス!」って犬扱いされてた涼。

クロディーヌがみんくのためにまひるとのティーパーティーを開くと言うと真っ先に飛んできて「全身スズダルキャットにしようかな〜〜〜??」と張り切っていた、あの涼が。

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「別れの戦記」ではこんなにも凛々しくカッコいいマリアヴェーラになるの凄すぎるんだよ…佃井さんどういうことだってばよ…w

あと第2幕で詩呂ルイーザが現れたとき、マリアヴェーラが何も言わず抱きしめるところたまらん…あの瞬間だけマリアヴェーラから涼になってて、詩呂が舞台に戻ってきてよかった!という思いが溢れていた。「よく戻ってきてくれましたね!皆待っていたんですよ…!」と口調はマリアヴェーラなんだけど、中等部を気にかける涼先輩の優しさをすごく感じた。

その他

  • 先輩方のリサーチのみならず、取扱説明書まで作成済みの詩呂w
  • 栞にライバル意識感じてるクイナ。1年先輩なのか。…ん?でも栞は中3のまま??時系列わからぬ*11
  • やちよのあだ名「つるりん」になったのwwww
  • 「君とは周波数が合う気がする~」って手を取る涼とみんくww*12
  • 中等部を戯曲交流に参加させた理由を訊かれたやちよが晶のモノマネをw王のあの決めポーズまでw
  • 先輩ソング、かなりダンス激しいし曲調も新鮮だった
  • 開演前双葉ブロマイド見てるクイナwみんくに浮気疑われてるwてか晶様の写真は額装しているのかww
  • 香子が見に来ているというくだりで背筋がゾクッとしてた双葉。のちに伊藤さん本人が来ていた*13ことが判明w
  • 聖翔の「白雪姫」と青嵐の「美女と野獣」も観てみたいんだが!
  • 良子のブーメラン投げる演出、配信で初めて気づいたけどカッコいい*14
  • 「未完成で、不完全で、欠けているからこそ舞台に立てるの」というクロディーヌの言葉もよかった
  • 「声かけなくていいのか」とクイナに優しく語りかける双葉。その後頭ポンポンして一緒に捌けるくだりまで、ああなんてカッコいいのか…そりゃクイナも双葉に惚れるわ
  • 詩呂とクイナが氷解するシーンで「クイナは独りよがりの大先輩だから」ってみんくwww一言多いwww

ライブパート

犀川先生たちによる前説!待ってましたw

今回から着席で声出しOKとなったが、私の周りは男性が多かった*15のもあり、ちょっと様子見してた。

セトリは以下。前作はシークフェルト曲の割合が多かったが、今作は九九組曲が並んだ。

  • ユメみロ
  • Star Diamond
  • 星のダイアローグ
  • ディスカバリー!
  • Kaleidoscope of Revue(たぶん) ※カテコ


ユメみロ(中等部)

これは盛り上がるねぇ…「アフレぐ!」とはまた違うベクトルの元気ソング。

やたらジャンプ!ジャンプ!してるのが可愛い。

Star Diamond(先輩4人)

先輩チームは「Star Diamond」…良き良き…

ラスサビ前とか歌い終わりとか、涼・双葉ペアが歌割り担ってるの良い。

星のダイアローグ(9人)

続いては「星のダイアローグ」。アニメからスタァライト沼にハマった私は感慨深い…

そして今回歌い出しを担当したのはステラと詩呂。かれひかに続く次世代の2人って感じを受けた。

ディスカバリー!(9人)

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スタリラといえば!な曲。

いつも誰かがどこかでワチャワチャしてて可愛いなw

ここもラスサビは涼・双葉ペア。

Kaleidoscope of Revue(たぶん)(全員)

カテコで挨拶が終わったあと、皆で歌い出す。毎度思うが舞台の楽曲もめちゃいい曲ばかりよな…

まとめ

だいぶ長々書いてしまったが、中等部舞台Rebellionもとても面白かった。詩呂の話と「別れの戦記」両方ともやっちゃうのすごいよね…

第3弾があるとすれば、今度はたぶんエーデルから栞が出るはずで、中等部とどんな絡みをしてくるか今から楽しみである(気が早いw)

▼振り返り配信▼

*1:これどうやら「アルカナ・アルカディア」にその詳細があるらしい!しかし私はまだやちよのくだりまで到達してない…読み進めなければ。。

*2:「別れの戦記」を観ている観客に気づかれないように必死に繋いでる、その焦りや困惑は我々観客からはちゃんと感じ取れる。この塩梅が絶妙。

*3:この「大切に思っていた友達に新しい友達ができて、自分の存在意義が揺らぐしなんかムカつく」って感情、私自身も中2くらいによく感じてかなり尾を引いたので他人事に思えない…

*4:「オペラ座の怪人」でファントムを演じたのはなな。ここに限らず、二刀流だったり「絶滅」∽「皆殺し」だったり、ななの片鱗を感じる要素が多い気がする。

*5:先行公開されていたあらすじで出てきたキーワード。詩呂→ステラへの言葉として出てきたけど、これステラ→詩呂に対しても同じこと言えるよね…

*6:詩呂の武器、2本の警棒がここでは合体して1本の長い棒になってて殺陣がカッコよかった。

*7:ここも純那に対するななっぽさがある

*8:でも、詩呂の立ち直りは意外と早かった印象。個人的にはもうしばらくモヤモヤドロドロしててもよかったけど←

*9:マリアヴェーラがわざと手を抜く、という展開は「初演」の流れに沿ったものと思われる(「再演 別れの戦記」イベスト内で初演との違いについて言及する場面あり)

*10:振り返り配信でキスしてるの?してないの?って話題に「秘密!」と返す輝さんww

*11:時系列問題難しい。教えて偉い人
・Regaliaの後、かつ#3やDelight(進級後)より前
・涼がいるので#2(第100回聖翔祭後)より後
・スタリラ開始時点(劇フェス前)で栞は中3
・クイナが栞を「1年先輩」と言っている
・良子が栞を「同じ中等部生」と言っている
う~~~ん

*12:日によってフュージョンしてるときもあったらしいw

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*13:

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*14:振り返り配信で、この演出を追加してようやくただの鈍器じゃなくなった(意訳)と言ってたのが印象的w

*15:そういえば会場内で男子トイレに行列できてるの初めて見た

よりパワーアップした"再演"︰スタリラ朗読劇「ロイヤルリテイナー」感想

4月2日に開催された「少女☆歌劇レヴュースタァライト -Re LIVE- Reading Theatre 第3弾『ロイヤルリテイナー』」を観た。

イベストとも一味違う、生き生きとしたリテイナーたちの生きざまがカッコよかった。

少女☆歌劇レヴュースタァライト -Re LIVE- Reading Theatre 第3弾「ロイヤルリテイナー」

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開催概要

開催期間2023年4月1日 14:00/18:00
2023年4月2日 13:00/17:00
場所科学技術館 サイエンスホール
チケット7500円
配信:3500円
脚本江嵜大兄
演出江嵜大兄
出演者
(敬称略)
4/1︰野本ほたる 尾崎由香 竹内夢 工藤晴香 倉知玲鳳
4/2︰野本ほたる 尾崎由香 竹内夢 遠野ひかる 工藤晴香
楽器演奏︰furani 宮崎大介 中村哲也
感想ハッシュタグネタバレ有︰#ロイリテ討ち入り
ネタバレ無︰#スタリラ朗読劇

4/2夜公演(千秋楽)は朗読劇60分、アフタートーク35分。休憩15分。

朗読劇シリーズ化第3弾

第3弾はシークフェルトのエーデルたちによる朗読劇。演目はスタリラで2022年2月28日〜3月13日まで開催されたイベント「ロイヤルリテイナー」を元にしたストーリー。スタリラのイベストが舞台で上演されるのはこれが初めてとのこと。

イベスト「ロイヤルリテイナー」

エーデル5人により好評を博した戯曲「ロイヤルリテイナー」。再演にあたり、劇作家の久遠が文と栞をダブルキャストに置き…というストーリーなので、時系列としてはイベストよりも後ということになる。

初日は元エーデルの文、2日目は現エーデルの栞がホリィ・テイカーを演じる。初日は予定があって観に行けなかったが、配信で後から鑑賞した。

復刻イベントと過去作無料配信

朗読劇開催を記念して、スタリラでは3月28日から復刻イベント「ロイヤルリテイナー revival」が始まっている。初日に回したガチャで前回取りそこねたクラウス晶が来てくれたのでとても嬉しかった。

イベント特効キャラきたー

また、朗読劇や舞台の過去作がYouTubeで3日間限定で無料配信された。私はシリーズ化前の作品「新訳 ロミオ&ジュリエット」を見たことがなかったので、この機会に見れてよかった。

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会場・座席について

科学技術館サイエンスホール

今回の会場は科学技術館 サイエンスホール。

科学技術館は子供の頃に数回来たことがあったが、地下2階にこのような劇場があるのは知らなかった。座席に折りたたみ式の小机がついている、珍しい感じの客席だった。

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小さめだが物販コーナーもあり、トレーディング缶バッジや前作「追奏」の複製台本などが売られていた。これらは予めネットで購入済だったが、その場でDelightの晶アクスタを衝動買いしたw

千鳥ヶ淵も桜が満開

時期的に桜の見頃であり、近隣の千鳥ヶ淵はお花見にもってこいであった。

歴史に疎い私は、今回なぜいつもの飛行船シアターじゃないのだろう?と思っていたのだが、道すがら調べて気づいた。忠臣蔵ゆかりの地、刃傷事件が起きた松の大廊下跡地が近いからだ…と。

せっかくなので、公演前に松の大廊下跡へ足を伸ばしてみた。北桔橋門から徒歩で約10分ほど。そこにひっそりと碑があった。また、本丸跡近くでは江戸城天守の復元模型が展示されていた。

松の大廊下跡を見てきた

スタリラ朗読劇(2日目夜公演)の感想

まずビジュアルについて。この朗読劇のために作られた衣装がほんと良すぎて…のっさんの白いパンツスタイルがカッコいい…みんな言ってたけどこの衣装のグッズ化希望…

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あまり忠臣蔵詳しくないので後から気づいたのだが、マントの模様やボタンのモチーフにも赤穂浪士の装束を思わせるものがあった。

再演ならではのアレンジ

ストーリー展開はイベストそのままではなく、朗読劇なりのアレンジもされていた。話の大筋は共通しているが、ところどころ違う展開を見せているのでその違いをみつけるのも楽しかった。

若き軍人ホリィ

「ホリィ・テイカー、推して参るっ!」

冒頭、ホリィのセリフを練習する栞にぐっと惹き込まれる。ここもイベストにはなかったシーンだ。栞は本当に役の幅が広がったよなぁ…普段の栞が出さないような、雄々しい声がカッコいい。

クラウスがホリィに餞別のワインを渡すくだりも、イベストよりさらにドラマチックになっていた。討ち入りしないことを伝えられたホリィの「誇りを失って生きる人生に、何の価値がありますか!」という叫びも沁みた。

ケインとティアのシーンもよかった

ところでイベストではセリフのみの記述となっていたティア役はどうなるのだろう?さすがに出ないことはないよな…と密かに気になっていたのだが、これは栞の二役だった。ホリィが一度捌けたあと、衣装を変えて再登場。栞ティアは守ってあげたくなるような、健気な女性像を表現していた。

栞がホリィとティアを兼ねることで、ケインをホリィが救うシーンがさらにエモく感じる。

イベスト以上の迫力

フーくんの激昂は大迫力だった

どこをとっても迫力がすごかった。筆頭はゆメイファン演じる鬼少尉フー・カズィ。イベストでもすごい剣幕で昼行灯クラウスに掴みかかるのだが、舞台上でも血圧大丈夫かってくらい燃えていた。夢ちゃん流石である。

開演前のメイファンは、朗読劇が配信されていることを知って慌てたり妙にカメラ目線でかしこまったりと安定のコメディリリーフぶりを見せていたが、フーになると一転。アーサーへの忠誠心が強く、叫んだり怒ったり大泣きしたりと激し目の演技で圧倒されっぱなしだった。

冒頭の模擬演習シーンも好きだった。イベスト以上に熱く、ヨシュアの凛々しい声も響き渡っていた。Delightのときも思ったけど、ミチルの男役声好きだな…

昼行灯に見せかけて、裏ではヨシュアと慎重に討ち入りの計画を立てていたクラウス。いよいよ舞台が整って、いざ出陣というときに高らかに宣言するクラウスがめちゃくちゃカッコいい。てか討ち入りのシーン全部たまらん…途中参加するホリィのくだりもアツい。

イベストにはキラの台詞があった

ついにキラをみつけ、表に引きずり出したクラウス。イベストではキラのセリフもあったが、ここではあえて廃したのだろう。「貴様も帝国軍人なら、最期まで抗ってみせろ!!」と叫ぶクラウス、激しく剣が交わる音、少ししてドサッと倒れる音。これだけで、クラウスが悲願の仇討ちを果たした場面が目に浮かんだ。

アフタートークとエバラス初披露

朗読劇のもう一つの楽しみ、アフタートーク。やっぱりエーデルのアフトも安定のワチャワチャだったw

バンドメンバーの皆さんをアフトに呼んじゃおう!という流れで3人登場。しかもあのシーンの音楽聞きたい!とか口々に言ってたらホントにやってもらえて、配役を変えてシーン再現という我々にも美味しい展開に!

ホリィがケインを助ける場面の音のタイミングがぴったりで、その再現をやる一同。のっさんたちがステージ降りて観客と一緒に眺めてるしw

ラストの墓参りシーンの音楽も素敵で…と言ったら演奏してくれて、感激のあまり「安らかに眠るしかないじゃん〜!」と言ってたのが面白かったw

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サプライズ抽選会で「ほ」列と出たときのっさんが「ほたるのほ!」と言ったのに対して「ホリィのホ!」と張り合ってるとのぴー。なんだこの2人w

そしてエーデル5人で初歌唱となる「Everlasting Show to the SHOW!」を披露。途中で2人ないし3人がステージを降りて通路両脇でファンサしてくれた。やっぱ夢ちゃんの歌ウマが光るねぇ…

最後に1人ずつ挨拶。夢ちゃんはその名の通り、エーデルたちと叶えたい夢を熱く語っていた。のっさんも座長として凛明館やフロンティア、そして青嵐のことにも触れていた。そうそう、まだまだ観たい舞台が色々あるよね。

朗読劇第4弾開催が発表されたけど、今度は凛明館だったりするのかな…?

スタリラ朗読劇(1日目昼公演・配信)の感想

初日の文バージョンは配信で。やっぱDelightでも思ったが文と晶の関係ってホント好きだなぁと。これはスタリラやってるときはそこまで意識したことなかったけど、舞台を観てから強く感じるようになった。晶も文も、のっさんと倉知さんが動いてるのを見てから好きになったのよね…

アフトで皆がちょっとポン酢(ゼウスの仲裁)歌いだしてたの面白かったw

文ホリィと文ティア

2日目のアフトでも言っていたが、

  • 文ティア→ケインより年上
  • 栞ティア→ケインより年下

なんだなぁというのがよくわかる。文のティアは栞ティアとも違う、お姉さん感に溢れていてこれもまた良い。ケインの台詞はほとんど同じなのに、ケインの雰囲気さえも微妙に変わっている。文ティアに対するケインは年下男子って感じで可愛い。

また、ホリィも一部台詞が変わっている。特にアーサーの墓前での台詞、栞ホリィの「早く年を取りたい」のくだりも「私は強くなりたい。もっともっと強くなって昇進して、この国を変えたい」に変わっていた。

クラウスの手紙シーン、ホリィの「じゃどうして!」の言い方すらも両者の違いが垣間見えて面白かった。

文と晶のやりとり

開演前、少し後から合流した文は皆に温かく迎えられ、シークフェルトの舞台に立たせてくれたことを晶に感謝する。晶はすぐさま「それは久遠先生が…」と小声で言うが、なんかこの照れ隠しなのかなんなのか不器用な感じが晶らしいw

かつてシークフェルトにいた文が、こうしてまた晶と同じ舞台に立てたのは感慨深い。終演後のやりとりも、最後は文と晶2人の会話で終わる。

晶「次に会うときは、よきライバルとして」

文「ええ、凛明館も負けてないわよ」

晶「望むところだ」

2日目の栞バージョンでは終演後に文からのメッセージが届き、それを読んだ5人がさらなる高みを目指す形で締めくくられる。それぞれいい終わり方なのだが、この文・晶の戦友感が深まる感じがたまらなかった。

まとめ

イベストでも好きだった「ロイヤルリテイナー」が朗読劇として、こんなにパワフルで情熱的なステージとなったことは本当に嬉しかった。衣装も音楽もそしてキャストの熱演もすごく、良いモノを観れてよかった。

エーデルの次の予定は現状ないらしいが、この5人をまたステージで観たいなぁ。早くもエーデルロスになっている…

▶第4弾

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デマがもたらす悲劇︰「ミナト町純情オセロ~月がとっても慕情篇~」感想

ミナト町純情オセロ

久々の新感線舞台、「ミナト町純情オセロ」を観た。デマに惑わされた末の二人の悲劇がせつなかった。

2023年劇団☆新感線43周年興行・春公演 Shinkansen faces Shakespeare 「ミナト町純情オセロ〜月がとっても慕情篇〜」

開催概要(東京公演)

開催期間2023年3月10日~2023年3月28日(全21公演)
場所東京建物Brillia HALL
チケットS席14000円/A席11000円
ヤングチケット(22歳以下)2200円
青木豪
原作︰ウイリアム・シェイクスピア(松岡和子翻訳版「オセロー」)
演出いのうえひでのり
出演者
(敬称略)
三宅 健
松井玲奈 粟根まこと 寺西拓人

右近健一 河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 インディ高橋 山本カナコ
礒野慎吾 中谷さとみ 保坂エマ 村木 仁 川原正嗣 武田浩二

藤家 剛 川島弘之 菊地雄人 あきつ来野良 藤田修平 下島一成
岸波紗世子 髙橋優香 工藤頌子 毛利アンナ可奈子

高田聖子

東京公演のあと、4月13日〜5月1日まで大阪公演がある。

上演時間は休憩込で3時間40分。しかし体感はあっという間だった。

  • 第一幕︰1時間30分
  • 休憩︰20分
  • 第二幕︰1時間50分

健くんmeets新感線

劇団☆新感線といえば剛くんが初舞台を踏んだ「荒神〜AraJinn」「IZO」があるが、健くんが新感線の舞台に出るのはこれが初めて。

しかも関西弁を話すヤクザという、これまでにない役どころ。健くんの新境地を開く舞台となりそうだ。

spice.eplus.jp

ところがその後、健くんは5月2日(大阪千秋楽の翌日)にジャニーズ事務所を退所することが発表*1された。つまりこれが、退所前最後の舞台出演ということになる。

12年ぶりの再演

2011年に橋本じゅん・石原さとみ主演で上演された「港町純情オセロ」の再演作品。シェイクスピアの「オセロー」を、日本の港町を舞台に翻案したところは共通している。

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↑これを読んでから健くん=鶏そばのイメージになってしまった(笑)

ただ、パンフレットによると今作は「再演」ではなく「改訂版」と位置づけているようだ。確かに、港町〜とは登場人物が一部異なる。原作のイアゴーに当たる人物が女性(アイ子)になっているのも大きな違いである。

会場・座席について

向かい側の公園はあんスタのイベントで賑わっていた

会場はハレザ池袋にある東京建物Brillia HALL。つい先月もスタァライトの舞台でここに来たばかりだ。

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スタァライトでは3階席の手すりに視界を遮られる事態が起きたが、今回は1階席だったためそれほど困ることはなかった。1列前の人の頭が被ったがギリギリ許容範囲内だった。。

会場内物販は入場すぐのところ以外にも、パンフレットだけ販売しているコーナーがありスムーズに購入できた。パンフレットのサイズはかなり大きめだが、ビニール袋入りで渡されるのでありがたい。

今回は3時間以上の長丁場。話にのめり込んではいたものの、終盤はさすがに尻が痛かった。。

「ミナト町純情オセロ〜月がとっても慕情篇〜」(3月19日公演)の感想

会場に向かう際、原作「オセロー」のあらすじをWikipediaで、本公演のあらすじを公式サイトでざっと読んでおいた。ああこれは最後に2人とも死んでしまうんだ、それを念頭に置きながら心して観た。

「IZO」以来の新感線。開演前に流れるヘビメタ曲、ああ新感線の舞台観にきたんだなぁって実感w

愚かしくも愛おしいオセロ

負傷して手当を受けた町医者の娘・モナに惚れたことからカタギになることを決意したオセロ。沙鴎組の二代目組長候補として期待されている身の上だが、その座を汐見に譲りモナと結婚することを表明する。

モナの必死の説得もあり、強敵だったモナの父や先代組長の妻アイ子にもなんとか了承してもらったが、全てうまく行って2人きりになった瞬間のはっちゃけぶりが絵に書いたようなバカップルだったw何この可愛いヤクザはww

髭にパーマというワイルドな風貌のオセロ。観音組を潰しにかかるところはとてもカッコいいのに、モナの前ではデレデレ。そのギャップが面白かった。

その分、二幕からの「モナが汐見と浮気しているのではないか?」という根も葉もないデマにじわじわと支配され、嫉妬に燃えモナを殺してしまうオセロが辛くもあり愚かしくも感じた。あんなに愛していたのに、モナを信じることができなかったオセロ…刺し殺さず締め殺したのはせめてもの温情か…。

しかし、観客にはそれがデマだとわかっているのでオセロが愚かに見えるだけなのかもしれない。実際、このようにわずかな疑念とそれっぽい事象を結びつけたデマを流布されたとき、果たしてそれに騙されずデマだと一蹴できるだろうか?自分がオセロだったらモナを信じ続けられるだろうか?と、他人事じゃない恐ろしさを感じた。

アイ子姐さんに圧倒された

本作のMVPは高田聖子さん演じるアイ子だったと思う。やっぱ悪役が素晴らしいと舞台が面白い。悪役ムーブだけじゃなくて観客に語りかけるような独白もよかった。

三ノ宮を騙して利用したり、エミを唆して岩塩を盗ませたり、汐見をモナに近づけるよう仕向けたりとあちらこちらで暗躍しつつ、姐さんと慕うオセロには味方のふりをして接し続けるしたたかさ。デマを吹き込む際も、これは不確かな情報だとか勘違いかもしれないから気にするな、とかオセロにあえて忠告しながら不安を植え付けるやり方が怖すぎた。

モナの死後、エミが岩塩の真相について洗いざらい告白したことでアイ子の悪事が明るみに。ここでしっかりと処罰が決まるのは意外だった。あのボンテージに身を包み、数々の処刑をしてきた赤穂組組長婦人・樹里絵が言うもんだから怖いのなんのって…目以外斬り落として達磨にするって発想もヤバいが、その通告に全く動じないアイ子のふてぶてしさもヤバかった。

デマに翻弄される者たち

今作は「デマによってもたらされる悲劇」が描かれている。

状況は違えどオセロもアイ子もデマによって父親を殺されている。またエミも、根も葉もないデマに苦しめられた経験がある。

デマのせいで大切な人を失った者同士が、片や巧妙なデマを作り上げて相手を貶め、片やそのデマに踊らされて大切な人を手にかけてしまう。なんともやるせない。

しかしアイ子がオセロを嵌めるきっかけとなった「オセロが庇ったのは組長ではないかも?」という兄貴の発言も真偽不明なものであり、アイ子自身もデマに踊らされてここまで来てしまったのかと思うと救いがなくて辛い。中盤でアイ子が歌う「テネシーワルツ」がせつなかった。

その他箇条書き

  • 健くんの関西弁何も違和感なかった(※関東人の感想)
  • 市議会議員の三ノ宮、アイ子にまんまと乗せられてそこまでやる?って行動力に笑ったw三ノ宮先生の変装スキルすごくない?w
  • 汐見の投げキッス、なんじゃこりゃと思ってたらアイ子姐さんがツッコんでて笑ったw
  • 飲むと暴力的になるからと酒を遠慮してたのに、箍が外れて飲みまくってしまう汐見が面白かった。
  • 嫉妬に狂うオセロ、汐見と密会するモナのセリフを妄想して暴走wしまいには「ちん…」って言いかけたところで卒倒してるしw
  • チエとエミとモナがバルコニーで歌うシーン、ああもうこれフラグだ…と思いながら聞いてたからせつない。
  • モナ絞殺シーンもオセロ自害シーンも辛い…でも重なり合う2人は絵画のようだった。てかモナ死んでからラストまでずっと微動だにしない松井玲奈さんすげー!
  • オセロの血が服に着いた状態で終幕し、カテコで現れるまでに早着替えしてるの?すご!
  • 樹里絵が後半からラストまで連れ回してた「犬」がとても気になったw役名も犬村っていうのねw
  • カテコ、何度かやって最後はスタオベ。そのとき最後の最後でオセロ健くんが治安の悪い投げキッスしてたw

まとめ

ここまでとりとめのない感想を書いたが、1回しか観劇できてないので、結構記憶から抜け落ちてしまった部分もある。願わくばもう1回くらいは観たかった。

デマに踊らされてしまう恐ろしさは現代のネット社会にも通じる話題である。オセロのような悲劇をもたらさぬよう、自分の目で真偽を見極めることが大切だなと思った。

*1:2/20 16:57の文春砲で大騒ぎになり、同日深夜に公式発表。この日は剛くんの誕生日でありトニコンツアー中。健くんのことなので、本来の発表予定日はもう少しあとのつもりだったのではないかと思う。。